自腹という覚悟

105期修了式

コピーライター養成講座基礎コース修了式の懇親会に行ってきた。基礎コースでは、専門コースの中村組とは別に、少人数クラスという3回のクラスを受け持ってて何人かは知っている顔がいるのでいつも行くことにしている。ボクも大学4年の頃、この基礎コースに通っていたので、こういう懇親会に講師の人が来てくれるとうれしい(だろうと思う)だから、行くようにしている(ボクの頃はこういう会はなかったから)

いろいろ話していて、自分が通っていた頃を思い出す。そこで、宣伝会議のエライところに気づかされる。ボクが通っていた頃と今と、受講料がほとんど変っていないのだ。ボクが通った1979年頃は確か16万8,000円くらいだった。聞いてみると、今もそれくらいだという。なんとほとんど値上げしていない! 宣伝会議、スゲー、と修了生たちに話した。しかし、ちょっと待てよ? とも思った。ボクが大学生だった時代のアルバイトの時給は500円がいいほうだった。今はというと、時給1,000円くらいだという。つまり、貨幣価値からすると当時の16万8,000円は現在の33万6000円くらいじゃねーか? てなことを今の修了生に自慢しながら、ふと思う。何を言いたいかというと、金額はいくらにせよ、ボクは当時16万8,000円の(現在の貨幣価値でいう33万6,000円くらい←しつこい)自腹の覚悟をしたんだ、ということ。今の修了生も16万8,000円の自腹の覚悟をしたということ。学生でこの金額は大金だ。ボクもバイトの貯金だけでは足りず、親から借りて払ったと思う。つまり、お金を払ってでも学びたい、なんとか技術を習得したい、どうしても広告業界に入りたいというハートの強さが大事なんじゃないかと思った。

ボクは社内でコピー講座のようなものをやることがある。(注:当時は電通クリエーティブ局に在籍中)しかし弊社の新入社員と宣伝会議の生徒とでは目つきが全然違うと感じる時がある。社員は当然無料、しかも給料をもらいながら教えてもらっている。宣伝会議の生徒は自分の貯金をはたき、借金してでも通って来ている。中には長距離深夜バスで通う者もいる。その差はなんだ? ハングリーさの差以外にないだろう。無料で教わることと、自腹をはたいて教わること。どっちが染み込むか、ということ。ま、本人の気持ちの持ち方次第なんだけど、自腹にはそれ相当の覚悟があるのだと思う。修了式では「あ〜やっと終わったか」という顔もあれば、「まだまだ足りない・・・」と思っている顔もある。自腹の覚悟をした目は清々しく、澄んでいると思った。

追伸:今年の宣伝会議賞で。協賛企業賞の8代目中村組名引佑季くんは大阪から。同じく協賛企業賞の8代目松田孝一くんは名古屋から。眞木準賞の9代目古橋亮羽くんも名古屋から。偶然にもみんな深夜バスで中村組に通ってくる若者たちだった。


自腹という覚悟」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 中村組OBから | ぶ厚い手帳:コピーライター中村禎の場合

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