名前の天才 02
「しりあがり寿」
「しりあがり寿」というおチャメな名前。売れっ子漫画家のペンネームなんですが、初めて目にしたとき、なんとも心地よい衝撃を受けたことを覚えています。奇をてらった様子もなく、淡々としたユーモラスな人柄ってカンジ。
「しりあがり」と聞くと僕は、子供の頃の鉄棒の技を思い出すのですが、企画意図は「なんだか上り調子なカンジがいいと思って」だそうです。(彼は昔、某企業の宣伝部にいて、一緒に仕事をしたことがあるんです)そこに「寿」という、本名にもある一文字を入れ、さりげなく本人のキャラクターをほぼ完璧に表現しています。
自分で自分の名前を付けるって、実に頃合いが難しい。自己満足で終わりそうで怖いですしね。僕は「ペンネームのいらない職業」でホント助かったな、と思います。(コピーライター)
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最初にこの名前を目にしたのはたしか「ホットドッグプレス」だったと思います。小さな挿絵とこの名前。その時はまさかクライアントとコピーライターとしてお仕事する人だとは思いもしませんでした。Mさんはビールの仕事の海外ロケに行ったとき、当時まだ戦争中の携帯電話のようなデカイ電話機で、スーツ姿で片膝付いた姿勢で、日本と電話していました。その写真があるのです。その電話は会社ではなく雑誌社との電話だったらしく、締切のことで話していたようです。
毎日新聞に「名前の天才」という小さなコラムを書かせていただいていました。その当時の原稿がでてきたので、これも「書いたコピー」として記録に残しておこうと思います。
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