会社のデスク脇に貼ってある言葉です。会社の荷物を整理しなきゃ、と思わせるために貼りました。ずっと貼ってあるのでちょっと効果が薄れてきた感もありますが、もう一度思い直す意味で、ここに紹介します。
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その荷物 あなたが死んだら ただのゴミ。
「捨てる技術」より
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ボクの会社ではしばしば社内で引越があります。そのたびにダンボールに詰めて、行き先を書いて。ある時、友だちのダンボール箱の山を見て思ったことがありました。その彼は大阪から来たCMプランナー、林尚司くん。今までの仕事のVTRやラジオCMのテープなどがたくさんあって、ダンボール箱に囲まれた席でした。「またいつ引越があるかわからんやろ?」ということで、そのダンボール箱をそのまま積んで彼は生活していました。そこでボクはちょっとしたイタズラをしました。そのダンボール箱に「尚司冬物」とか「尚司古着」とか「尚司卒業アルバム」とか、お母さんが家の荷物に書くように太いマジックで書いたのです。すぐボクがやったとバレましたが。で、その時、思ったのです。
もし林尚司クンが事故かなにかで亡くなったら、この荷物は全部家に送られるんだろうな。そうなると家族は全部開けるのかな。全部ビデオとか見るのかな。いくら形見が欲しくても、こんなにたくさんは要らないよな。ご家族はムカつくかもしれないな、と思ったのです。そう、まさに「あなたが死んだらただのゴミ」なんだ、と。
万が一、自分が死んじゃったら、この荷物が家に送られて家族が迷惑しないように、よし、いま捨てておこう。
(名前を出してもいいよ、と林さんが言ってくれたので本名で書きました)