明日はあしたの使い方2

天井が高いスパシオCM

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明日はあしたの使い方。

1997年 TOYOTAスパシオ
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「天井が高い理由」篇

S:声:爆笑問題
N:スパシオはなぜ天井が高いのでしょう?
N+S:①ノビが自由にできるから。
    ②乗り降りが自由にできるから。
    ③髪型が自由にできるから。
N:答えはお近くのカローラ店へ
S:明日はあしたの使い方。
N:スパシオ? スパシオ!

この仕事は『佐藤雅彦さん』とやれたことがすべてでした。企画はみんなで出し合いながら進めて行きます。みんなが企画を出しながら、雅彦さんはそれを黙って聞いている。そしてそれらのいい所は活かして、自分で企画にまとめて行く。この「天井が高い理由」篇も、「三択問題」というアイデアにOKがでて、ただ3番目のオチが決まらず、みんなでいろいろ言い合って、雅彦さんが決定します。家に帰って一人で考えるというボクのスタイルとは違うので最初は戸惑いました。それに、企画ができないと夜明けになることもあった。それがイヤだったなぁ。

なかなか企画がまとまらないとき、こんなことがありました。「いまから30分で一人一案考えて持ち寄りましょう。では解散。」こういうやり方をしたこともありました。これは、ダラダラした空気を変える意味でも効果的でした。

こんなこともありました。なかなか企画が決まらず、夜中0時過ぎた頃。今日も何時になるんだろうと思っていた時、雅彦さんが「これから次があるので、また明日集りましょう」と言うのです。夜中の1時すぎに別件の作業があるというのでその日はそこで解散になった。その時間から次があるって笑っちゃいましたが、とりあえずその日は「あー助かった」でした。

こんなこともありました。編集MAVでのこと。とにかく「音」にはとても厳しい人でした。1秒の30分の1が1コマ。SEの出だしを1秒の何分の一か動かしたり、それを聞き較べたりして判断していく。ボクは「そんなのどっちでもいいから、早く帰りたいなぁ」と思っていましたが、聞き較べるとたしかに違う。1秒の何分の一にも手を抜かない姿勢には参りました。「ディテールに神は宿る」という言葉を思い出しました。(だからといって、なんでもかんでも細部にこだわってつくっていたら時間とコストがかかりすぎ。そのCMの肝は粘るべきだと思うけど。なんでもかんでも、ではないとは思いますが)

それともうひとつ。雅彦さんのプレゼンも面白かった。15秒のコンテを説明する時。一通り説明が終わったらストップウォッチを取り出して、頭からナレーションやSEを読み始める。で、「ハイ、ここまでで13.5秒。1.5秒のCIが入って15秒になります」とプレゼンするのです。15秒CMをつくる、という仕事への雅彦さんの「誠意」を感じました。

また何かのお仕事でご一緒できるといいですね、ド深夜作業にならないのであれば。


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