CEOの言葉が最高の広告コピー

出張先のコンビニでよく買うものがあります。エナジードリンクのレッドブルです。『元気出さなきゃ』という時、よく買います。エナジードリンク系は普段はあまり買わないのですが、買うならレッドブルにしています。なぜか。広告がいいから?コピーがいいから? いや、違います。ボクはレッドブルという企業が好きだから、レッドブルを買っています。

こう言っては失礼でしょうが、エナジードリンクなんてどこも大差ないと思っています。こういう「大差ない」商品を買う場合、重箱の隅をつついてその微差を自慢する商品は買いません。レッドブルという企業がやっていることに賛同するから、レッドブルを買っています。

一番最初にレッドブルを知ったのは、サッカー日本代表の宮本恒靖選手がオーストリアのザルツブルクに移籍した時。レッドブルはそのスポンサーでした。(知らなかったのですが、レッドブルはオーストリアの会社のようです)

以来、気にして見ていると、ただ人気のスポーツに広告を出しているのではないことに気づきました。マウンテンバイクのダウンヒルという(日本ではまだマイナーな)競技の大会や、ややクレイジーとも言える危険な競技大会のスポンサーをしている。いやむしろ、そういう大会を率先して主催している。ただ人気スポーツ選手の「顔」にお金を払うのではなく、そのスポーツをするボクたちを応援している企業なのです。

先日、千葉の幕張でエアレースという飛行機の世界大会がありました。これもレッドブルが開催している。エナジードリンクという商品と一直線上にあるスポーツを応援する企業。商品と1mmもずれていない、全くぶれていないマーケティングだと思いました。

2014年の手帳にメモした言葉を思い出しました。レッドブルのCEOの言葉です。これを忘備録としてブログに残しておきます。痛快です。全く同感です。

『汚い短期決戦の広告を街にバラまくのではなく、長期的な市場を創り出そうとする広告が街に増えれば、草木を植えるように街が色づくのではないか』

本当にそう思います。このCEOの言葉こそが、最高のレッドブルの『広告コピー』だと思っています。

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レッドブルCEO デートリッヒ・マテシッツ氏

おそらくこれからの時代は、レッドブルやヴァージングループのように徹底的にマーケティングにこだわる企業か、グーグルやパタゴニアのように徹底的にプロダクトにこだわる企業しか生き残れないのかもしれません。アップルのようにプロダクトもマーケティングも完璧な企業も稀にありますが。

マーケティングと広告の意味を理解していない企業は俳優一人に億単位のお金を支払いますが、マーケティングのプロであるレッドブルは、マイナーな人たちを活用することで自分たちの価値観を世の中に伝えていきます。

汚い短期決戦の広告を街にバラまくのではなく、長期的な市場を創り出そうとする広告が街に増えれば、草木を植えるように街が色づくのではないでしょうか。

「今すぐ電話」や「○○で検索」ではなく、目に見えない価値観を伝える時代になりました。

レッドブルCEO デートリッヒ・マテミッシ氏
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