シュルツさんの手から

snoopymag1

スヌーピー展に行ってきました。「中村はそんなにスヌーピーが好きだったのか?」といわれると、そうでもなかったんですが、今年のぶ厚いモレスキン手帳をスヌーピーバージョンにしたこともあり(とはいえ好きなのはチャーリー・ブラウンのほうなんですが)原画を見たくて行ってきました。こういう展覧会には、いままで出不精だったのですが、行ってみて、やっぱり良かったと思います。自分にいろんなものを見せてやることは大事だと思いました。

ボクが一番見たかったのは「原画」です。どのくらいの大きさで、どんな筆記用具で、どんな紙に描いていたのか。完成品もすばらしいのですが、下書き(下描き)というか、悩んで描いている様子を見たかった。展示の中の映像でシュルツさんがメモ帳にサラサラッとチャーリー・ブラウンを描く様子が映し出されていて、見とれてしまった。ペン先から魔法のようにチャーリー・ブラウンが現れる。この線は世界中でシュルツさんにしか描けない線なんだ。そう思うと、「その人にしか描けないもの」ってすごいなぁと憧れます。

スヌーピー下書き

展示の中に彼の言葉がありました。

「漫画家にとって根本的な問題は、
 いかにしてアイデアを思いつくかどうかなのです。
 チャールズ・シュルツ」

その下に解説がありました。
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シュルツが漫画に取りかかる際には、ウォーミングアップとしてノートに鉛筆でスケッチを描くことがよくありました。ドゥードゥル(いたずら書き)と呼ばれるこうしたスケッチを描くとアイデアがどんどんわいてきたからです。もっとも、完成した漫画がスケッチとかけ離れたものになる場合もありました。シュルツは作品の仕上げにインクで描く細かい作業よりもスケッチの生き生きとした感覚を好み、それらを「おそらく自分で描いたうちでも最高の出来」と呼ぶほどでした。

それにもかかわらず、毎日仕事を終えるときには決まってほかのゴミと一緒に捨ててしまいます。幸運なことに晩年には、彼の秘書がゴミ箱から丸められたスケッチをひそかに取り出して家に持ち帰り、アイロンでしわを伸ばして、後世に残してくれました。
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ゴミ箱から

アイロンかぁ。いい話だなぁ。

人間の小さな手。5本の指。1本のペンと紙。ただそれだけでいろんな「線」が引ける。その線がチャーリー・ブラウンになったり、日本語の言葉になったり。手でできることって無限なんだな。電源もなしで。


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