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いい家でありつづけること。
ニッセキハウス
1993年 ニッセキハウス工業
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93年頃、1年半くらいの期間でした。ほとんどマス広告を打ってこなかった、知名度もまだあまりない住宅メーカーを担当しました。広告予算も潤沢にあるわけではありません。小さな広告で大手有名メーカーに挑むのです。クリエーティブとして、こんなにやりがいのある仕事はありません。ジャイアント・キリングをやるしかないのですから。
まず企業スローガンを提案しました。商品の特長を言うのではなく、企業として、どんな家をいい家と考えているのかをまず表明すべきだと思いました。「どんな家か」の前に「そもそも私はどんな人か」を自己紹介するのが先だと思ったからです。「いい家です」というのは、どこも言うでしょう。だから、新築の時だけでなく「ずっといい家」であることが大事。このコピーを採用してくれるかどうか、クライアントに問いかけたとも言えます。「いい家でありつづけること」というコピーを採用したということは、クライアントはそれを「約束する」ということです。
15秒CMを何タイプかつくりました。オンエア量もそんなに多くありません。だから、まず他の住宅メーカーとは違う「目立ち方」をしようと思いました。商品カットの出てこない、これから家を建てようとしている人に「ニッセキハウスはいい家です」じゃなくて、「ちょっと役に立つ正直な話」をしようと思いました。当時のボクはまだ家を建てるなんて実感はありませんでした。いろんな本を読んで勉強していくうちに、こういうことを住宅メーカーの広告で教えてくれたらいいのに、を広告で言うことにしました。
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ニッセキハウス工業 企業CM 家の話④ことわざ篇
The Cook covers his mistakes with mayonnaise,
コックは、料理の失敗をマヨネーズでごまかし、
The Architect covers his mistakes with ivy. —proverb
建築家は、自分の失敗をツタでおおってごまかす。—イギリスのことわざ。
住宅展示場は、じっくり見ましょう。
ニッセキハウス。
いい家でありつづけること。
ニッセキハウス。
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いい家でありつづけること②ニッセキハウス
第25話 なんでダイワハウスじゃないんだ?
ピンバック: 第25話 なんでダイワハウスじゃないんだ? | ぶ厚い手帳:コピーライター中村禎の場合
「いい家であり続けること。 ニッセキハウス」
何かの拍子にこの「ぶ厚い手帳」にヒット。
こっこれは!私のもっとも気に入っていた、コピーだ。
二十余年の時を越えて懐かしく、そしてありがたく拝見しました。
この年の確か秋ごろ、東証第一部に上場したこともあって、
(そういう意味でも)大変記憶に残る広告でした。
当時の宣伝の責任者:結城くんは、昨年8月に59歳の若さで逝去。
中村禎さんのこのブログを見ていたらきっと喜んだでしょうね。
私たちはともあれ、皆さまのお家は、いい家でありつづけてくれて
ますよ~に!
コメントありがとうございます。
少ない出稿量のコピーでしたが、記憶に残ることができて、
こんなにうれしいことはありません!