写真の記憶

「人は、その人のことを憶えている人が誰もいなくなった時、2度目の死を迎える」という言葉を聞いたことがあります。その人が亡くなっても、その人のことを憶えている人がいる限り、その人は生きている、と。その考えに賛成します。2012年11月29日、電通時代、手のかかるボクを見守ってくれた寺田伸一さん。兄貴のような父親のような存在でした。ああ、今日で5年になるんだなぁ。

仲良しの奥様の伸子さん。伸一さんと伸子さん。名前だけ見ても仲良し夫婦だとわかります。入り船ビルや聖路加ビルで寺田部だった頃、夕方6時くらいになると電話で「あ、ノブちゃん?うん、じゃあ、あそこで」と連絡を取り合い、「じゃ、お先に」と帰っていくクリエィティブ・ディレクターは、とても素敵でした。

その伸子さんも病に倒れ、今年の3月に寺田さんの元へ旅立たれました。天国でまた仲良くやっているんだと思います。この写真は、伸子さんの葬儀の時に飾られていたもの。すっごくいい写真です。そこにお二人がいるような写真。「おぅ、ナカムラ、来てくれたのか」と寺田さんが言っています。

寺田さんたちご夫婦のこと憶えている限り、寺田さんたちは生きています。