だってブラジルなんだもの【25】三人の長い一日

キリストの右手 よく見る写真でしょうが、これは珍しい写真だと思います。キリストの右手の先を見てください。落雷で欠けた指先を修理する人。右肩のあたりのハッチから出てきて歩いて指先まで。このキリスト像の大きさがわかっていただけたでしょうか。

ここに立つかゼッタイ無理。。。

2014年6月27日(金)

さあ、今日は楽しみにしていたコルコバードの丘のキリスト像を見に行く日。リオデジャネイロ最大の、ブラジルの代名詞でもある観光地。当然危険もいっぱいだろうとビビっていた。だから、できれば1人では行きたくなかった。facebookでその悩みをつぶやくと、同じ境遇の人がみつかったのです。1人で行動していて、その日リオに滞在している人たち。荒木さんとMIYAさん。もちろん面識はありません。facebookメッセージだけで情報交換して、待ち合わせをして、その日一日一緒に行動したのです。ありがたかったなぁ。ソーシャルメディアのおかげです。

荒木さんとMIYAさん 一緒に行動してくれた荒木さんとMIYAさん

コルコバードの丘に登る乗り合いバスのターミナルが、ボクが宿泊しているHOTEL REGINAのあるCATETE駅のとなりの駅近くにあるらしい。ということで、荒木さんとMIYAさんがHOTEL REGINAに来てくれることになりました。ホテルのロビーで待ち合わせ。初めまして、よろしくです。今日のコルコバード運命共同隊です。

予約した乗り合いバスが登って行く。かなりの急坂。丘じゃなくて山だ。(調べてみたら標高710m)頂上に近づく。ちらっとキリストさんの後ろ姿が見えた。デカッ。あまり下調べをせずにやってきたもんだから、その大きさにビックリ。こんなにデカイとは知らなんだ。逆に調べないで来たから単純に感動できた。『1931年のブラジル独立100周年を記念して、1922年から1931年にかけて建設された。高さ39.6メートル、左右30メートルあり、635トンの重量がある』なんて知らずに行ったのがよかった。しかもパノラマ360度。もう興奮して写真を撮りまくったのだが、帰って見てみたら全然いい写真がなかった。ま、そのときの「興奮」は写っていますが。

IMG_1259 真後ろの下から見上げるとこんなカンジで首が見えない

このキリスト像の写真は有名だからみんな知っているでしょうが、この台座の中に教会があることは知らないでしょ。裏に入り口があってそこが小さな教会になっているんです。ま、ただそれだけのことなんですが。 IMG_1255 のコピー 教会内は撮影禁止なのでササッと撮ったら入り口上部しか写ってなかった

遠くにマラカナンどうしても撮りたかった写真。それがコルコバードの丘からマラカナンスタジアムを見下ろす。ちょっとズームでボケてますが、あれが明日行くマラカナン。

ボタフォゴ歩道橋より 海岸近くの歩道橋。これもアホな観光写真か、と思いきや。ボクの後ろ、山の頂上を見てください。あれがコルコバードの丘です。あの高さのキリストの右手を修理していた人がいたんですから。

ポンジアスカル潜水艦 ボタフォゴ海岸の潜水艦(ボクにはそう見えるんです)

さて次は、ポン・ヂ・アスーカル(Pão de Açúcar)に登りましょう。リオのもうひとつの顔ともいえる潜水艦のような山。『大西洋に繋がるグアナバラ湾に突き出す半島の上にある奇岩で、ブラジル・リオデジャネイロの南部に位置する。海抜は396メートルであり、ポン・ヂ・アスーカルの名前の由来は、その形が砂糖パンに似ているところから来ている』そうだ。「ポン」はパン(ポン・テ・ケージョのポン)で「アスーカル」は砂糖。「カイピリーニャ・シン・アスーカル」でブラジルのカクテル、カイピリーニャの砂糖抜き、となります)

シュハスコランチ リッチなランチ

ここに登るのは夕陽の時間がいいですよ、というわけでゆっくりシュハスコのランチを食べ、ショッピングセンターでロケハン(買い物の下見)をし、15時半くらいにロープウェイ乗り場へ。ところが・・・。何か事件か事故でもあったのか?と思うくらいの行列。ロープウェイ乗り場から道路を横切って公園のほうまで。長蛇の列というより大蛇の列。いったい何時間かかるか想像もつかずにとりあえず列の最後尾へ。この日はブラジルW杯が始まって初めて試合のない一日。つまり、全員観光する日だから、しょうがないか。また別の日に、というわけにもいかないので覚悟を決めて並ぶことにする。

ロープウェイ やっと乗れた、こんな時刻。

結局並んでからロープウェイに乗り込むまで約3時間。よく耐えたもんだ。ま、他にやることもなかったし。で、やっとこさロープウェイに乗り込んで動き始めたら、「え?もう着いたの?」という距離。と思ったら、そこは中継地点でそこで降りて、また並んで、山頂行きの別のロープウェイに乗るんだとさ。もう夕暮れの景色を楽しむゆとりは消滅し、むしろ「帰りもまた並ぶわけだよね」と下山する時間が心配になって来た。その日はFCバッカーノの友人の大野くんと晩ご飯でも食べようか、と言っていた。しかし、このままだと何時に下に降りられるかわからない・・・。

日没直前のリオの街を一瞬眺めることができたので、よかったとしよう。でも気持ち的には「軟禁」されたような気持ちだった。

ポンジアスカル夕暮れ ポン・ヂ・アスーカルからコルコバードを望む。あのキリスト像からここまでをロープウェイで結べばいいのに(できるかっ!)

やっと下の世界に降りて来たのがもう20時近く。タクシーを拾おうにも奪い合い。なかなか乗れない。あたりもすっかり暗くなってきて身の危険を感じ始めた、そのとき。MIYAさんが「あのバスに乗りましょう!Botafogo (ボタフォゴ)って書いてあります!」ボタフォゴは地下鉄駅の名前。リオにサッカーチームもある名前なので知っていた名前。それに乗れば駅までたぶん行けるだろう。暗くなってタクシー探してウロウロしているより安全だ。ボクたちは走ってそのバスに飛び乗った。このときほど「仲間」が心強く思えたことはない。一人だとこうはいかなかっただろう。

地下鉄で荒木さんとMIYAさんとはお別れ。それぞれのホテルにもどる。ありがとうございました。一緒に行動させてもらって、いい思い出ができました。それにしても長い一日だった。ブラジルで一番たくさん写真を撮った一日となった。

地下鉄CATETE駅で降りて近くのスーパーマーケットで食料を買い込んでホテルに戻る。21時過ぎの街は人通りが少ない。ホテルまでそう遠くはないけれど、街灯も少ない。楽しい一日だったけど、ひとりになってもう一度緊張感を高める。セントロ地区ほどは治安は悪くはないらしいが気は抜けない。だってブラジルなんだもの。(ブラジルあと3泊)


だってブラジルなんだもの【25】三人の長い一日」への5件のフィードバック

    • 荒木さん、やっとあの日のことをブログにアップしましたw 軟禁は誰のせいでもないですよw あれがブラジルなんですから。一緒に行動できて感謝しています。

      • 今日は日体大で、女子大生となでしこパブリックビューイングで応援しました。フジtvニュースでちらっと映りますよ。\(^o^)/

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