第30話 納得刑事(デカ)

マーブルロック壁に貼るタイルの色はどれに?

なぜ私は三井ホームで家を建てたのか Vol.30

そろそろ最終段階。この頃やったことは、まず『街中捜査』です。例えば玄関ドア外の照明。これはカタログを見てもなかなかピンとくるものがなかった。みんなどうしているんだろう?と思うと、急に街中の他の家の玄関照明に目が行くようになります。いままで歩いていた道の知っている家でも玄関照明なんて見ていなかった。よく見るといろいろあるもんですね。そこで当時住んでいた近所のカッコイイ家を取材することにしました。散歩しながら見て回るのです。この時、照明だけではなく、外壁のタイルブロックなども見て回りました。実物サンプルはいろいろあるのですが、実際にそれを使った家を教えてもらい、そこまで見に行きました。(まるで刑事の聞き込み調査です)そうすることで、「この色よりこっちの方がいいね」とか「いいと思ってたけど、案外安っぽく見えるね」とかをハッキリ決断することができました。今でも街を歩いていて「あれは千陶彩だな」とか「ここはマーブルロックだな」とわかるほどです。メンドクサイ人はサンプルだけで決めてもいいと思います。が、ボクたちは歩き回って①納得して決めたので、「あっちにしとけば良かったかな」という後悔は一個もありません。

床のキズ小さな手がかりも見逃しません

もうひとつは、『現場検証』です。刑事ドラマの「鑑識」になったかのようでした。ほぼ仕上がった室内をチェックして、傷などがあったら修復して最終引き渡しになります。三井ホームの場合は半年点検や1年点検、3年点検などが無料であるので、そのとき無料で直してくれるのですが、きっちりやりました。自分たちがつけた傷は味になりますが、最初から付いている傷は②納得できませんからね。家中の床や壁を舐めるように見て回り、ちょっとでも気になる部分にはポストイットを貼っていきました。これは我ながらいいアイデアだと思います。印をつけておかないと後でどこだかわかりません。それほど小さい傷を見つけておくのです。何かを落とした後のような床の傷を見つけて「え〜〜〜〜〜っ!!!」となりましたが、今ではそれがどこだったかわからないくらい修復できました。

傷ポストイット 壁ポストイットポストイットを貼らないとわからないほどの小さな証拠も見逃さない

ただひとつ、もめたのがキッチン回りです。キッチンの建て付けがどうも雑な気がしたのです。隙間があったり、ゆがみがあったり。妻にとってキッチンは大事な場所。ここは③納得いくまでねばりました。キッチンメーカーの部長まで呼びだして、何度もやり直してもらいました。複数の業者たちと妻ひとりだと、人数的に負けてはイケナイと思い、ボクも会社を休んで立会いました。「素人をなめんなよ」という怖い顔して立会っていたんだと思います。

ノートを見返してみると、「竣工立ち会い」(出来上がった家を施主と三井ホームが確認しながら引き渡す儀式)の前に、三井ホームによる「社内検査」というのがあります。これでお客様にお渡ししていいかの三井ホームとしての最終チェックです。でも実際は、その後1週間以上キッチンのゴタゴタをやっていました。つまり、「社内検査」なんて儀式でしかないんじゃないか?ということです。「竣工立ち会い」も、短時間見て「ハイ、問題ないですね」なんてボクは言えない。ボクらは④納得して買いものをしたいだけです。ここは譲れません。たしか「竣工立ち会い」の前にゆっくりチェックする時間を取ったと思います。ポストイットを貼っていく作業に時間をね。

ほぼ完成しても「やったね!」という気持ちには、まだまだなれませんでした。まだ気を許してはいけません。最終チェックの細かい所にストレスは発生します。細部は大事です。ディテールに神は宿りますからね(意味が違うか)。キッチンの建て付けやブラインドの付け方ひとつにしても、それぞれの部品メーカーの仕事かもしれませんが、買う方はそれを含めて三井ホームです。だから本来は三井ホームがそれぞれの業者に「もっときちんと取り付けなさい」と指示してほしかったですね。お客さんが問題点を見つける前にね。

これから建てる方も、最後まで気を引き締めてがんばってください。お金を払うのはこっちなんだから、遠慮せずに⑤納得いくまでやっていいのです。

この第30話には5回「納得」という単語がでてきました。

第31話 まとめ(最終回の前に)


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