懐かしい怖い顔

若チョー

昔お世話になった人が今朝の朝日新聞に載っていました。元サントリー宣伝部長の若林覚さん。現在、練馬区の美術館館長をされていて、来場者数が増える成果をあげていらっしゃるそうです。

駆け出しのコピーライターだった頃、若チョー(みんな親しみを込めてそう呼んでいました)はなかなかOKをくれませんでした。『それは、新しいのか。珍しいのか。面白いのか』 いい広告、面白い広告、効く広告はこんなもんじゃない、と厳しく鍛えられました。この美術館の職員たちも同じように鍛えられたのだと想像します。タイヘンでしょうが、そのほうが楽しいはず。優れた広告屋は、広告じゃない仕事でも通用します。だって、お客様の欲しているものを『想像』してアイデアを考えるのが仕事ですからね。

コピーライターはクライアントにも鍛えてもらえます。いいクライアントは、やり直しをさせるたびに、その広告がどんどん良くなっていく。(その反対に、直しを入れるたびにどんどんパワーダウンさせるクライアントもたまにいますw)若チョーはなかなかOKをくれません。なかなか『やってみなはれ』とは言ってくれない。若チョーは「個人的に好きじゃない」とか「このタレントは嫌いだ」みたいな公私混同した意見ではなく、『サントリーの広告としてこれでいいのか?』を軸に考えていらっしゃる人でした。だから、サントリーの広告には秀作が多いのだと思います。

20代の頃、若チョーにコピーをプレゼンしてボツを食らったとき「中村くんのボスはいいコピー書いてくれたよ」と見せてくれたカンプ(プレゼンで提案する完成予想図のような原稿のこと)がありました。それは、サントリーオールドの新聞15d。「働いているお父さんが好きですか。遊んでいるお父さんが好きですか。サントリーオールド」仲畑さんのコピーでした。いいクライアントはコピーライターにやる気を起こさせてくれます。いい美術館長は職員にやる気を起こさせてくれているのでしょう。

【お詫び】 記憶違いでした。「働いているお父さんが好きですか」のコピーを見せてくれたのは、若チョーの前の前の辰馬通夫さんという宣伝部長の時だったかもしれません。いずれにせよ、サントリーの宣伝部長は代々スゴイ人ばかりです。その歴史がいまも脈々と引き継がれ、サントリー広告の品質をキープさせているのだと尊敬しています。


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