がんばれNTT がんばるKDDI

KDDIがんばる10月2日月曜日の朝刊15d。この朝刊を見たNTTの社員はどう思うだろう。KDDIの社員はどう思うだろう。それを想像しながら出社した朝でした。

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がんばれNTT
がんばるKDDI

2000年 KDDI
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大きな仕事でしたから、当然代理店数社による大競合大会だったそうです。「だったそうです」というのは、ボクらは競合ではなかったから。KDDとDDIとIDOの3社が合併するわけですから当然社長も3人いただろうし、宣伝部長も3人いたのでしょう。当然、なかなか話が決まらなかったそうです。それに業を煮やした新会長、牛尾電機の牛尾治朗さんがついに、『そんな競合なんかで何社にも案を出させてもダメだ。電通に佐々木というのがいるらしいから、その男に依頼せよ』となったようなのです。その頃、佐々木さんはいろんな仕事で目立っていたから有名だったのでしょう。『佐々木に頼め』と牛の、いや鶴の一声です。こうしてKDDIの作業が始まるのですが、その話が来たのがもう夏休みも終わろうとしていた頃。合併は10月1日。時間がない。予算はあるが時間がない。結果的にこれが良かったのだと思います。時間がないから、決断が早い。早くしないと間に合わないからね。

しかし、この仕事がうまくいった一番の理由は、佐々木さんと牛尾さんが最初にふたりで話し合ったことだと思います。そこで目指す方向が確認された。ふたりで話してお互いに信頼関係が生まれた。本来、仕事とはこうあるべきです。クリエーティブ・ディレクターとクライアントのトップ(もしくは決定者)が1対1で話す。プレゼンもその1対1でいい。決定しない人や決定できない人にプレゼンしても意味がない。ほんとうに意味がない。

目指すべき場所が一致しているから、このコピーも一発OKでした。こうしてNTTとKDDIが並ぶと、対等なカンジがするでしょ。でも現実は巨人と小人くらい(曙と舞の海くらいか)企業としての規模の差があったから、タイマン張ります、という宣言でした。相手は「へ」とも思ってなかったかもしれませんが。このコピーは、対等に闘いましょう、という宣言でもありました。

この原稿はたしか10月2日月曜日の朝刊。10月1日から5日くらいまでの連続15dだったと思います。下には小さく「◎国際電話の001と国内電話の0077と携帯電話のauとインターネットのDIONの集合体。KDDI,スタート。」と入れました。

(このコピーは事前にNTTさんにも了解を得ました。名前を使わせてもらってますからね。電通の営業が、そこは頑張って了解をとってくれました。このコピーが世に出たのは、多くの人の勇気や苦労のおかげ。感謝です)

・がんばれNTT がんばるKDDI
・No.2だから、ヤンチャできる。
・つまんない広告をする企業は、ほぼ、つまんない。
・「ジョニーって誰よ」


がんばれNTT がんばるKDDI」への2件のフィードバック

    • たまちゃん、仕事は巡り合わせだね。こういう運のいいチャンスボールが来た時に確実にシュートを枠に打てるよう、日頃の練習が大事なんだろうね。僕らの日頃の練習ってなんだ?

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