名前の天才④都忘れ

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名前の天才 04

「都忘れ」

通勤途中の道端の、緑が鮮やかに見える季節になってきました。相変わらず名前を覚えきれない僕なんですが、憶えている花の名前があるんです。紫色の小さな花を咲かせる野菊「都忘れ」です。 昔、順徳上皇という貴族が佐渡に流されていたとき、草でぼうぼうになった庭に一茎の野菊が紫色に咲いているのを見つけ、「紫といえば京の都を代表する美しい色。今日からはこの花によって都のことを忘れることができる」と言ったのに由来するそうです。 ほんとに忘れる気があるのなら「都」なんて字は使わなきゃいいじゃん、と(意地悪く)思うので、側近が付けた名前かも。ちいさなちいさな、紫色の野春菊の名前に、日本人の切ない気持ちが込められている。忘れられない名前になっちゃいました。 (コピーライター)
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毎日新聞に「名前の天才」という小さなコラムを書かせていただいていました。その当時の原稿がでてきたので、これも「書いたコピー」として記録に残しておこうと思います。これは新緑の5月頃の掲載だったかと思います。


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