ロシアより愛をこめて⑥長い一日 (前半)


2018年6月19日(火)

長い、歴史的一日のはじまり。この日の記憶を時間を追って書くと、何文字になるだろう。そんなダラダラした文章は読んでもらえるのだろうか。と思いつつ書いてみよう。ほぼ24時間の記録。(長文になりそうなので、「ですます調」ではなく「だ調」で書いてみます)

01:10 モスクワ・カザンスキー駅発 Train No.581 15号車21番 寝台車は4人で一つのブース。あとの3人はどんな人だろうかと、やや不安に思っていたら、みんな日本人でちょっと安心。もう時間も時間なので、各々シーツを張って枕と毛布にカバーをつけて寝ましょう。ボクは2段ベッドの下。一人なので2階だと自由に動けないだろうと思って。思ったほどオンボロでもなく、かといって綺麗すぎず。まあ。ロシアかな、という感じの寝台列車。出発前の車内には冷房が入っておらず、もしこのままなら完全な収容所状態になるけど、まさかね。出発したらエアコンが入ってひと安心。ベッドを仕切るカーテンがないのには驚いたけど、ま、いいか。

隣の14号車にブラジルW杯キッカケで友だちになった永沼美香さんが友だちご夫婦と乗っているとわかっていたので、行ってみようとしたら、例の「笑顔の研修」を受けていない方のおばさんに「移動はダメ」みたいなポーズをされてしまって断念。じゃ、寝るか。

モスクワとサランスクの間の線路はまっすぐ

早朝、目が覚める。どこかの駅に停車している。先に出発しているナベさんたちからのFBメッセンジャー情報によると、途中の駅で何度も停まるらしい。確か、モスクワーサランスクの距離は500kmほどだから、東京—大阪くらいのはず。なんで10時間もかかるかというと、途中で何度も停まるから。貸切なのだからノンストップで行けばもっと早く着くのにと思っても、無料だし、仕方ないか。朝早く着いても試合開始は午後3時だし。

まもなく11:10の到着予定時刻。車窓からサランスクアリーナが見えた。興奮。今日、あそこに行くのだ。
ここで降ろして、くれないか

11:10サランスク駅到着。駅前は日本人サポーターがいっぱい。知ってる顔を何人も見つけることができ、うれしくなる。みんな旅程はまちまちでも必ず集合する場所、それがスタジアム。広いスタジアム、広い街なんだけど、なぜか会える。ま、日本代表の格好をしているから見つけやすいというのもあるんだけど。駅前で太鼓の音が鳴り始める。ドンドンドン!ニ〜ッポン!ドンドンドン!ニ〜ッポン!ドンドンドン!♪おーバモ、ニ〜ポ〜ン!ニッポン!ニッポン!ニ〜ポ〜ン!はい、はい、はいはいはい。紋付ハカマ、白い日の丸ハットの池ちゃんだ。池田さんはサポーターの兄貴分のような人で、日の丸ハチマキ大作戦の言い出しっぺの一人でもある。東京でも何度も一緒に飲んだ友だち。ハイタッチをしてイェ〜い。
あ、池田さんだ!あ、懸田さんだ!

駅からスタジアムまでは特にシャトルバスがある風でもなく、歩いていける距離なのでぼちぼち歩こうとしていたら、寝台列車で同じブースだった若者を見つけた。彼は広島でサッカーをやっていて、高校の時、大迫の高校と対戦したこともあるらしい。長期航路の船乗りで、海の上からインターネットでチケットを取って、今回一人でW杯にやって来たという。一人で初参加なら一緒にスタジアムまで行こうぜ、と一緒に歩くことにする。歩いて2、30分かな。地図を見なくても、日本サポーター、コロンビアサポーターがぞろぞろ歩いているから道はわかる。大通りが歩行者専用になっていて、見渡す限りまっ黄ッ黄。なんでこんなにコロンビアが多いの?2014年ブラジルのクイアバのコロンビア戦の時より多くない?ここはロシアだぜ?ブラジルより遠いのにすごい人数のコロンビアサポーターたちがやって来ている。日本はまだまだ負けてるなぁ、と感じてしまう。


船乗りの青年の指が入っちゃってるけどいい写真なので。ブラジルのとき先に帰る友だちから託された日の丸。ポルトガル語とロシア語で『日本を応援してください』と書いたつもり

スタジアムが大きく見えて来た。広場にBBQの出店が。ほとんどまっ黄ッ黄。船乗りの青年と腹ごしらえに寄ってみることに。カタコトの英語でコロンビアサポーターたちと話す。W杯では「Where are you from?」という会話は必要ない。みんなユニフォームを来ているからね。「コ〜ロ〜ンビャ!コ〜ロ〜ンビャ!」「ニッポン!ニッポン!」「コ〜ロ〜ンビャ4、ニッポン0!」「ノーノーノーノー!コロンビア1、ニッポン1(と妙に現実的に言ってみたり)」この中にブラジルのクイアバにも来ていたコロンビア人もいるんだろうな。あそこですれ違っていたかもしれないコロンビアサポーターもいるんだろうな。W杯で複数対戦した国とは仲良くなれる気がする。実際、コロンビアサポーターはいい奴が多かった印象がある。

コロンビア村かと思ったBBQエリア
敵かと思いきやコロンビアユニを着たフランス人で、日本を応援しているというのでハチマキあげる

20年前のフランスW杯初戦トゥールーズでのアルゼンチン戦。チケット騒動に巻き込まれ、試合直前までスタジアム周辺を駆けずり回っていたことを思い出す。20年経って、自力でチケットを取り、自力でスタジアムまで来て、余裕を持ってロシアのビールを飲みながら、バーバキュー食べている。トゥールーズでは、そんな余裕は全然なかったなぁ、としみじみ。さ、スタジアムへ入りますか。

GATE5まで歩き、セキュリティチェックを通過し、LEVEL3まで階段を登り、Dブロックまで行き、No.127入り口でチケットを見せて、中に入ると・・・これがW杯だ!ボクは2018年ロシアW杯に来たんだ、と実感する瞬間です。
W杯に来た、の瞬間

席はゴール裏の前から3列目なので階段を降りて行くと、途中でみんながいた。イェ〜いのハイタッチをしながら。太鼓の池ちゃんが言っていた。『W杯は同窓会のようなものだよ』と。4年に一度、みんなが同じ場所に集合する。よく会う仲間もいれば、4年ぶりに会う仲間もいる。黙っていても日本戦のスタジアムに集まってくる。フランスのトゥールーズだろうと、ブラジルのクイアバだろうと、ロシアのサランスクだろうと。ほんの一瞬でも知った顔に会えるという幸福は、W杯ならではのものだと思う。ただのスポーツ観戦とはわけが違う。世界中からサッカーバカが集まるお祭りなんだもの。サッカーバカな友だちがいることが何と幸せなことかと思い知る、それがW杯かもしれない。

キックオフまで30分。この日は長いので、次回へ続きます。

ロシアより愛をこめて一言

『W杯は同窓会のようなものだよ』

ロシアより愛を込めてはじめの一歩
ロシアより愛を込めてチケットの戦い
ロシアより愛を込めて準備を楽しむ

ロシアより愛を込めていざモスクワへ
ロシアより愛を込めて⑤決戦はサランスク
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