中村寅吉さんの言葉


中村寅吉さんの言葉
1915年9月17日生まれ

『気』のゴルフ
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第6章自分流ゴルフ
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156【見栄を捨て本心を探る】

人間には「見栄」という、やっかいなものがある。
自分の本心を突き詰めてみるといい。

(本心)なんのためにゴルフをしているのか。
誰のためにゴルフをしているのか。

ゴルフ場にはバンカーや池など、いろいろなハザードがあるけど
一番のハザードは自分の気持ちの中にある。

目に見えない。形になって表れているわけではない。
時と場合、所かまわず出没する。
ゴルフでは『心のハザード』が最もやっかいなシロモノなんだ

「ひとによく見せたい」という見栄。
「好いショットをして拍手されたい」という願望。
「チョロしたら恥をかくぞ」という心配。恐怖心。

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166【朝一番のティーショット】

「前へ飛んでくれさえすればいい」というくらいにへりくだった気持ちになったほうが結果的には実力通りのショットができるものだ。見栄がなくなるからね。体の動きが良くなる。流れに乗りやすい気持ちをまずつくることだ。

初めから「最高」を望んじまうとあとは凋むだけだものね

狙ったところへボールを運ぶ。

OBの有無を確かめる必要はない。
宝探しに出かけようとしているのに、
ゴミの山のあり場所を知る必要はない。

目的をはっきりと見定めることだ。
「そこへ攻めていく」
そういう気持ちになれば自然とアドレスで気合が入る。
狙い所をしっかりと定めてスタンスをとるからね、確信が持てる。
周囲の雑音も耳に入らない。
大勢の人の前で「いいところを見せてやろう」なんて見栄も働かない。
いいショットをしてやろうなどという欲に目が眩むこともない。

とにかく、『あそこへ』持っていくんだ。

すべてはその気持ちから出発する。
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171【チョロの後始末】

スコアはショットの好し悪しを数字で表すものじゃないんだよ。

チョロしたあとでも、会心の一打をフェアウェイに飛ばしたあとでも、
第二打の地点へ行くまでの気持ちの持ちよう
禍いを転じて福にすることもできるし、福が禍いに転じちまうこともある。
自分の心理を読むことだね。算術をする前に。

考え方次第でいかようにもなるのが、ゴルフなの。

ショットとショットは常に握手し合っている。
うまくいく時はね、そうなる。
駄目な時はショット同士でそっぽを向く(つながらない)

(一打目を会心のショット、二打目もナイスオン、で3パットで悔しいボギーの人と、一打目チョロ、二打目なんとか、スリーオン、2パットでナイスボギーの人。数字は同じ。気持ちはどうか。一打目チョロでも、気持ちを切り替えて頑張れば報われることもある、ってことだな。禎)

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176【ナイスショットの後始末】

朝一番のティーショットでナイスショットをする。
アマチュアはそれまでの緊張感が安堵感に変わり
「やれやれ、ひと安心」という気分になる。
実はこれが怖い。
気が弛むばかりじゃなしに、自分を過大評価しちまう嫌いがあるんだ。
「いい気」になっちまう。

「夢よもう一度」こればかり念じ続けて、結果はミスの山。
問題はどこでどうやって「我に帰る」か、なんだ。

自分にナイスショットを強いるようなことはしない方がいいんだ。
誰だって好いショットをしたいと思うのは当たり前。
分かり切っていることは考えなくていい。

「よしよし、ここまで飛びましたか」
そこで気持ちを改めて
「さてここからどう攻めてやるか」
という具合にひと息入れれば、狙う先が見えてくる。

ゴルフで一番やっかいなのは
ショットのコントロールより

気持ちのコントロールなんだ。

ベン・ホーガンの『緊張感の持続力』には舌を巻いたね。
好いショットをしても悪いショットをしても、顔色ひとつ変えず、
次の一打に精神集中するんだ

私は少し興奮している時のほうが好いプレーができる。
大切なことは緊張をコントロールして、
それを有効に利用することである。
by ベン・ホーガン
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186【心技両面のリズム】

リズムはゆとり、ゆとりは自信が生む。

たえずひとつのことを自分に言い聞かせておくこと。
技術的なことと精神的なことをひとつずつ。

技:バックスイングをしっかりとるようにしよう
精:どんな場面でも慌てないようにしよう

「今日のお前さんは好調なプレーを続けているけど、このケースはどうするね?」とゴルフの神様がそう言って試すわけよ。「ここを乗り切ればホンモノだぞ」とね。

ショットを試されているんじゃない。気持ちを試されている。

心技ひとつずつでいい。自分で守り通すテーマを持ってプレーする。それがスイングのリズムになり、気持ちのリズムにもなる。

プロのトーナメントも、以上のような視点で勝った選手、負けた選手の「リズム」を見ると、きっと参考になると思うね。リズムは気持ちが狂わすんだ。

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213【大叩きの予防策】

大叩きはね、裏を返せば自信過剰が生んだ産物だね。

ミスは誰にでもあること。ゴルフにミスはつきものだから仕方がない。問題は事後処理なんだ。アマチュアは、すべてのショットが良い当たりになるものだと決めてかかっているフシがある。『こんななハズじゃない』と自分の実力を買いかぶっている。トラブルに直面した時ほど、平常心を失いやすいものである。
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