オトコには、足りないものがある。

98ブリオ

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オトコには、足りないものがある。

1998年  光文社 BRIO創刊
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男の生活誌創刊の新聞広告です。CDは岡康道 AD川口清勝 C中村禎 という仕事でした。彼らがタグボートをつくる直前の仕事でしたか。このコピーは岡CDが選んでくれました。信頼できる人がコピーを見てくれる仕事はラクです。コピーをたくさん書くだけでいいんですから。

男性の染色体は女性に較べて1本足りません。だからというわけではないのですが、「足りないものがある」と言われると気になりませんか?その足りないものは何か。それがこの雑誌の中にあるのかもしれない。そう思ってほしくて書いたコピーでした。

この雑誌のターゲットの男性。その男の「顔」を出すのは難しいと思いました。「顔」のイメージがこの雑誌のキャラクターを決めてしまいますから。そこで、「例えばこういう男」というものを「文字で」出すことにしました。その文字を書いた紙で顔を隠す。川口くんのアイデアでした。
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妻はひとり。
クルマは外車。
会社は丸の内。
趣味はスポーツ。
旅行は海外。

(だけど)オトコには、(ちょっと)足りないものがある。(かもね)
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(だけど)(ちょっと)(かもね)と、心の声を吹き出しで入れてみました。そういう「遊び」があったほうが、この雑誌の気分でした。いま思えば、豪華なスタッフでしたね。単発の仕事でしたが、あの二人と組めたことはいい思い出です。

追伸:「足りないものがある」って悪いことじゃなくて、いいことだと思っています。自分に足りないものがあると思うからこそ、努力したり向上したいと思うわけだから。「足りないものがある」ということは「永遠のベータ版」でもあるということだから。


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