45才の父

4月15日は父の命日だ。
45才の若さで、父は亡くなった。
ボクがまだ5才だったから、もう50年前か。(2013年当時)
コピーライター養成講座の福岡クラスがある時は
いつも延泊して墓参りさせてもらっているが、
今回はちょうど父の命日に来ることができた。

門司の城山霊園というところは、緑豊かな静かな場所で、
小学校の遠足で行ったこともあった。
コロロン、カラン。コロロン、カラン。
静かな霊園にブリキのバケツと柄杓が当たる音が響く。
井戸で水を汲むのは子どもの頃からボクの役目だった。
父も母もじいちゃんもばあちゃんもここにいる。
もう九州には家はない。
このタタミ3畳くらいのお墓の場所がボクの実家だ。
静かで、妙に落ち着く。

子どもの頃、仏壇に飾られていた父の写真は、
そうか、45才くらいだったのか。
兄貴が13才。ボクが5才。
そしてまだ30代だった母を残して
逝かなければならなかった45才の父。
さぞ口惜しかっただろうに。
墓に手を合わせて
「健康には気をつけます。守ってください」と
年下になってしまった父に報告して来た。


45才の父」への2件のフィードバック

  1. 初読の感想は、うーん見事!は不謹慎ですね。でもそう感じました。モノクロの邦画を彷彿させるラストの文を想い浮かべながら再読します。

  2. まがたさん、読んでくれてありがとう。お墓があるから門司に帰れます。記憶の中の父は、ずっとモノクロです。

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