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プロの男女は、差別されない。
1986年 とらばーゆ
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「プロ」という言葉がキーワードでした。以前、「忙しさも、男女平等だよ」というコピーを書いていて、それを発展させたコピー。男女雇用機会均等法ができた頃の広告です。「差別」という言葉が問題だといわれることもありましたっけ。「職業としてのプロフェッショナル」を描くのにバレエダンサーを、と言い出したのは今村カントクでした。男女が同等の立場で仕事をしている現場。パリのオペラ座に出ているプロのバレリーナを撮影しよう、というのです。どんな職業でも働いている姿は美しい。どんな職業でも「仕事をする」ってタイヘンなんだ、という共感が欲しかった。そのために汗を流している裏の姿を撮影する。緊張感のある音楽を当てる。そこに、コピーを載せる。ただそれだけ。CMはオペラ座の丸いドームの一番上の場所。そこがこの練習場でした。あの場所へ行けたというだけでも、幸せな仕事でした。