中村組OBから

中村組OBからうれしいメッセージが届いた。その彼は2代目だから今から12年前だが、顔も名前も憶えていた。OBになってから無料掲示板をつくったり、今はフェイスブックにグループをつくったりして、つながっていたが、しばらく連絡がなかった。その彼からうれしいメッセージが届いた。

コピーライター養成講座のOBグループだから、コピーライターにならなかった人がきっと遠慮するだろうと思い、「コピーライターになることが目的じゃないよ」と言い続けてきた。でもやっぱり、賞を取ったとか、お祝い会をやろうとかいう話の中には入って行きにくかったんだと思う。彼は、高齢者福祉関係の仕事をしていたという。介護予防運動指導員の資格を取り、車椅子も押したことも無い状態からの、ど素人介護職だったそうだ。デイサービスで介護の仕事をする中で、介護技術はもちろん、死について生きることについて深く考えるようになったという。そして「納棺士」という職業があることを知る。

映画「おくりびと」で本木雅弘さんに納棺の技術指導をしたスタッフが居る「おくりびとアカデミー」という納棺士専門の学校のオープンキャンパスの門をたたく。学費は前職からの積み立てていたお金5年分を全てを使いきった。生活は厳しくなるが、ボクの書いた2014年4月8日のブログ「自腹という覚悟」(→養成講座に自腹で通う覚悟がある人こそ、吸収する力も強い、という話)を思い出して、覚悟を決めたそうだ。

その彼から久しぶりにメッセージが来て、フェイスブックでつながった。やはり彼も「キラキラ輝いて活躍しているみんなと比べた時に自分に自信が無かった」と思っていたらしい。ボクは「コピーライターになることが目的じゃないよ」と返信した。「素晴らしい挑戦をして、素晴らしい仕事をしているじゃないか。それが一番だよ」と言った。中村組OB会に即加入させた。OB会でぜひ仕事の話を聞かせてほしい。

コピーライター養成講座中村組は、コピーの話をするが、コピーライターになることがゴールじゃないと思っている。どんな職業だろうと、専業主婦だろうと、人として相手の気持ちを思い至ることが大事なのには変わりはない。「自分がされたらイヤなことを、人にしない。自分がされたらうれしいと思うことを、してみる」というボクの座右の銘が基本になっている。

彼は、12年前の授業の言葉を憶えていてくれた。「八百屋さんだって、美味しい野菜を売ろうとしてその言葉を考えたら十分コピーライターなんだ」という話。そして彼は、「納棺士には一見、言葉は必要なさそうだが、ご家族に対しての声かけが非常に重要になる。故人と家族との最後の言葉をつなげる役割があるから、究極のサービス業と感じている」という。「中村組で学んだ言葉に対する気持ちを忘れずに闘っていきます!」とも言ってくれた。

コピーライターになって賞を取ることだけがゴールじゃない。人として生きていく上で、相手を思い至る言葉が必要ないわけがない。そんなことのヒントになる話をしていくつもりだ。と同時に、いろんな職業に就く若者たちに、少なからず影響を与えることをしているんだなぁと実感し、より一層、心して取り組まねば、と気が引き締まった。福居基、ありがとう。約束通り、一生応援するよ。


中村組OBから」への1件のフィードバック

  1. コピーライター養成講座1979年組のクラスメートです、分かるかな?
    FBもやってないのでどこにコメントしたらいいか迷ったのですがこちらに書かせてきただきます
    中村組・・きっとそれぞれに素敵な生徒さんたちなのでしょうね。習ってみたかったな~
    フリーになられたのですね・・おめでとうございます!同期の星の中村君の益々のご活躍をこれからも祈っております。
    こちらも平凡ながらそれなりに山あり谷ありな人生ですが・・でも言葉の持つ言霊のような力、そして言葉にならない行間の想い・・どちらも大切にしながら日々生きてきたように思います
    中村君らしい暖かなお人柄溢れる文章、そして丸みのある文字が全然変わっていなくて本当に懐かしかったです
    これからもこのブログ楽しみに読ませていただきますね
    寒さも厳しくなってきましたのでくれぐれもご自愛なさって下さい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です