心折れかけていたボクを励ましてくれた相棒。後ろはアルゼンチン戦直前のトゥールーズスタジアム。
もうフランスへ行くの、やめようかと真剣に考えた。
日本の試合が見られないのに行ってどーするよ?
「フランスに行くんだ」と言いふらした会社。
「あれ?フランス行ったんじゃなかったの?」と言われるんだろう。
会社をその期間休んで家でテレビを見てようか。
友人の河野くんから
「僕は行けないのでこのユニフォーム着て僕の分まで応援してきてください」
と託された「11番KAZUの代表ユニフォーム」どーするよ?
しかし、1試合だけブラジルvsモロッコ戦のチケットはある。
ネットで知り合った岡山の人から買ったチケットだ。
でもなぁ・・・日本戦が見られないのに行ってもなぁ・・・。
そんな弱気になっていたボクを相棒の佐倉が励ましてくれた。
「禎さん、行きましょうよ。ブラジル戦は見られるんだから、
ブラジルの試合を見にフランスの田舎町を旅するって思えばいいじゃないスか。
日本戦はフランスのどこかの町のテレビで見ればいいじゃないスか」
そうか。現地で見るはずだった日本の試合を
日本に残って夜中のテレビで見るのは悲しすぎる。
昼間の試合をその昼に見ないでどーする!
スタジアムに入れなくても、スタジアムの近くのBARのテレビで見る方がいい。
日本の深夜に家のテレビで見るよりずっといい、はずだ。と考え直した。
よし、行こう。再び、フランスへ行く覚悟を決めた。
近畿日本ツーリストに申し込んだほとんどの人がキャンセルをしたらしい。
出発の日、成田空港には、その何十人かのツアー客のうち、
覚悟を決めたたった9人のサッカーバカたちが集まった。
ボクたちはもう、吹っ切れていた。
ワールドカップのブラジル戦を見るためにフランスの田舎をめぐる旅。
フランスワールドカップの日本戦を
フランスのどこかの町(のテレビ)で応援する旅。
向こうに行ったらチケットはなんとかなるだろう。
(実はこの「なんとかなるだろう」には若干の確信があったのですが)
こうしてボクと佐倉はフランス98へと旅立った。
フランスW杯なのに、なぜかイベリア航空でバルセロナへ向かって。
フランス98の記憶①開幕戦の夜
フランス98の記憶②出発直前
フランス98の記憶③長い一日
フランス98の記憶④最初の試合
フランス98の記憶⑤バスの一日
フランス98の記憶⑥ブラジウ(前半)
フランス98の記憶⑦ブラジウ(後半)
フランス98の記憶⑧クロアチア戦
フランス98の記憶⑨旅の終わり
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