
こんなメールをまず電通でお世話になった人たちへ送りました。
———————————-
さよなら電通 ありがとう電通
ご報告
前略 ●●●●さま
私、中村禎は、電通を去る決心をしました。
3月末日付けで早期退職いたします。
定年まであと1年半ほどありますが、
受け身で退社するのではなく、
自分の意志で、助走をつけて独立しようと考えたからです。
「電通」の看板を下ろし、「中村禎」の看板で生きていきます。
このまま会社にいても、ただ甘えただけの自分からは
脱皮できないと思い至りました。
電通から引き継ぐ仕事はなく、まっさらな状態です。
また何かお手伝いできることがあれば喜んで飛んで行きます。
初心に戻って仕事に取り組みたいと思います。
メールでごあいさつするのは失礼かとは思いましたが
『新しいケータイ番号』や、『新しいメールアドレス』があるので
メールのほうがコピペしやすくていいかなと。
アドレス帳などの変更していただけるとうれしいです。
いろいろお世話になりました。心からありがとうございました。
でも、これでお別れではなく、
これからのほうが、もっともっとお世話になりたいと思っています。
不安だらけの独立ですが、「できるか、できないか」ではなく
「やるのか、やらないのか」なんだと考えるようになって
吹っ切れました。やるしかないんですよね、もうこうなったら。
高品質、低姿勢、安心価格でご奉仕する、
日本一正直なコピーライターとして。
コピーライター/クリエーティブ・ディレクター 中村 禎
———————————-
退職のメールはいままで何度かいただくことがありました。その時、ちょっと淋しく思うことがありました。それは、「今日で辞めます」という日に、会社のアドレスから一斉メールで送られてくることでした。そのメールアドレスはもう翌日からは使えないじゃないの。返信ができないじゃないの。
それとやはり、デジタルの冷たさを感じていました。印刷された文字だけの年賀状より、なんかひと言手書きの文字がある年賀状のほうが好きなボクとしては、一斉メールに人肌を感じなかった。だから、本来なら手書きの文字のお手紙を皆様へ、がいいのでしょうが、今回の自分の場合は、「新しいケータイ番号」や「新しいメールアドレス」を知らせたいので、それをコピペしやすいように、メールの方がいいと思ったのです。それを、一人ずつに出す。その人との思い出を一言添えて出す。そうすることで、「その人に送った」ことが自分の記憶に残るからです。途中入社で電通に入って、お会いした順番に思い出してメールを送りました。
で、今回。驚いたことがありました。デジタルだろうが、手書きのアナログだろうが、そんなことはどーでもいいんだということ。大事なのは、その人とその人が対話をすることなんだと気づかされたのです。よく「メールで失礼いたします」とありますが、そんなことはないんです。ちゃんと対話ができれば、デジタルだろうがアナログだろうが、そんなことは関係ないのです。
それを思い知ったのは、みんなからの心温まる「返信」でした。長文もあれば、とにかくびっくりした!という声があったり、何と返信していいか悩んで悩んで時間が経ってからの返信があったり。うれしくて泣きそうになりました。(実はその返信のテキストデータをコピペして.docxで保存して、名前の部分をブルーにして大きくしてプリントアウトしちゃいました。325人が返信をくれて、A4で厚さ1cm以上になりました。それくらいのプリントアウトは許してもらえますよね、電通さん!)
デジタルは冷たい、アナログは温かい、という先入観は捨てました。デジタルだろうとアナログだろうと、それは単なる道具の話で、大事なのはその「中身」なんだと気づかされました。
これからはフリーエージェントとして生きていきます。まだまだ気づかないことがいっぱいだと思います。でも1日1日成長できるよう、怠けないで生きていこうと思います。