ビールって92%は「水」なんだ。

00モルツ92%水

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ビールって92%は「水」なんだ。

モルツは、天然水仕込み。
2000年  サントリー
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CD佐々木宏、AD副田高行、C中村禎というメンバーでの新聞15dシリーズです。キリン一番搾りの仕事を担当していたボクとしては、彼女と別れて何年か経って、別の女性とおつきあいするような、なんとも微妙な気持ちでした。でも、その昔の彼女はもう別の男とつき合っているわけだから、別に気にすることはないのかもしれませんね。プロとして、この商品のいいところをお客さんに伝えなければいけない。それが広告屋の使命です。

サントリービールは天然水を使っていることは知っていました。でも世間の人はほとんど知らないことだったでしょう。サン・アドの安藤隆さんのモルツのコピーで「天然水でつくったビールと、水道水でつくったビール、どっちがいいですか?」的なコピーの広告がありました。そりゃ天然水のほうがうまそう。そこをもっと徹底的に突いて行こうというシリーズです。

多くの人は気にしていない(だろう)缶ビールの横に書いてある文字。ビールの原材料のところ。ふつうは「麦芽」「ホップ」と書いてあります。麦芽100%じゃないビールは「米」とか「スターチ」などと書いてある。でも、調べてみたらビールの約92%は水だという事実。じゃあその「水」についても、どこのどんな「水」なのか書けばいいのに、と思ったのです。

ビールの広告なのに「水」の話をするのでブルーです。でもブルーはビールっぽくない色です。だからコピーには必ず「ビール」という単語は入れるようにしました。水の広告のような顔つきをしたビールの広告です。これはビールをおいしそうに見せる広告ではなく、ユーザーに「このビールは天然水?水道水?」と水のことを気にしてもらいたい広告でした。

矢印で「関東エリアのモルツは、丹沢水系、赤城山水系の天然水でつくっています。」というコピーを入れました。天然水がいい、と自慢するのではなく、「どこどこの水を使いました」という正直な話は、このビールに「誠実」という「味」をプラスするんじゃないかと思ったのです。こういうちょっとした部分って大事だと思うんですよね。これはたしか、掲載される地域で何パターンかつくったと思います。


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