名前の天才⑦やや重

魚竹

名前の天才⑦

「やや重」

「ややおも」と読みます。(耳でしか聞いたことのない名前なんで、違うかもしれませんが)お昼に、築地にあるうまい魚屋さんで定食を食べます。「いらっしゃい~」という軽やかな声で迎えられると、「今日はいかがしやしょ?」とくる。「焼きで」と答えると焼き魚定食。「ごはんは?」とくると「やや重で」と答える。これ、ご飯の盛りの呼び名なんです。普通盛りよりやや多めで、大盛りよりやや少な目な「やや重」。半ライスというネーミングもなかなかスゴイのですが、この「やや」ってのが、いかにも日本風であいまいで。そのへんが妙に気に入っています。「はいっ、ご新規さん、ややでよろしくっ」な~んて声を聞くと、やっぱ、日本人っていいなあ、と思ってしまうのであります。(コピーライター)

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この投稿をするために、「魚竹」に写真を撮りに行きました。ほんとは魚竹の「やや重」を撮るつもりだったのですが、その時間はまだお腹空いてなかったので暖簾を撮って帰ってきました。魚竹さん、ごめんなさい。今度行きます。

*毎日新聞に「名前の天才」という小さなコラムを書かせていただいていました。その当時の原稿がでてきたので、これも「書いたコピー」として記録に残しておこうと思います。


名前の天才⑦やや重」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 名前の天才①ニューライン | ぶ厚い手帳:コピーライター中村禎の場合

  2. ピンバック: 名前の天才⑥瓶覗(かめのぞき) | ぶ厚い手帳:コピーライター中村禎の場合

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