素晴らしい書評を書いていただきました。コピーライターがコピーライターの本をコピーライターズクラブの会員に紹介する、という非常に難しい書評だったと思います。東京コピーライターズクラブ(TCC)のWEB「TCC会報出張所」のために書いていただきました。コピーライター家田利一さん、ありがとうございました。うれしい書評、第6弾です。
うれしい書評⑥TCC会報 家田さん編です。
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中村禎さんは、我らがTCCの事務局長である。宣伝会議のコピーライター養成講座の講師をもう14年続けている。卒業生は300名を超えているが、このクラスは「中村組」と言われて、クラス卒業後も有志の付き合いが続いている。授業はコピーライティングの実習が主だが、それを受けての講義が実に平易でわかりやすい。生徒のエネルギーが無駄な作業に費やされるのを防ぎ、最適なゴールに向かって注がれることを目的としている。それが本書の少し長い題名にも表れている。コピーを書くだけでなく、コピーを選ぶことがコピーライターにとって、とても大切な行為だからだ。一昨年に講座の生徒として学ばせていただいたが、本書を読んで、あらためて思考法の全貌を知ることができた。
それにしても、なんて読みやすい本なのだろうか。読んでいて楽しくなる。明るい気持ちになる。コピーライターは、こどものような遊び心を持つ人がなる、とても幸福な職業なのではないかと勘違いしそうになる。そう感じるのは、文章の技術だけでなく、作者のサービス精神が溢れているからだ。その人柄そのままに、正直に「出し切っている」からだ。知恵の出し惜しみをせずに伝えたいという気持ちごと伝わってくる。それは講義の時と同じだ。
コピーは書くのではなく、見つけるもの。
「想像力」と「客観性」がなにより大切。
「だって、そうじゃん」と言えるかどうかが基準。
手で考える(無意識の中から言葉が出てくる)
自分のコピーに意地悪なツッコミを。
ほんの一部だが、TCC会員のみなさんならどれもぴんと来るはず。体験的に会得して来た無数の気づきが、きれいな文脈で網羅され、具体的な事例を交えて解説されている。そういう意味では、むしろクライアントを含む、一般の人たちにも活用できる「伝え方の思考法」として書かれたのではないのかとも感じる。
本書の特徴はもう一つある。それは、とても人間臭いことだ。なかに連続コラムが挟み込まれている。なにものかになりたいという思いを強く心に秘めて九州から出て来た青年が辿って来た軌跡を、悩みや出会いや転職のエピソードを交えて赤裸々に公開している。そこには他のテキスト本にはない汗の匂いがする。人生の何をどう頑張れば良いのか、そのことを考え抜いた人の本でもある。
(家田利一)
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家田さん、「そういう意味では、むしろクライアントを含む、一般の人たちにも活用できる『伝え方の思考法』として書かれたのではないのかとも感じる」という一文、まさにその通りです。そうありたいと思います。
うれしい書評②(アマゾン編)
うれしい書評③(マーケター原さん編)
うれしい書評④(中村組OB編vol.1)
うれしい書評⑤(中村組OB編vol.2)
うれしい書評⑥(TCC会報家田さん編)
うれしい書評⑦(コピーライター以外編)
うれしい書評⑧(コピーライター編)
うれしい書評⑨(信用組合月刊誌編)
書が素晴らしいからこそでしゃうが、評も素晴らしいですね!
まがたさん、コメントありがとうございます。高校で現代国語や古文は教えられないけど、コピーなら教えられますねw
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