岡本綾子さんの素振り 4(リズム)


『岡本綾子のゴルフ上達指南書(日経ビジネス文庫)』

■ゴルフにおけるアンチエイジングとは

「やっぱり歳をとるとね、関節も筋肉も硬くなる。仕方ないのよね。
でもね、スイングのリズムだけは大切にしたい。
 スイングは形も大切だけど、もっと大切なのがリズム。
 リズムだけはこだわっていたい

「確かにアドレスの形、トップの位置、
ダウンスイングでのフットワークを腕の使い方。
インパクトの形。フォロー、フィニッシュ。
すべて一つ一つこうして欲しいという形はあるわね。
でもそれにとらわれてリズムがなくなってはダメね。
窮屈なスイングをしている人って本当に多いと思う」

「ボールを打つことばかりにとらわれている人。
スイングがなくなっちゃってる。
特に強く叩こうとしている人。
ボールが当たろうが当たるまいが、まずはフィニッシュまで、
リズミカルにスイングすることを心掛けて欲しい。
サーッと振り切って欲しいのよ」

「誰でもボールがなければ、伸び伸びとリズミカルに振れる。
素振りのスイングね。
だから素振りを毎日やって、
その素振りのリズムとスイングでボールを打って欲しい。

上手く打てたかどうかの結果は、どうでもいいの。
まずは、リズムとスイング。それが最も大切なの。
少なくとも私はそうしてきたわよ」

「毎日100回の素振りを半年間やりなさい。
そうすれば必ず上手くなります」

毎日素振りをやって自分のリズムをつかむ。それが大切なの。
 常にリズムを意識してそのリズムで打つわけね。
 心の中で『イチ、ニ』とリズムを唱えながら素振りをするの。
 そのリズムでボールも打つのよ。

 そうすれば強く打とうとか、飛ばそうとかも思わない。
 綺麗なスイングでボールを打つことができるわよ」

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■リズムとテンポ

「あのねぇ。『人のものを見て盗め』って言うでしょう?
とにかく真似すること。
『あの人はいいリズムしてるなぁ』と思ったらよぉく見る。
真似するっていうのはいい意味で大切なの。
そうすると、リズム感をわざわざ呼び起こさなくても体に移るじゃん」

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岡本綾子さんの素振り 1
岡本綾子さんの素振り 2(毎日)
岡本綾子さんの素振り 3(60秒スイング)
岡本綾子さんの素振り 4(リズム)
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『書斎のゴルフ』の編集者との会話。広尾の寿司屋にて。まるで自分が岡本さんから直接話しかけてもらったような有り難いお言葉。しっかり心に刻みます。
(つづく)

岡本綾子さんの素振り 3(60秒スイング)


『岡本綾子のゴルフ上達指南書(日経ビジネス文庫)』

■60秒かけて行うシャドースイング

(編集者に開いた扇子を渡して)

「さあ、これを握って、60秒を数えながらシャドースイングをしてみて。
 ゆっくりと止まらずに、少しずつバックスイングしていって、
 60秒かけてフィニッシュまで持っていくのよ。
数は心の中で数えて。では、スタート!」

「そうそう。トップはもっと高くあげて!
「(そしてダウンスイングからインパクト)
 腰をもっと開く。早く開くの。遅い、遅い!
「(フォローへ)
 手が体から離れ過ぎ。もっとグリップエンドを左足に近く。
そうそう。そしてそこから上に上げて行って!」
背中が丸いわよ。もっとお腹を出して!。
そうそう。右肘も伸ばーっす!

「背中が丸いと球質が軽いの。ただポーンと飛ぶ球になっちゃう。
風がある日なんかだと太刀打ちできなくなるわよ。
ドーンとした重い球にして飛ばさなくっちゃ。
インパクトでもボールに体重を乗せて行かなくちゃ」

とにかくこの60秒スイングを毎日10回行うこと。
 そうすればかなりいいスイングになるわよ。
腹筋、背筋、脇の筋肉などをしっかりと保持するスイングになりますから。
アドレスしたときから、
ずっと体の位置をキープしながらクラブを振り抜く。
その間、筋肉を緩めない。
それをこのシャドースイングで身につけることが肝心よ」

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岡本綾子さんの素振り 1
岡本綾子さんの素振り 2(毎日)
岡本綾子さんの素振り 3(60秒スイング)
岡本綾子さんの素振り 4(リズム)
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ペニックさんから教わった練習法 その1

岡本綾子さんの素振り 2(毎日)


『岡本綾子のゴルフ上達指南書(日経ビジネス文庫)』

■日々是れ、素振りあれ!

「上手くなりたければ、練習法を知ることよりも、
 練習するという熱意を持つことが肝心。
 それも日々の素振りこそ最も大切なこと。
 素振りだけでシングルになれるんだから」

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■言うは易し、行うは難しの毎日、100回素振り

(平日は一度くらいの練習でいいでしょうか?と言う編集者に対して)

「いいわけないでしょう!週に一度の練習では」

「練習ってね。球を打つだけじゃないでしょ。
 素振りがあるでしょ。毎日素振りをすればいいわけ」

「何回でもいい。好きなだけすればいい。
例えば、毎日、100回やる。100回って言ったって、結構大変よ。
 でもね、一度そう決めたら、何が何でもやるのよ

「ボールがあると思って振ること。
 ボールを打っているイメージを毎回の素振りで持つこと。
 本当に打っているように素振りをすることよ」

フック、スライス、高い球、低い球、と打球をイメージしながら、
 実際に弾道も頭の中で描くことができるようにならなければいけないの。
でもそうしながら素振りをすれば本当に何百回も振れるわよ」

「アドレスもグリップも本番と同じ。基本はしっかりとやらなくちゃダメ。
 基本を疎かにした素振りじゃダメなの。
 腰を入れた背中を伸ばした基本に忠実なアドレスで、
 グリップも左手でしっかりと握って、
 右手も親指と人差し指を締めたものにしなければダメ。

私もやり始めのときはね、これが締まってなかったの。
緩いほうが飛ぶけど、正確性がなくなるの。
 基本に忠実に素振りを行ううちに、
 自分の筋力や体格にあったスイングに自然と変わっていく。
 それが個性になるの。そこまで振り続けなくちゃ。

 だから、誰でも上手になったからと言って、
 素振りをしなくていいということはないわけね。
 毎日クラブを振ることがとにかく大切なの。継続は力なり、よ」

(素振りはいいのに、ボールがあると上手く打てない、という記者)

「それはね、ボールに当たるかどうかを考えすぎなの。
 それはどうでもいいの。
 当たるかどうかの結果に左右されない。動揺しないこと。
 結果で大切なことは当たるかどうかより、
 目標に飛んで行っているかどうかだから。

 ボールを打つときに考えることは、
 素振りのスイングで振るってこと。
 これに徹底することね」

「ボールを打つということより、
素振りのスイングをする、ということを考える。

 で、当たらなくても気にしない。
 素振りのスイングができていたかをチェックするのよ」

「でもね、形ばかりを気にして、
 思い切りクラブを振らないというのはもっといけない。
 練習では、クラブは思い切り振り抜くこと。
 ボールに当てようなんて、情けないスイングはもっといけないの」

「クラブを振ることを覚えなくて、形だけを作ってしまうと、
飛ばないスイングになってしまうの。
そうすると後で飛ばそうと思ってももう飛ばせない。
だから、まずは飛ばそうとしなきゃ。飛ばすほうが先。

スイングをよくするのは後からでもできるけど、
飛ばすのは後からではできなくなっちゃう。
だから『振ってミーっ』って私は言うのよ。
当たったら飛ぶのよ。『その調子よっ』って言うの」
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岡本綾子さんの素振り 1
岡本綾子さんの素振り 2(毎日)
岡本綾子さんの素振り 3(60秒スイング)
岡本綾子さんの素振り 4(リズム)
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岡本綾子さんの素振り 1


『岡本綾子のゴルフ上達指南書(日経ビジネス文庫)』に、ボクが(勝手に)尊敬している師匠・岡本綾子さんの珠玉の言葉が溢れているんですが、その中で最近ボクが興味を持っている『素振り』について触れている箇所がいくつもあった。それを抜き書きしてみようと思います。『書斎のゴルフ』の編集者との会話。広尾の寿司屋にて。まるで自分が岡本さんから直接話しかけてもらったような有り難いお言葉。しっかり心に刻みます。

「素振りに優る練習なし」岡本綾子

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■練習の時からリズムを体に覚えさせる

(練習でリズム感を養うには・・・)

「よく中高生の野球部がやる練習で、
号令に合わせてみんなでバットを振るのがあるでしょう?
あれはすごくいい」

「『イッチ!』ブン!『ニィ!』ブン!って。
 ゴルフではあまりやらないでしょう?
 でもあれは凄くリズムが染み付くよ」

「素振りは本当に大事だよ。
 素振り100回。
 毎日、家でやってごらん。
 全然、違うから」

「頭の中で号令をかけるとか。
メトロノームとか、音楽とか。
プロはそれぞれ色々やってるよね。
私は音楽、聴いてたかな」

「音楽を聴いて練習すると集中できる。
いろいろ聴いたけど、喜多郎とか、よく聴いてたなぁ。
何でもいいのよ、自分に合えば。
集中できて自分に合うものを見つける」

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■不安と闘ってボールを打つ、自分を誉めて自信をつける

(岡本プロでさえ、ショットを打つ前は不安。
スイングイップスになった編集者に対して)

「ボールに当てようとして、
スイングってものを忘れちゃってるんじゃないの?」

「あのね、スイングは素振りが大切なの。シャドースイング。
私も随分とやった。

 素振りをすることでスイングが自然と良くなるの。
 フォームや形のことをあれこれ考えるよりまず素振り。
 素振りを毎日毎日続けるの。

 で、その素振りのスイングで自然にボールを打てばいい。
 ボールに当てようとか、飛ばそうとか、そんなことは考えない。
 上手く当たるかな、なんてことも一切考えない。
 ただ素振りのスイングをする。
 それが本当に基本なのよ」

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「それとね、
飛ばすならヘッドを感じるように素振りをすることね。
これが肝心。
ビューンとヘッドが走っていること。

体が回転して、手が振れて、ヘッドが遅れてきながら、
インパクトの前で一気に走る。
この感覚をつかみながら振って欲しいの。
素振りもね、
そうした感覚をつかもうとしながら、素振りをして欲しいの」

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岡本綾子さんの素振り 1
岡本綾子さんの素振り 2(毎日)
岡本綾子さんの素振り 3(60秒スイング)
岡本綾子さんの素振り 4(リズム)
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(でもねぇ、本当はスイングのことよりもっと大事なことがあるのよ・・・
別項で)
岡本綾子さんの練習 2(一打)

倉本昌弘プロの素振り


倉本昌弘プロの言葉

毎日欠かさず素振りをすること。
素振りをすれば自然と上手くなる。

素振りはボールがないから素直なスイングができる。
それもどんどん振っていけば、無駄な動きがなくなり
合理的なスイングになってくる。
悪いスイングだとどこかに余分な力が入っているもの。
体が上手く回転しないのですぐに疲れる。
それを止めずに振っていけば、クラブの重さを感じて触れるようになる。
クラブを振るのではなく、クラブに振られるスイングが自然なスイング。

家の中でクラブをフルスイングするのは危険なので
マイ練習グッズ、太いビニールホースを振る。
これは畑岡奈紗選手も子どもの頃やっていたらしい。

大事なことは、これを毎日100回。

反省すべきは


ラウンド中の全てのショットをメモするようにしています。

D◎↑(ドライバーがまっすぐナイスショットだった)
S50○大(50ヤード/サンドウェッジ/当たりは○/しかし大きかった)
6I OUT ベアダフ(6番アイアン/林の中のベアグラウンドから出すだけ)
PT10ポ○1m(10歩の距離のパターGOOD/1mに)

家に帰って全ショットを思い出して反省会をするためです。
これは、ゴルフを始めた頃からやっていることで
年に数回しかラウンドできなかったのでメモを見ながら
もう一度思い出しながらラウンドできるのです。

こうして反省会をしているのですが、
そんな自分にガツンとくる言葉がありました。

倉本昌弘プロの言葉

ラウンドに行ってスコアカードを見ながら反省している。
しかし、本当に反省しなければならないのは、その日のラウンドではなく
毎日の、常日頃の練習を怠っていたこと、それを心してほしい。

ごもっとも!です。たしかに!です。
毎日、素振り、します!

技術とは

技術とは、
ボールを打つたびに確認と検証を重ね

自分で見つけ出すもの。

中部銀次郎「わかったと思うな 中部銀次郎ラストメッセージ」より

「技術論に誤解が多いのはなぜか」という書き出しの後に書かれていた言葉。

中部銀次郎さんは
壁に頭をつけてスイングしてみる
という練習をしたらしい

それは、
「どうしたらヘッドアップしないか」ではなく
「どういう状態がヘッドアップしない状態なのか」を知るため。

それともう一つ、
これはボクの解釈なのですが
グリップの位置を体から離さないでスイングするため
じゃないかなと思うんです。

銀次郎さんは
「何度も手を壁に当てて血が出た」
と書いてあるのを読んだことがあります。

一番いいのはコーチに見てもらいながら
自分のスイングを修正すること、かもしれないけど
大事なのは「自分で気づくこと」なんじゃないか。
自分で気づいて、自分で修正して、自分でモノにする。

今、ドライビングレンジでの練習に
『iPad+三脚』で後ろから撮影しながらスイングしています。
それで気づいたこと、
それで修正しようと練習しています。

プロボクサーの村田諒太選手の言葉
(iPhoneで録画した自分のスパーリングを見ながら)

『人に言われて気づくより
 自分で気づかなきゃいけない。
 そういうヤツじゃないと
 強くならないでしょうね』

やっぱりそうなんだ。
「自分で気づく」が大事なんだろうな。

タイガーのラウンドでのパッティング


【タイガーのラウンドでのパッティング】

■ラインを正確に読む
グリーンに上がる前に全体の傾斜を見ること。
グリーンに上がったら周囲をぐるりと見て、さらに傾斜を確認。

■ブラムボム
「カップとボールを結んだラインの延長線上に立って、
右手でパターグリックの先端をつまんで、左手でヘッドを持つ。
地面に垂直に立って、
シャフトとボールとカップに重なるように効き目で見ます。
そうしたらヘッドを持つ左手を離します。
ヘッドが右に垂れたら右傾斜のスライスライン、
左に垂れたら左傾斜のフックライン」

■芝目
「太陽を背にして、光って明るく見えれば順目だし、暗く沈んで見えたら逆目。
それと池やクリークのある方向には傾斜も下がっているし、
芝目も向かっています」

「ボールをマークしたら、足の裏でグリーンのアンジュレーションを感じます。
自分より先に打つ人のパットの転がりや曲がりを参考にします。

マークの後方からカップまでの横の傾斜を見てラインを描きます。
傾斜の高い側をカップに向かって歩いていき、
ボールとカップの中間地点で縦側の傾斜を見ます。
そこでカップまでの距離を把握して素振りをします。

次にカップに近づいてカップ近くの傾斜をしっかりと見ます。
カップ近くはボールスピードが落ちるため、傾斜の影響を強く受けます。
続いて、カップの後ろからしゃがんでボールまでのラインを見ます。
今度は傾斜の低い側をボールに向かって歩いて芝の生え方をチェックします」

■ボールを打つ作業
「確定したラインをイメージしながら素振りを2度します。
距離を合わせた素振りです。
そのあと、フェースをラインの曲がりの頂点
(ブレークポイント)に合わせます。
スタンス、膝、腰、肩の向きを平行に合わせます。
顔を一度あげてブレークポイントである目標を見て、再びボールを見ます。
イメージしたラインを頭に描き、素振りと同じストロークを行います。
ボールがあった場所を見ておきながら、
打ったボールがイメージしたラインを転がっていくのを想像し、
カップインした音を聞いてから顔をあげます」

■プレッシャーがかかった時のパッティング
「ジャックニクラウスはどんな一打も真剣に打った。
どんなにスコアが悪くても、優勝から見放されているときも、
目の前の一打をいい加減には打たない。
優勝がかかっている一打だと思って打つということ」

「プレッシャーがかかったときは(ショットもそうだけど)
スイングがいつものテンポより速くなります。
いわゆる打ち急ぎです。
なので、いつものゆっくりしたテンポでストロークすること。

それにはグリップを強く握らない。普段よりもソフトに握ります。
また深呼吸を2回します。長く鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐きます。
気持ちが落ち着いていつものリズムが蘇ります。
こうして素振りでゆったりとしたテンポを作り、
その通りに実際も打つわけです」

■実践に役立つポイント
「ゴルフでは記憶力がスコアに大きく影響します。
ホームコースはもちろん、試合を行うコースや一度行ったコースは
よく覚えておくことです。
ホールごとにどんなホールだったのか、
どこにどんな罠が仕掛けられていたのか、
OBや林などを含めて覚えておきます。
特にグリーンの傾斜や芝目などは細かく書いて覚えます」

あとは、実践あるのみ。

タイガーのパッティング練習法


「パッティングをよくするには、日々の練習しか方法はない。日が暮れるまでひたすらストロークを行う」という言葉でこのタイガーの姿を見せられると、アマチュアの自分の練習量の少なさが情けなくなる。長めのパットを外して悔しがるなんて、10年早いわ。

【タイガーのパッティング練習法】
朝の練習グリーンで、平坦なところを選ぶ。
目標を作らずに、3個の球を、好きなストローク幅、好きなリズムで、
ポーン、ポーンと打ってやる。
その距離は大体10mから15mぐらい。
何回か行って、何メートルになるのか、何歩になるのかの距離を覚えておく。

「その日のグリーンの速さを練習グリーンで知っておく。
 体に距離のメモリーを作り上げておくわけです」

【ゲートドリル】
カップから1mのところに、
パターヘッドのトゥからヒールまでの幅に合わせてティを2本刺す。
ヘッドがギリギリ通る幅に2本刺して、
それにヘッドが触れないようにストロークする。

「ボールを6個使って、まずは右手だけで12個打ちます。
 右手だけでヘッドの重さを感じて打つわけです。
 これによって距離感を右手に覚え込ませることができ、
 しかも安定したヘッド軌道を作ることができます

 このあとで、両手で6個打ちます。
 いつものようにリバースオーバーラッピンググリップで打ちます。
 そして、その次にまた右手だけで12個打ちます。
 その次はまた両手で6個打ちますが、
 このときクロスハンドで打つこともあります。
 こうすると、よりヘッドの軌道を低くすることができます。
 
 この右手と両手を繰り返し行って、
 連続で100個カップインするまで練習します。
 外れたらまた1個目からやり直しです。
 100個に近づくとプレッシャーがかかるので、
 これがいい経験になります」

タイガーはこの練習ドリルを練習グリーンだけでなく、
自宅でも最低毎日2回は行う。
100回が簡単にできた時は、カップまでの距離を1.2mと20cm離して
再びこの練習ドリルを繰り返すという。

【5cm先にコインを置いたドリル】
「ショットもそうですが、パットでも多少はダウンブローがいいわけです
 (転がりの良いボールを打つために)
 試合でも転がりが悪いときはボールの先5cmを見て打ち出すことがあります。
 このことを練習で行うのに、ボールの5cm先にコインを置くわけです。

 そのコインを打つつもりでストロークすると、
 インパクトでヘッドが加速して、出球がよれることなく、
 しっかりと転がってくれます。ヘッドも低くストロークできて、
 長いインパクトで厚くボールに当たれば、コインなど問題ではなく、
 その上をしっかりと転がってカップインしてくれます。

 ダウンブローになり過ぎてはいけませんが、
 ボールはしっかりとヒットする必要があります。
 そのために少しだけハンドファーストに構えるようにするわけです」

【ストロークが低いヘッド軌道となるための練習法】
ストリングドリルキット
2本の棒にひもの両端を結び高さ10cmくらいにひもを張る。
それ以上の高さにはバックスイングもフォローもできない。

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タイガーの基本パッティングストローク


アマチュアゴルファーが
プロゴルファーの真似なんてできるわけがないと思っています。
そもそも体格や筋力が違うし、練習量が違う。
プロ選手の飛距離なんて全く望んではいません。
しかし、パッティングに関しては真似できるんじゃないか。
アマチュアだって15メートルの大きなフックラインを
1パットで沈めることは可能です。
だから今、タイガー・ウッズに教えてもらおうと思います。

もしタイガーがパッティングについて話してくれたなら、
その一言一句メモするでしょう。それを書き残そうと思います。
「書斎のゴルフ」に載っていた、タイガー・ウッズのパッティング上達法を。

【タイガーの基本となるパッティングストローク】

下半身を動かさず、頭も動かさず
背骨の軸を中心に肩を回すショルダーストローク
スタンスは肩幅よりやや狭く
体重は両足均等で体重移動しない
下半身は特に膝を動かさない
お尻も動かさない
(↑これは岡本綾子さんも同じことを言っていた。
パットが上手い人のお尻は動かない)
スタンスは飛球線に平行
腰や肩は開かないすべて平行
ボールは効き目の真下の位置

『手の位置が体から遠いと目のいちがボールの真上に来なくなる。
 だから手は体の近くにセットするように』

            by タイガーの父アール・ウッズの教え

「グリップの位置は両腕をだらりと下げたところが基本。
 しかしこのままだとレイトハンドになってしまって
 ボールの転がりが悪くなるので、
 ボール位置よりも少し左に手を持っていき、
 少しだけハンドファーストにします」

タイガーのグリップエンドはへそよりも少しだけ左を指している。

【タイガーのグリップ】
左手の人差し指を右手の小指の上に被せて包む
リバースオーバーラッピング。
ジャックニクラウスと同じ。その理由は
「バックスイングもフォローも低くストロークでき、
 ロングパットではイン・トゥ・インの大きなアークを自然に描きやすいから」
(ショットではインターロッキング)

【タイガーのアドレス】
1mの短い距離でも、ドライバーショットを打つような
しっかりと腰を入れたアドレスにすること。
これはアプローチでも同じことで、
短い距離でもいい加減なアドレスには決してせず、しっかりと構える。

【タイガーのストローク】
そのガッチリとしたアドレスから、ゆったりと行われる。
頭を動かさず、首を支点にして、背骨を軸に肩を回転させる。
両肩とグリップとで作られる三角形は決して崩さない。
三角形を保ったままゆっくりとストロークを行う。

「バックスイングの大きさとフォローの大きさを同じにすること。
 ゆったりとしたバックスイングと同じペースで
 ゆったりとダウンスイングして、フォローも同じペースで行うこと。
 つまり、ストローク中はいつも同じゆったりとしたペースで、
 それを自分のペースにすることです」


『タイガーのパットの素晴らしさは、

 静かにボールをヒットできることにある
 (クワイエット・ヒッティング)』
                    by ブラッド・ファクソン

———————————————-
【タイガーの父、アール・ウッズの教え】

『スポットに向かって打て』
このスポットとは、ラインがまっすぐであれば当然カップ。
曲がるラインであれば曲がり角(ブレーク・ポイント)
フェイスはその曲がり角に向けてしっかりとスクエアにセットする。
そのあとで、スタンスと体の向き、特に肩のラインを平行にする。

ボールからカップまでのラインのイメージを描き、それを頭の中で記憶し、
『その絵を頭の中に描いて打て』と言った。
そうすれば本当にカップインできる。

『ストロークを感じろ』
ヘッドの重さを感じるようにストロークせよ、ということ。
ヘッドの重さを感じてストロークすれば、ゆったりとしたリズムで、
正確に軌道を描けるようになる。

———————————————-
【ボールの転がり】

「パッティングでは常にボールの転がりを気にしています。
 真っ直ぐ綺麗に転がっているか。
 そのためにはパターの芯で必ず打つことです。
 必ずヘッドの芯とボールの中心をしっかり合わせてアドレスすること。
 ボールにフェイスが触れるくらいにしっかりと合わせる。
 こうしてゆったりとしたリズムでヒットする。
 決して強くは打ちません。
 転がりがいいから強く打っているように見え、カップインするのです」

———————————————-
【転がりの良いボールを打つために】

「低いヘッド軌道となるストロークが肝心。
 ヘッドとボールの接触時間が長くなるからです。
 ストロークはイン・トゥ・インだけど、
 インパクト前後の10cmは真っ直ぐになるようにしています。

 そして、ストロークが低ければ、真っ直ぐしっかりとヒットできる。
 ボールが厚く押されて転がりも良くなるわけです。
 大きく曲がるラインであっても、しっかりと想定ラインを転がってくれる。
 途中でよれたり、だれたりと言ったことがなく、
 カップに向かって転がってくれます」

———————————————-

丸暗記せよ。