…ビールの冷えたところへ行きたい。

ああどこか

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ああ、どこか
ビールの冷えた
ところへ行きたい。

1993年 キリン一番搾り 
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この頃の一番搾りは、CMとグラフィックはある意味で「別々」でした。いい意味で「立体的な連動」とも言えます。その両方に関わっていたのはCDの故・高梨さんとボクだけでした。CMがこうくるから、グラフィックはこうしよう、というふうに考えていました。

CMでは、吉本新喜劇のベテラン花紀京さんと緒形さんの共演です。この頃の企画は、他社のビールが同じネタできても負けないヤツをやろう!と、あえて他がやってきそうな「ネタ」を探しました。ビールといえば?そう「枝豆」ですね。緒形さんの家に花紀さんが遊びに来て、でっかい鍋で枝豆をゆでている。できたての枝豆とビール。王道です。

枝豆篇

「枝豆は、柔らかからず固からず。塩加減もあんまり、かとうのーて(「かたくなくて」は塩からすぎないで、という関西弁だそうです)と花紀さんがニコニコしてると、緒形さんが「あ、ない・・・」「何がないの?w」「ビール・・・」「んな、せっしょうな・・・」「ゴメン・・・」という、ビールがでてこないCMでした。

ラストカットは緒形さんが猛烈に自転車を漕ぐシーン。あわてて酒屋に走っているカットでした。(カゴにビール瓶を入れて戻ってくるとこだったかも)結局、飲みカットなし。すごいでしょ。でも正しいと思うのです。CMはビールをうまそうに飲むところを見せるものではなく、CMを見た人にビールが飲みたいと思わせることが大事なわけで。と説得したように憶えています。

その枝豆篇のときのグラフィクがこれです。連動しているのは、緒形さんとちいさい枝豆とうれしいビール。そこさえつながっていればいいんだと思いました。CMで飲みカットがないので、緒形さんの顔の近くに瓶を持ってもらいました。で、このコピーです。


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