藤原和博さんの話

藤原和博氏「坂の上の坂」出版記念講演

この本は50代を過ぎて死ぬまでどう生きるか、を書いた本です。「55才までにやっておく55のこと」と副題がついています。その著者である藤原和博さんの講演会に行ってきました。リクルートから杉並の中学校の校長をやったという経歴。話の中に「プレゼン」「ブレスト」「コミュニケーション」という言葉がでてきたので、ボクの仕事にも役に立つんじゃないかと思い、メモしました。文字だけじゃわかりにくいかもしれませんが、「目ウロコ」というとオーバーですがかなり視力がクリアになった話でした。講演会の後、列に並んで本にサインをしてもらったくらい、膝を叩いた話でした。講演の一部をご紹介します。


■ 20世紀は成長社会だった。21世紀は成熟社会になる。
■ 正確に言うと1997年までと1998年からとで大きく時代が変わった。

×1997年まで
×「成長社会」だった
×「みんな一緒」でよかった
×「正解主義(ひとつの答えを求める)」でよかった
×(「わかる人、手をあげて」という教育が主流だった)(今もそうだが)
×「情報処理力(正解)が求められた時代」だった
×「前例主義・事なかれ主義」だった

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○1998年以降
○「成熟社会」になっている
○「それぞれ一人一人」になっている
○「修正主義(思ったことを言ってみて、人の意見を聞いて修正して良くしていく)」になっている

○「情報編集力(納得解)が求められる時代」になっている
○「前例主義」や「事なかれ主義」を上手に疑うこと。否定してみること。
○ つなげる力が必要になってくる(一人の技術・経験・知識では足りない)

■だから、「ブレスト=脳がつながること」が大事。「ブレスト」は生ツイッターみたいなもの。自分の脳が拡張する。自分の脳を人の脳とつなげて、機能拡張させる。

(←そういえば最近、ブレストってしてない。自分一人で考えることが多くなっている。藤原さんが言うように、「正解」を求める情報処理力の時代ではなく、「納得解」を求める情報編集力が求められる今こそ、人の意見を聞いて自分の脳を化学変化させる必要がある、とマジで思った。禎)

(←思えば、佐藤雅彦さんの企画のやり方もそうだった。みんなが話しているのを聞きながら考えていた。個室で一人では考えなかった。いつもみんなの話を聞きながら考えていた。だからみんな遅くまで帰れなかった。禎)

(←広告業界ではブレストという言葉は習った。だけど、いまその重要性にスポットが当たっている。自分の脳ミソを活性させる、ときいて、ハッとした。自分の脳は柔軟性に欠けていた、過去の経験に縛られ過ぎているかも、と思った。禎)

■自己紹介とは、○○会社の×××ですと名刺を渡すことではない。自分のキャラクターを編集してプレゼンすること。

(←確かに名刺をもらってお辞儀をしただけでは、相手のことは何も記憶に残らない。禎)

(←とある水商売経験者の話。その人は、お客様に名刺を渡すときは、いろんな話をした後に名刺を渡すという。そのほうが自分の事を憶えてくれるんだと。なるほど。禎)

■例えばの自己紹介。自分プレゼン術のひとつにQ&A型がある。相手に質問をして自分との共通点を見つける。野球が好きとか何県出身とか趣味とかいろいろ聞いて15分~30分話せる話題をみつけること。

(←そのセミナーではその場で、その会場の隣の人に自己紹介してみてください、となった。ボクの隣は老夫婦。共通点が見つるか?サッカー好きですか?じゃないし、そこで電通ですとか言っても伝わらない。自分は何者なんだ?と焦った。結局、「中村」というありふれた名字で、下の名前は何でしょう?とか「禎」という漢字を何て読むでしょう?というクイズにして話をつないだ。禎)

■コミュニケーションの本質は、相手との共通点を探すこと。メールのやりとりは、ひとり言の応酬にすぎない。

■プレゼンテーションは、相手の脳にあるものを使う。相手の脳にあるものを再構成すること。そうやって、相手の記憶に残す。決して自分のことをしゃべる場ではない。相手の記憶に残すこと。

(←プレゼンもコミュニケーションだからな。テクニックとかいう小さいことじゃなくて、「相手の記憶に残す」ということがすべてかな。企画が良くないとダメなんだけど、それも含めて「記憶に残るかどうか」だな。広告の最大の効果も、相手の記憶に残すことだもんな。たった一日の新聞広告もたった一枚の車内ステッカーも、相手の記憶に残れば一生(近く)その人の脳というメディアに残る。それが最大の広告効果だもんな。禎)


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  1. ピンバック: 夏野剛さんの言葉① | ぶ厚い手帳:コピーライター中村禎の場合

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