たまたまPARISへ  

ある日曜日。たまたま吉祥寺に行った。たまたま東急百貨店に入った。たまたま催事場で紳士服のセールをしていた。せっかくだからそのフロアまで上がってみたら、たまたま画廊で油絵の個展が催されていた。たまたまその前で足が止まった。

パリの油絵

その油絵にはパリの街とそこで暮らす人々の様子が描かれていた。昔、ロケで行ったことがあったせいか、妙に懐かしく思えて、その絵にしばらく見とれてしまった。パリの白い建物。えんじ色のカフェの日よけ。真っ赤なジャケットを着て楽器を演奏する人。木々の緑。見とれてしまった。見ていてなんだかホッとする絵だ。ボクはそのアートがいいかどうかを「自分が欲しいかどうか」で見ることにしている。この絵は、欲しいと思えた。(高価だからカンタンには買えないけど)ずっと見ていたいと思える、飽きない絵だった。田中善明さんという画家の個展。偶然、ステキな絵に出会うことができた。

パリの油絵田中善明

セレンディピティという言葉を思い出した。「思わぬ発見をする特異な才能」(三省堂提供「EXCEED 英和辞典」)「当てにしていないものを偶然にうまく発見する才能」「偶察力」などと紹介される。本来探していたものとは別の何かを見つける能力のことらしい。偶然の産物。脱線する力。「能力」かどうかは別として、「本来探していたものとは別の何かを見つかる」ということは、よくある。このパリの油絵に出会えたのも「寄り道力」や「脱線力」だ。

これはGoogle検索にはできないことだろうな。Google検索はある目的に一直線にたどり着くだけだからな。やはり、「寄り道」や「脱線」は必要なんだ。そのためにはやっぱり、デジタルの中を彷徨うだけじゃなく、自分の足で外を歩くことが大事なんだろうな。と、ふと思ったわけでした。


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