だってブラジルなんだもの【22】クイアバの夜道

クイアバの夜道クイアバの夜道2これは「サポ村ツアー」でシェアした写真です。たぶんクイアバのレストランへ行く途中の道と帰り道。駐車していたクルマもいなくなってる時間。

6月24日(夜)

コロンビア戦の夜。ホテルから歩いていける距離にある大きな食堂で全員で夕食。歩いて5分くらいなので、大勢でゾロゾロ歩いて行く。バイキング型式のブラジル料理。野菜不足の日々だったから野菜中心に食べるようにした。というか、肉はあっという間になくなってしまっていた。今日の話はその料理の話ではなく、帰り道の話。

食事が終わったら流れ解散だという。ボクたちのテーブルは4人だったので、その4人で「じゃあ、そろそろ帰りますか」となる。ビールを飲んでいいカンジで店の外に出る。街灯はあるが道には人影もなくクルマも走っていない。ホテルを出てからゾロゾロみんなにくっ付いて歩いて来ただけなので、帰り道を間違えないようにせねば。4人で笑いながら歩く。確かあのガソリンスタンドの脇を曲がるんじゃなかったっけ? そうだそうだ、ここは曲がらなきゃ。ボク以外の3人はのん気に歩いているように見えた。しかしボクは『もしかしてこの状況は非常にヤバいんじゃないか?』と感じていた。ここでもしクルマかバイクで寄って来られたら、丸腰の日本人4人、通行人は他にいない、ホールドアップも十分有りだと感じた。ボクは笑いながらもキョロキョロしながら早足になっていた。ブラジルでは最大限の注意を払っていたので、結果的に危ない目には遭わなかったが、今回のブラジルで一番『ヤバいかも』と思った数分間ではあった。そして無事にホテルに到着。ホッ・・・。やはり思い過ごしだったのか。

と思ったら、それがそうでもなかったことが後日判明した。

帰国後聞いた「ある友人」の話。このコロンビア戦の夜、クイアバの別の場所でなんと、襲われたというのだ。その彼は、クイアバに住むブラジル人の家に泊まる予定だった。彼はブラジル人の友だちたちと「クラブ」のような店に遊びに行った。深夜、彼は「先に帰るわ」とひとりで歩いてその家に向かった。そんなに遠くなかったらしい。ところが、その家のお母さんがもう寝ちゃっていてドアベルを鳴らしても開けてくれない・・・。こんな時間に外にいるのは危険だ。どうしようもなく彼はもう一度店に戻り、友だちのお母さんにドアを開けてもらえるように電話してもらった(らしい)。そしてもう一度その家に戻ろうとひとりで歩く、その帰り道。たぶんこの写真のような道だったのだろうか。二人乗りのバイクがやって来てピストル、そしてホールドアップ・・・。リュック丸ごと盗られバイクが走り去る・・・。その時、何を思ったか、彼は大声で『パスポ〜ルチ!ポルファボ〜ル!(パスポート、返して!)』と叫んでみたそうだ。すると、静かな夜道に彼のポルトガル語が響いたのか、遠くでバイクが止まった。そして何かをポイッと捨てて走り去った。そこへ駆け寄ってみるとなんと!パスポートとなぜがマッキー(油性マジック)が捨てられていた。パスポートを返してくれた、いい人たちだ。いや、強盗だからいい人じゃないわ。でも、『パスポルチ!ポルファボル!』と叫んだ彼は冷静だなぁ。エラいなぁと感心したら、実は彼、その何日か前にも、サルバドールでも襲われていて一眼レフを盗まれたんだという。平和と危険が背中合わせ。何が起こるかわからない。だってブラジルなんだもの(つづく)


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