自分のカラダが、本社ビル。

 

フラットアイアンビル(モノクロ) ニューヨーク5番街にあるフラットアイアンビル(1902年竣工)昔、仲畑さんの事務所にこのビルの写真が飾ってあって、ずっと気になっていたビル。まだ本物は見たことがありません。このビルの角の部屋からはエンパイアステートビルが見えるようです。

フリーエージェントになって、次の打合せの場所に移動している時、会社員だった頃の自分とは何かが違うぞ、と思ったことがありました。それは「孤独」とかではなく、むしろ楽しい気分で歩いている自分がいる。そうか、今歩いているこの自分が会社なんだ。自分自身が会社なんだ。自分のカラダが本社ビルで、今、ビルごと移動しているのだ、と感じたのです。そうか、いま歩いている自分のこの身体が本社なんだ。

そう思うと、フリーエージェント中村禎の本社ビルですから、背筋もシャキッとするし、お腹も凹ませて歩くし、眉間にシワもなく、穏やかな表情で口角を上げて颯爽と歩きます。身だしなみにも気を配ります。薄汚れた本社ビルでは仕事の依頼も来ないかもしれないし。ビルメンテナンス、大事です。本社ビルが老朽化でしばらく工事中、なんてシャレになりません。上下水道、電気、WiFi環境、空調、防犯、耐震性(?)ビルの健康問題にも細心の注意を払う必要があります。

考えてみれば、スポーツ選手も同じかもしれません。たとえばインテル・ミラノの長友佑都選手。インテルというチームに所属して「給料」をもらっている「会社員」と言えなくもないけど、ある意味「個人事業主」です。自分の身体の手入れを怠らず、常にトレーニングや練習で自分を鍛えてその身体の性能を上げる努力をしている。試合に出られなければ「会社」を「クビ」になる。インテル長友選手も「長友佑都」という本社ビルの性能に磨きをかけているのです。見習わねば。自分のカラダが、本社ビルだから。

豚もおだてりゃ・・・

シャーペン長年愛用しているモンブランの0.92mm、2Bのシャープペンシル。亡くすと困るので、予備にもう一本持っています。

【うれしくて自慢話なんですが】とあるクライアントにプレゼンしたコピーが、プレゼンのその場ですごく褒められたんです! なんか、ものすごく久しぶりに、すっごくうれしかった。新人コピーライターが初めて褒められたみたいにうれしかった。しかも、そのコピーの一部分の「語尾」について質問してくださって、「なぜ、そうしたんですか?」と質問されて。ご説明すると、その「語尾にやられましたw」とおっしゃる。そんな細かいところにまで、気を留めて読んでくださったことが、うれしかった。と同時に、やっぱりディテールに魂が宿るんだなぁと、改めて初心に戻ることができました。

ボクも、コピーライター養成講座で、もっと褒めないとイカンなぁと思ったのでした。だって、こんなにやる気が出るんだもの。褒めてくれた人のためならなんでもやりますっ!って気持ちになるのです。コピーライターなんて単純なんです。ボクだけかもしれないけれど。

これほどまでにうれしかったのは、自分がフリーエージェント・コピーライターとして書いたコピーだったからなのかもしれません。だから、新人コピーライターが褒められたようにうれしかったのかもしれません。

自覚・責任・シュレッダー

シュレッダー シュレッダーだけの写真ではなんとも味気ないので、花を添えてみました。アップルのシュレッダー、ではありません。

シュレッダーを買うとは思ってもいませんでした。フリーエージェントとなって、まだ事務所は構えず、自宅と外のあちこちで仕事を始めたものの、紙の資料は増えていきます。不要なものは処分していかなきゃいけないけれど、一般の家庭ゴミで出すわけにはいきません。先日、家の近所で某広告代理店の手提げ袋にいろんなものを詰めて、ゴミ置場に出されているのを見かけました。ま、そこの社員ではなく、手提げ袋をもらったクライアントなのかもしれません。でも、こういう黒子の仕事をしている以上、ゴミも黒子であるべきかなと思います。

安いシュレッダーなので想像以上の大きな音がします。紙も数枚ずつしか入りません。ホッチキスの針も外します。オーバーヒートするので、2分以上続けての使用もできません。でも、ひとつひとつの仕事を丁寧にこなしていくように、廃棄する書類も丁寧に裁断していきます。こんな家庭用のシュレッダーですが、購入したことでフリーエージェントとしての自覚と責任を噛みしめております。(予告:今週もう一台、新兵器を導入する予定です。また自慢します)

最後の辞令

最後の辞令
独立する、という意志を最初に伝えたのは、妻にだった。そして二人の親分、仲畑貴志さんと大島征夫さんに伝えた。それから電通でお世話になった人たち、出会った順番に思い出しながら、一人ずつにメールを送った。「中村禎が辞めるらしいね」ということを、人伝てで聞くのはいい気分じゃないだろうな、という人へ直接伝えたかった。

そしてその、心打たれる返信を300通以上いただいて、ふと、「社長に挨拶なしでいいのか?」という思いがよぎった。社長や役員の人たちにも、何人かお世話になったかたがいらっしゃる。メールでは失礼だろうか。いや、心のこもっていない印刷された手紙の方が失礼だろう。メールだろうと手紙だろうと、大事なのは中身だ。そう思って、一人一人に送った。

石井直社長が営業部長だった頃、ご一緒させていただいたことがある。憶えていらっしゃるかはわからなかったが、その頃の話を添えて書いた。『メールなんて失礼な! 君はクビだ!』とはならないだろう。だって早期退職なんだから。メールを送った。

石井社長から返信が来た。うれしかった。

電通に途中入社した頃は「電通の人はみんな偉そうだ」と思っていた。「中村くん、電通っぽいね」なんてゼッタイ言われないようにしようと心に決めた。電通の人がよく言う「お得意」という言葉はゼッタイ使わないと決めた。だって、お得意様というのはサザエさんと三河屋さんのような信頼関係をいうのだから、競合プレゼンをさせるクライアントをお得意様と呼ぶのはオカシイと思ったから。だからずっと「クライアント」と呼んでいた。

28年近くお世話になった。「電通の人はみんな偉そうだ」は撤回する。「偉そうなのは、ごく一部だ」だ。社長にメールをしたら、返事が来た。こんな大人数の大企業の社長が返信をくれるなんて。感激した。やっぱり電通という会社は「人」を大事に思ってくれる会社なんだとつくづく思った。それとも、社長の名前がボクと同じ「タダシ」だからかな。

電通のみなさん、お世話になりました。電通人であったことを誇りに、明日から「コピーライター中村禎」として生きてゆきます。ほんとうにありがとうございました。

合格証書

 

FP3合格証
ほとんどの人が合格するといわれている3級ファイナンシャル・プランニングの技能検定。1月に青山学院大学で受験してきました。自分で答え合わせして点数はわかっていたのですが、やはりこうして正式に『技能検定合格証書』をいただくと、正直うれしいです。夜の講座に通って、自習室で問題集をやり、試験時間に合わせて過去問題を制限時間で解いてみる。そんな受験生をやってみました。資格が欲しいのではなく、自分のためのファイナンシャルプランナーができるように基礎知識だけは身につけておこうと思ったのがきっかけでした。学校の自習室で、もっと難しい試験のための勉強をしている若者たちを見て、「日本もまだまだ捨てたもんじゃないな」と感じました。さて、2級はどーするかっちゅう話です。

【今日の腕時計#01】カラトラバ

パテック #01 PATEK PHILIPPE カラトラバ

親分に会う日はいつも、この腕時計をすることにしている。親分からいただいた腕時計。正しくいうと、親分と交換した腕時計だ。2001年、ボクが東京コピーライターズクラブの最高賞を獲ったとき、親分が「おめでとう」と言ってくれた。「ナカムラ、腕時計見せてみ。ふ~ん、グランプリ受賞者はもっといい腕時計をしなきゃダメだ。オレがもっといいの、やる。交換や。はずせ」  もっといいの、といっても当時ボクが愛用していたROLEXサブマリーナーだってかなりエエやつだ。今の会社に入って最初に行った長期海外ロケの日当がかなり出たので、記念に免税店で買ったものだった。重いロレックスをはずして手渡されたのは、ずいぶん軽いものだった。PATEK PHILIPPEカラトラバという腕時計。「たしかローマで買うたヤツや」美しい・・・。自分には似合わないかも、と思った。でも、こういう時計がさりげなく似合う男にならんとアカンよ、と言われたような気がした。その夜はうれしくて美しくて、布団の中でずっと眺めていた。(裏がスケルトンになっていて、見ていて飽きないのですよ)

ところでボクのROLEXサブマリーナーは何処へ、というと、しばらく親分のデスクの引き出しに入っていたそうだ。それが今、うちの組の弟分の太い腕にある。仕事でお祝いごとがあったその弟分にボクの腕時計が受け継がれているのだ。「もっといいことがあったら、もっといいヤツと交換や」と親分は笑う。

今日はこの腕時計をして行く。親分のコピー殿堂入り、東京コピーライターズクラブのHALL OF FAME受賞のお祝いに、組のOBたちが集まる日だから。「おっ、ナカムラ、いい時計してるねぇw」とは気づかないとは思うけど、親分に会う日はいつも、この腕時計をすることにしている。

錫婚式2015.11.22

錫婚式20152015年11月22日は結婚記念日です。今年も結婚式のときの牧師さんから手書きのハガキが届きました。10年目は錫(すず)婚式だそうです。だんだん堅いものになっていきます。
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2015年11月22日 
結婚記念日(錫婚式・10年)おめでとうございます
幸(さち)は狩猟時代に獲物が充分確保できたこと。幸(さいわい)は栄えるプラス賑わいで収穫がたくさんあること。幸(しあわせ)は仕合わせで、仕え合うこと。いずれも心の底からの喜びを表わしています。「この人と共に生きる喜び」を噛みしめて。次の10年も『幸』であってください。
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とありがたい言葉をいただきました。
しかし、色鉛筆で塗り絵をされたハガキにシールが貼ってあって、やはりご病気がちだそうで。結婚を取り持ったご夫婦のお子さんの誕生日にもハガキを出されていたようです。1年に1度のこのハガキに、ボクたちは毎年励まされています。「言葉」と、ハガキを出してくれるという「行動」が、心に沁みます。

ベテラン復活

shoes3

ということは、買ったのは8年以上前ってことになるのか・・・。8年前、たしかにこの靴を履いていた。なぜそんなにハッキリ憶えているかというと、結婚式の翌日、妻とホテルニューオータニの庭を散歩している時、真新しかったこの靴で庭の石につまづいて、つま先に傷をつけてしまったからだった。言われれば気づくくらいの傷だったので、靴クリームでなんとかごまかしながら履いていて、何年も経つ。かかともすり減ってきて、くたびれてきていたお気に入りのチャッカーブーツ。だんだん履かなくなっていた。でも捨てることはできなかった。駅前にあるミスター・ミニッツで修理してもらおうとずっと思っていて、「いつでも持っていけるから」と半年以上、1年以上放ったらかしだったけど、ついに行ってきた。

すり減ったソールを張り替えてもらい、完全ではないが傷も直してくれた。東急ハンズで新しい靴ひもを買い、靴クリームを塗り込み、丁寧にブラッシングをした。見違えるようになった。こんなに生き返るのか。だったらもっと早くにミスターミニッツに持って行けばよかったなぁ。モノを大事にするということは、愛情をもって接するということ。買ったばかりの新品のときは、誰もが大事に使うけど、長く使いながら大事にすることが愛情なんだな。モノには感情はないのだろうけど、愛着をもって接すればそれに応えてくれるように感じた。

引退がささやかれていたベテラン選手が、先発ローテーションに復活した。

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追伸:このあと、同じく履かなくなっていたダナーのブーツもソールを直してもらって、ユザワヤで新しい色のひもを買いーの、アイロンで靴ひも加工をしーの、で再生させました。