英会話ノート⑪ tell

( tell )
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■ I mean to tell you.   (言おうと思ってた)
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■Tell me more about this place. 
(この場所のこともっと教えて)
相手に言葉で伝える ➡ tell
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・ tell a lie (うそをつく)
・ say  (言葉をただ言う)
 ・ tell  (言葉で伝える)
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■ Tell me the truth .   (ホントのことを言ってよ)
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■ Would you tell me the way to the station.   (駅までの道を教えていただけますか)
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うれしい書評⑨


「しんくみ」ってご存知ですか?はい、信用組合の略です。で、その一般社団法人全国信用組合中央協会の役職員の方のための「しんくみ」という月刊誌があるそうで。その書評に『最も伝わる言葉を選び抜く コピーライターの思考法』を取り上げていただきました。広告業界のコピーの本が信用組合の方々に紹介されている。はてな、どこでボクの本を見つけてくれたのでしょう。ありがたいことです。

「世の中のあらゆる仕事はクリエイティブであり、言葉はすべて広告コピーの要素を持っている」と本にも書きました。店頭POPにも書きました。それが証明された、というわけです。人に伝える言葉を選ぶという仕事は、なにも広告業界、コピーライターだけに限った話じゃないですもんね。広告業界以外の、信用組合の役職員の人たちの月刊情報誌に取り上げていただいたなんて、感激です。

さらにビックリしたことに、その文章を書いてくださったのは「社会生態学研究者」の方らしい。世間を観察しながらコピーを考えるボクのスタイルを発見されたような気持ちです。とくにうれしかった一文がありました。「コピーについての教科書的な本ではない。コピーライターという一人の人間の血の通った物語が端々に浸透していて、読み終えたときに、いい温泉に浸かったような感覚さえ湧いてくる」なんと素敵なお褒めの言葉でしょう。温泉のような文章、なんてうれしいじゃないですか!

本に、コピーを書くことは「会ったこともない人を泣かす仕事」だと書きました。まさに、会ったことのない人がこの本を見つけてくださって、深く読んでくれた。有難すぎる書評です。

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うれしい書評①(メルマガ土井さん編)
うれしい書評②(アマゾン編)
うれしい書評③(マーケター原さん編)
うれしい書評④(中村組OB編vol.1)
うれしい書評⑤(中村組OB編vol.2)
うれしい書評⑥(TCC会報家田さん編)
うれしい書評⑦(コピーライター以外編)
うれしい書評⑧(コピーライター編)
うれしい書評⑨(信用組合月刊誌編)
うれしい書評⑩(山田先生編)

 

英会話ノート⑩ want

( want )
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■ I want a bagle, please.   (ベーグルが欲しいんですけど)
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■ We have everything you would want. 
(お望みのもの、なんでも揃っています)
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・want to 動詞 ~
・want to know ~
・want to go ~
・want to see ~
・want to get ~
・want to make ~
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■ I want to know everything about you.(あなたのこと全部知りたい)
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■ I’m just joking.   (ウソやがな)
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電通が悪い、のか?

サッカー日本代表が負けると、まず選手や監督が悪いという意見が飛び交う。その次にサッカー協会が悪い、となる。そしてその次に「電通」が悪い、という話になる。日本代表を愛するサッカーファンの批判は自由なんだけど、身内に火の粉が降りかかるとなると、黙ってはいられません。ボクは電通のOBであり、日本代表を愛する一人のファンとして、言いたいことがあります。

中東イラクとのアウェイの試合。イラクの政情不安から試合はイランで行われることになった。その試合時間が「もっと涼しい時間でやればいいのに」とファンはおっしゃる。確かにもっと遅い時間の方がまだ涼しいだろう。なぜまだ暑さの残るイランの夕方の試合だったのか。イランの夜は日本の深夜になってしまう。日本での試合放映時間は21時半から。「深夜の試合だと視聴率が悪く、CMの効果が減るから、電通が早い時間(暑い時間)での試合開始をごり押ししたんだ」と、どこから仕入れた話なのか知らないが、そうおっしゃる人がいる。(昔はゴールデンタイムと言っていた夕食後の時間帯も、今は逆にもっと遅い時間の方がテレビをみている確率が高かったりする)

じゃあ、お聞きしますが。日本代表の選手たちに暑くて苦しい時間に試合をさせて、みんな足が攣って日本が負けたらどうします? その日のCM視聴率が良かった場合と、W杯に出場できなくなった場合の損出と、どっちが得ですか、っちゅう話でしょ。電通もスポンサーも日本代表の試合が多い方がいいに決まってる。そのために、日本が不利になることを薦めますか?、っちゅう話です。(暑くて足が攣るのは、イランの選手も日本の選手も一緒でしょ。イランの選手の方が暑さに強いと言うのなら、それくらいのホームアドバンテージがあったっていい)

負けたら終わりかもしれない試合中継のGRP(CM視聴率)を獲得するために、そんな幼稚な手段をとると思いますか? そこまで電通はバカじゃない。もしスポンサーが「もっと視聴率の取れる時間帯に試合はできないのか?」と言ったとします。ボクだったら、1試合の視聴率で稼ぐより、W杯出場を決めてロシアで戦う試合まで中継できる方がどれだけ得か、を説得します。数字で実証することもできるでしょう。
千歩譲って、仮に電通が試合時間を決めたとしましょうか。だとしても、負けたこと、勝てなかったことを試合時間のせいにしているようじゃダメですよね。相手も同じ条件なんだから。

昔の話を一つ。日本人のほとんど誰もが知らなかった2011年の女子W杯。その、ドイツへの出発前。佐々木則夫監督となでしこJAPANの選手たちが、スポンサーであるKIRIN本社(当時原宿にあった)に挨拶に訪れた。日本のマスコミは誰もいなかった。その時、当時のキリンビールの社長とキリンビバレッジの社長は揃ってなでしこカラーのピンクのネクタイをして迎え、玄関まで見送った、というのです。(KIRINの人は両社長が揃うことは年に一回あるかないかだとおっしゃっていました)そんなスポンサーが、日本選手に不利になる時間帯の試合を強要するでしょうか?たった1試合のCM視聴率のためにそこまでアホなことをするでしょうか。ボクには到底そうは思えません。

2014年ブラジルW杯の時も同じような「言葉」がもっともらしくSNSで語られました。予選3連敗(実際は1分け2敗だけど、ボクにしてみりゃ3連敗)に終わった日本代表のキャンプ地のこと。日本代表は、サンパウロから離れたイトゥという町にキャンプ地を設定。聞くところによると、練習環境が良く、雑音から隔離されていて、選手の宿舎にバスタブがある部屋が作れる、ということなどからここが選ばれたそうです。しかし、結果は3連敗。選手、監督、協会の順番でバッシングされ、そして「電通が悪い」ときて「KIRINが悪い」とくる。

選手のコンディションが悪すぎた。それはキャンプ地が試合会場から遠すぎたからだ、という。ほっほー。ブラジルはどこへ行くにも遠いんだよっ!日本の国土の20倍あるんだよっ! それを「イトゥはブラジルのKIRINの工場が近くにある。だから、電通がごり押しして、イトゥに決めたんだ。悪いのは電通だ」そういうファンの知ったかぶりの想像が自慢げにSNSで語られていた。そういう論調の記事さえも見かけた。もう、笑っちゃいましたよ。

ブラジルKIRINの工場の近くにキャンプして、KIRINにとって何のメリットがあるの? 社員の家族がサイン会に行きやすいから? 試合に影響するほど環境が悪い場所でキャンプして、3試合敗退で終わるより、決勝トーナメントに行ってもらった方がいいに決まってるじゃん。むしろ、行ってもらわないと困るよ、だったと思います。何で電通とKIRINがキャンプ地を決めるかな。何のため? 疑わしいなら、そう思うなら、ちゃんとしたジャーナリストにちゃんと調べてもらえばいいじゃない。

電通が悪い、と言うことは、そのスポンサーであるKIRINが悪い、と言っているのと同じこと。だからボクは黙ってはいられません。かつて電通でKIRINのサッカー日本代表のコピーを書いた一人として、日本代表を愛する一人のファンとして。
なんかわからないことがあるたびに「電通が裏で糸を引いている」みたいに、わかったようなことを言う人がいます。電通はフリーメイソンか、っちゅうの。そんな力があるのなら、まず最初にハリルホジッチを解任しますよ、ボクだったら。
(これはすべて中村禎、個人の意見です)
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写真は原宿のKIRIN本社ロビーに飾られていたものです。下にある「なでしこジャパン」の色紙に2011年7月21日とあるので、ワールドカップで優勝した後に挨拶に訪れたのでしょう。ぜんぜんマイナーだった女子サッカーを支援し続けてきたことは選手たちが一番よく知っています。#7安藤梢選手の「キリン大好き!」という言葉は正直な気持ちだと思います。
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【友人の書き込み】
(前略)ここからが本題なんですが、来年のワールドカップ、中村さんのチカラで、電通やキリンを動かしキックオフ時間を選手ファーストの時間にするようにして頂けないでしょうか?電通やキリンからの要請があれば、不可解なキックオフ時間問題の解決ができるのでは無いかと思います。ロシアワールドカップで日本が優勝するために是非、お願いします。
【それに対する中村 禎 の書き込み】
 できません。それは電通にもスポンサーにもできることではないのです。できるとすれば、サポーターたちの「署名・お願い」としてサッカー協会に届けることくらいだと思います。W杯予選は、フェアに行うためにホーム&アウェイで試合をするんです。アウェイの試合の運営に、たかが広告代理店(しかもアウェイの)が口出せるわけがないのです。だからボクはFIFAの会長になりたいのです(具体的努力はまだ何もしていませんがw)
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これはボクのフェイスブックに書き込んだ記事です。とても多くの人の「いいね!」が得られたので、ここに記録しておきます。

長友さんと一緒に【稀代】⑦赤道倶楽部


ボクも、タックルとかしてたんやでぇ とラガーマンの長友編集長
クリネタ30号 Photo by 木内和美

「稀代」(けったい)とは、なんだ? クリネタおススメの、いい店、おもろい店

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赤道倶楽部
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バーは、カウンター
赤道に行ったことはありますか?赤道と聞いてどんな風景を想像しますか? 海か、砂漠か、密林か。今回の稀代(ケッタイ)なお店は銀座にある「BAR&RESTAURANT 赤道倶楽部」

店に入るとまず目に飛び込んでくるのが不思議なカーブを描く真っ赤なカウンター。店の中央をぐるりと囲む大きな唇のような真っ赤なカウンター。その不思議なカタチは実はアフリカ大陸を表わしているのだそうだ。アフリカ大陸のカタチをデフォルメしたカウンター。スタッフが出入りするために開いている部分がちょうどアフリカ大陸東側の赤道。今回の取材写真で、三人の編集団が座っているのがコートジボワールあたり。取材の私は南アフリカあたりに着席。カウンターはアフリカ大陸だし、壁には象徴的にスポットライトがあたるムパタのピンクのサイ。

実は私、この店をアフリカの店かと思い込み過ぎていた。お店のコンセプトを読むと、『赤道地帯の恵みを再発見』とある。そうか、赤道は地球を一周しているので、アフリカだけのものじゃない。赤道直下の国々にはボルネオ島やスマトラ島を含むマレーシア、インドネシア諸国、ケニア・ウガンダ・タンザニアなどアフリカ諸国、エクアドル・コロンビア・ブラジルなど南米諸国もある。ま、でも、そんな堅いこと言わずに飲みましょうか。(毎号クリネタの稀代をお読みになってくださっている人は気づいたかもしれません。前号の『湯島EST!』の見出しには「バーは、棚」と書きました。今号は「バーは、カウンター」です。そのBARに初めて入った印象がそのBARを決める、と勝手に決めたのでした)

マイネーム・イズ・真羽闘力
「赤道倶楽部」のコンセプトや自慢のメニューの話もしたいのだが、最初に彼の話をしないわけにはいかないだろう。今年の4月から店員として迎えた大物。名刺は「真羽闘力」さん。力士ではない。「まう・とうりき(Toriki Mau)」さん。ラガーマンだ。しかも、元日本代表のラガーマン。赤道にも近い南太平洋に浮かぶ島、トンガ王国出身。日本語はペラペラ。それもそのはず、日本に来て早や20年。神戸の名門六甲クラブでずっとラグビーをやってきたのだ。残念ながら私はサッカー派なので、このマウさんの凄さはわからないが、ラグビーの本場から来て日本に帰化して日本代表で戦った選手。サッカーで言えばラモス瑠偉か呂比須ワグナーか田中マルクス闘莉王といったところだろうか。思わずお店の取材を忘れて、ラグビーの話で盛り上がる。

185cm110kgの肉塊が100m11秒台で向かってくる。なんて恐ろしい競技なんだラグビーは。そういえば、我らがクリネタ長友編集長もラガーマンだった。あんなニコニコしながら「まあ、ええやないの」とか言いながらタックルしていたのだろうか。想像できない・・・。まあ、いいけど・・・。

マウさんのごつい手がメーカーズマークのオン・ザ・ロックをつくる。メーカーズマークってミニボトルもあったんだっけ?と思うほどのボトルの小ささ。いや、マウさんの手がデカイのだ。山崎12年もミニボトルに見える。ロックグラスがショットグラスに見える。「お酒も相当強いんですか?」という質問に「はい」と即答。聞くまでもなかった。

そのマウさんの手にカメラマンのレンズが寄っていく。「ちょっと撮らせてもらっていいですか?」ごつい手にキレイなタトゥー。なんか云くがありそう。このタトゥーの物語は、直接お店で聞いた方がいいだろう。 あまりラグビーの話ばかりしていると、赤道からズレてくるので、この「赤道倶楽部」の話に戻そう。

この店は、体育会の部室のような店ではなく、もっとスマートなBAR&RESTAURANTなのだ。メニューはあとで紹介するが、女性のバーテンダーもいるお洒落なBARだ。赤道直下から来た女性ではないが、常時2名いる。ムパタの絵のそばにはアフリカの写真集なども飾られてあり、ギャラリーのようでもある。

なぜ「赤道」なのか
「赤道倶楽部」にはちゃんとした理念がある。なぜ「赤道」なのか。「赤道」じゃないといけなかったのか。『太平洋、インド洋、大西洋に帯状に分布する赤道気団のもと、高温多湿の気候条件に恵まれ、多様な動植物の、生命の彩が濃密な地域。赤道地帯は人類発祥の地でもあり、大航海時代以降は、その豊かな生物資源が世界中の食文化に多くの影響を与えてきました。「赤道倶楽部」では、そんな赤道地帯の恵みとして、ナッツやスパイス、赤道の国々で親しまれているビールなども取り揃えて・・・・』(パンフレットの文章より)とある。タスカーというケニアのビール。殻付きのままローストしたマカデミアナッツ。食事療法にも欠かせない食材「スパイス」にこだわったメニュー。チョリソー入りポテトサラダなどのおつまみから、お腹の空いた人のためにサラヤの10種の野菜カレーも用意されている。

赤道の約束
最後に、「赤道倶楽部」の活動を報告しておこう。それは「赤道倶楽部1%基金」だ。売上の1%を赤道周辺の途上国・地域の「衛生・環境・健康」向上に寄付している基金。赤道直下で活動する「NPO法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパン」「スマイル アフリカ プロジェクト」という2つの団体を支援している。赤道直下のビールを飲みながら、赤道直下のスパイスの効いたサラダを食べながら、遠い赤道の国々を思いながら、アーコリャコリャになっていく。我らがクリネタも記念すべき30号を迎えた。「100号記念はみんなでアフリカに行こか!」と長友編集長が言う。しかし、その頃までみんな元気でいられるだろうか。せめて50号記念くらいにしときましょか。

BAR&RESTAURANT 赤道倶楽部
http://sekidoclub.com/
東京都中央区銀座1-13-8 ハビウル銀座2F
■03-6228-7295 営/18:00~24:00(23:30ラストオーダー)
休/土日祝

No.30 (2015年夏号)
クリネタ
http://www.crineta.jp

長友さんを偲んで【稀代】①モンド・バー
長友さんを偲んで【稀代】②BAR JADA
長友さんを偲んで【稀代】③ne & de
長友さんを偲んで【稀代】④ Salon書齋
長友さんと一緒に【稀代】⑤抱月
長友さんと一緒に【稀代】⑥EST!
長友さんと一緒に【稀代】⑦赤道倶楽部

英会話ノート⑨ use

( use )
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■ Can I use Japanese money ? (日本円は使えますか?)
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■ Oh ! you can use this pen. (あ、このペンを使ってください)
 Thank you. (ありがとう)
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■ Could I use your phone, please ? (電話貸していただけます?)
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■ Can I use ~ ?  
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・use word(s)
・use money
・use language
・use car
・use computer
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長友さんと一緒に【稀代】⑥ EST!

へー、そのフレンチフライ食べてみたかったですなぁ と長友編集長
クリネタ29号 Photo by 木内和美

クリネタらしいBARを紹介する、稀代(ケッタイ)の記事をご紹介します。長友さんと一緒に取材に行ってまとめた記事です。

「稀代」(けったい)とは、なんだ? クリネタおススメの、いい店、おもろい店
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EST!
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バーは、棚
「稀代」で取材させていただく店は「ケッタイな店」イコール「風変わりな店」ではなく、むしろ「唯一無二な店」「ファンタスティック!な店」の意味あいが大きい。今回は「湯島」と聞けば、「あ!」と思い出す人も多いのではないだろうか。オーセンティックなバー、EST!だ。ここを知らないなんてバー業界のもぐりではないかとさえ言われるくらい老舗中の老舗バー。オープンは1974年、この湯島の地でかれこれ41年。マスターの渡辺昭男さんは今年8月で81才を迎える。お元気です。なにか健康に気を付けていることはあるんですか?と聞くと「毎日ちょこちょこ動くことですかね」と笑う。天気のいい日は湯島まで自転車で通うこともあるそうだ。

カウンター9席、テーブル4席の小さなバー。重厚な雰囲気を醸し出しているのはバーの顔でもある酒の棚だ。渡辺さんが昔見た、ドイツの倉庫の写真からイメージされてつくられたもの。太い柱で組まれたその棚は東日本大震災の時もビクともしなかったそうだ。

「店を始めたころはこの棚もガラガラで淋しかったんです。この棚がいっぱいになるくらいのお酒の種類を揃えられなかった。それを見かねた人がBlack&Whiteを一列贈ってくれて。最初はそればっかりが並んでいたんです」
と渡辺さんは笑う。そうか、それでこのEST!の入り口にはBlack&Whiteのボトルがたくさんディスプレイされているんだ。オープン当初の感謝の気持ちを忘れずに41年目の営業をしているんですね。

「この店の柱や梁の木は私が焼いたんですよ」と渡辺さん。大工さんに頼んでも「できない」と言われたので、自分でガソリンバーナーで焼いて、タワシでゴシゴシ磨いて、自分で組み立てたそうだ。自分で組み立ててみて、なぜ大工さんが嫌がったかがわかった。手も身体も炭で真っ黒になってしまったのだそうだ。41年という歳月の味もあるだろうが、渡辺さんのその情熱がしみこんだ柱や梁がこのバーの雰囲気を作ってくれているのだろう。初めての来店でも落ち着いた気持ちになれるのはそのせいかもしれない。

ちょちょっとしたもの
昔は軽食として温かいものも出していた時もあったが、今はもうやっていないそうだ。「昔はフレンチフライを揚げていたんですよ。毎日ジャガイモ洗って切って、一日さらして翌日揚げて。若い頃はそれを毎日やっていたんですが、でも、いまはもう、ね。ちょっとシンドイもので・・・」一日分を切って洗って一晩さらして翌日揚げて。それを聞いただけでうまそうなフレンチフライ。絶対うまいはずです。食べたかったけど、いまはもうない。昔のEST!に通っていた人がうらやましい。

「ライ麦パンならありますけど、焼きましょうか?」なんか温かくて、ちょちょっと食べれるものはないですか?という長友編集長のお願いにやさしく応えてくれました。「クリームチーズをパンにはさんで焼くだけなんですが」「ぜひお願いします!」バーテンダーのつくる「ちょちょっとしたもの」って、なんかうまそうだ。

バーテンダーと薬剤師
満州で生まれ、九州佐賀県育ちの渡辺さんは薬剤師を目指して上京した。それがどういうわけか渋谷宇田川町のトリスバーの求人広告に目が留まり、バーで働くことになる。薬剤師とバーテンダー。薬の調合とカクテルづくりは、まあ似てるといえば似ているけれど、どうしてこの世界にはいっちゃたんでしょうかねぇ、と笑う。

60年前の渋谷宇田川町。バーといえばトリスバーくらいしかなく、渋谷の街はチンピラだらけ。「毎晩その辺に人が倒れているような街」だったそうだ。渋谷はヤバイ、銀座へ行こう。その後銀座のバーに移るものの、上野にバー「琥珀」がオープンするというので転勤。銀座の店からは「早く銀座に帰ってこい」と懇願されるも「琥珀」のママも渡辺さんを手放さない。結局上野の「琥珀」に18年。そして念願の自分の店「EST!」を湯島に持つことになる。

「EST!」とはフランス語で「ここにある!」という意味。東京大学醸造学の坂口健一郎教授が命名してくださったそうだ。店の外には「EST! EST!! EST!!!」と、ビックリマークが増えていくネオン看板が「ここにある!」と静かにアピールしている。

修行はチラ見
渡辺さんのふたりの息子さんもバーテンダーだ。長男の憲賢さんは、新橋のアトリウム・エン、次男の宗憲さんはアトリウム。ふたりとも新橋で。長男は東京のパレスホテルのBARで5年、次男は札幌の「BARやまざき」で、それぞれ修行を積んだそうだ。お父さんの元で修行させないんですか?と聞くと、「やはり外に出ないとね」と。

バーテンダー見習いは、ただひたすら見て習うそうだ。ああしろこうしろ、ではなく師匠の姿を見て盗む。カウンターの中でひたすら観察するのだ。お客様の前でつくるので、それを横からじっと見つめるわけにもいかない。「グラスを拭く素振りなどしながら横目でチラチラ見ながら盗むんです」と笑う。そこでの発見なり記憶なりが自分の味となっていくのだろう。(どんな仕事もそうなんですね。「教えるということは、自分の姿勢を見せること」と3代目市川猿之助さんも言っていました)

たとえばギムレット。辛口が好きなお客様もいれば、やや甘めが好みの人もいる。そのお客様の好みを探りながら、こうかな?ああかな?と試行錯誤するのが楽しいという。「ある意味、バーテンダーはお客様に育てていただくものかもしれませんね」。その渡辺さんは『お客の心で主(あるじ)せよ』という言葉を大事にしているのだという。

 

観察力と記憶力
「昔のパレスホテルのバーにミスター・マティーニと呼ばれる今井さんというバーテンダーがいましてね・・・」渡辺さんはその今井さんがつくるマティーニ、何回ステアするのか、こっそり見ながら数えたことがあったという。「そのときはたしか、15、6回でしたかね」

パレスホテルのバーには筆者にも思い出がある。当時パレスビルにある会社に勤めていた私は、社長のSさんに連れて行ってもらったことがあった。「Sさんは常温のハイボールがお好きでしたね」と渡辺さん。え!Sさんのこと、ご存じなんですか!「ウチのお店にもよくお見えになりました。常温のソーダ水でつくるハイボール。Sさんの名前のハイボールでした」もうそのSさんはお亡くなりになって何年にもなるのだが、好きだった飲み方まで憶えてもらっているなんて、いいなぁ。そして、そうして憶えてくれているバーテンダーって、いいなぁ。私もこれから常温でハイボール、頼もうかな。

取材の後の記念写真 あの日は寒かったなぁ 長友さんと一緒の写真に写れるだけでシアワセなことです

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EST! 
東京都文京区湯島3-45-3
■03-3831-0403 営/18:00~24:00 休/日曜
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No.29 (2015年春号)
クリネタ
http://www.crineta.jp

長友さんを偲んで【稀代】①モンド・バー
長友さんを偲んで【稀代】②BAR JADA
長友さんを偲んで【稀代】③ne & de
長友さんを偲んで【稀代】④ Salon書齋
長友さんと一緒に【稀代】⑤抱月
長友さんと一緒に【稀代】⑥EST!

CEOの言葉が最高の広告コピー

出張先のコンビニでよく買うものがあります。エナジードリンクのレッドブルです。『元気出さなきゃ』という時、よく買います。エナジードリンク系は普段はあまり買わないのですが、買うならレッドブルにしています。なぜか。広告がいいから?コピーがいいから? いや、違います。ボクはレッドブルという企業が好きだから、レッドブルを買っています。

こう言っては失礼でしょうが、エナジードリンクなんてどこも大差ないと思っています。こういう「大差ない」商品を買う場合、重箱の隅をつついてその微差を自慢する商品は買いません。レッドブルという企業がやっていることに賛同するから、レッドブルを買っています。

一番最初にレッドブルを知ったのは、サッカー日本代表の宮本恒靖選手がオーストリアのザルツブルクに移籍した時。レッドブルはそのスポンサーでした。(知らなかったのですが、レッドブルはオーストリアの会社のようです)

以来、気にして見ていると、ただ人気のスポーツに広告を出しているのではないことに気づきました。マウンテンバイクのダウンヒルという(日本ではまだマイナーな)競技の大会や、ややクレイジーとも言える危険な競技大会のスポンサーをしている。いやむしろ、そういう大会を率先して主催している。ただ人気スポーツ選手の「顔」にお金を払うのではなく、そのスポーツをするボクたちを応援している企業なのです。

先日、千葉の幕張でエアレースという飛行機の世界大会がありました。これもレッドブルが開催している。エナジードリンクという商品と一直線上にあるスポーツを応援する企業。商品と1mmもずれていない、全くぶれていないマーケティングだと思いました。

2014年の手帳にメモした言葉を思い出しました。レッドブルのCEOの言葉です。これを忘備録としてブログに残しておきます。痛快です。全く同感です。

『汚い短期決戦の広告を街にバラまくのではなく、長期的な市場を創り出そうとする広告が街に増えれば、草木を植えるように街が色づくのではないか』

本当にそう思います。このCEOの言葉こそが、最高のレッドブルの『広告コピー』だと思っています。

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レッドブルCEO デートリッヒ・マテシッツ氏

おそらくこれからの時代は、レッドブルやヴァージングループのように徹底的にマーケティングにこだわる企業か、グーグルやパタゴニアのように徹底的にプロダクトにこだわる企業しか生き残れないのかもしれません。アップルのようにプロダクトもマーケティングも完璧な企業も稀にありますが。

マーケティングと広告の意味を理解していない企業は俳優一人に億単位のお金を支払いますが、マーケティングのプロであるレッドブルは、マイナーな人たちを活用することで自分たちの価値観を世の中に伝えていきます。

汚い短期決戦の広告を街にバラまくのではなく、長期的な市場を創り出そうとする広告が街に増えれば、草木を植えるように街が色づくのではないでしょうか。

「今すぐ電話」や「○○で検索」ではなく、目に見えない価値観を伝える時代になりました。

レッドブルCEO デートリッヒ・マテミッシ氏
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英会話ノート⑧ find 

( find )
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■ I always find something interesting in the free markets.
(私はフリーマーケットでいつも何か面白いものを見つけるよ)
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■ I found the money for a cruise. (クルーズのためのお金を稼いだ)
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■ I can’t find my baggage. (私のバゲージがないんですぅ)
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■ Where can I find ~ ?  ( ~ は どこにありますか?)
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■ Where can I find a restroom ?  (トイレはどこですか?)
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・find way(s)
・find time
・find place
・find job
・find money
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