犬の攻撃性は後天的なもの・ピットブル(ロキシー)⑥


シーザー・ミランの愛犬レスキュー2

CESAR TO THE RESCUE

ナショナルジオグラフィックTVの ザ・カリスマドッグトレーナー、シーザー・ミランの『愛犬レスキュー2』という番組。その言葉をメモしていきます。ビデオを見るだけでなく、読んで覚える。いつか犬と暮らす日のために。

(いままで5回、番組をメモしてきました。読み返してみると重複している内容が多い。犬をしつけるということは、飼い主をしつけるということ、なんですね。何度も読んで身体に覚えこませるために、コツコツ続けます)
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今日の相談は、ピットブルのロキシー(メス)。飼い主家族の前ではおとなしいのに、一歩外へ出ると、超攻撃的。他の犬を見れば襲いかかろうとする。1.5mのフェンスも飛び越えて外に出ようとする。近所のラブラドールを襲って血まみれにしたこともある。このままでは殺処分も考えなければいけないほど。そのロキシーにシーザー・ミランが会いにいきます。

・ロキシー(ピットブル・メス)
・ナタリー(飼い主の女性)
・シーザー(先生)


闘牛みたいだ。まず首輪の位置を変えましょう。
(一般的な首輪の位置だった)
これではコントロールできません。必死に掴んでいるだけです。
力のある犬なので、首輪はあごのすぐ下につけます。
首の下部につけると犬に力負けしてしまいます。

シーザーがそのリードを持って街を歩く。
他の犬を警戒し始めたら
「Shuitt!」「Hey!」と短く鋭く声を発し、
短く持った、首の下部につけたリードをサッと引き上げる。
シーザー得意のバックサイド・ヒールキックも(犬の下腹部へ)。

(犬を左に置いたこの状態で、シーザーは右足のかかとで犬の右腹をツンとタップします。後ろ回し蹴りです。バックサイド・ヒールキック。犬は不意を突かれ興奮状態から我に帰るのです)

よくない状況です。にらみ合っているでしょう。目つきが鋭すぎます。
「やるのか?」とケンカを売っています。もはや中毒になっているんです。
襲うことに快感を覚えていて「早くアイツを殺したい」と思っています。

足でタップして注意しました。
気を紛らすためですが、ロキシーは執着したままレッドゾーンです。いつでも襲いかかる。

時間をかけて適切な解決法を探りましょう。
ただナタリー
(飼い主の奥さん)のように、怯えた飼い主は、
レッドゾーンの犬には非理想的です。

犬の攻撃性は後天的なものです。
ここまで攻撃的だと、この近所で飼うのは危険です。
ドッグ・サイコロジー・センター(シーザーの施設)でのリハビリが必要ですね。

飼い主は犬が興奮しているだけだと思っている。それは違う。
それを「性格」と呼べば犬を混乱させます。
犬の興奮状態を飼い主が喜べば、攻撃性は治りません。

別の発散方法を教えるんです。そうしないと、興奮したままでは危険です。
浴びるように犬の群れと接することで、飼い主の自信が増します。
他の犬がいても散歩できると思えるように。

(シーザーは以前、「飼い主の不安・怯えはリードを通して犬に伝わる」と言っていた。飼い主が不安だと、犬は自分がリーダーだと錯覚する。自分が飼い主を守らなければと錯覚して凶暴になることがある。飼い主がリーダーとしていれば、犬の安心して穏やかになる、と言っていた。やはり問題は飼い主にあるんだな。禎)

群れに混じって散歩しましょう。
(シーザーの犬たちと数頭でドッグ・サイコロジー・センターの中を散歩)
攻撃性はなく、不安そうです。

ナタリーひとりが呼ばれる。見るからに不安そう。

リラックスして。あなたが群れの中心です。
リードは短めに持って。緩めに。これが散歩です。
リードは念のために持つのです。自転車の補助輪と一緒。

今度は夫婦二人でリードを持たせる。
二人の気持ちが同調していないから犬に落ち着きがない。
犬が不安になるだけなので、犬を見ないで。
飼い主の不安や緊張は犬に移るんです。犬を見ると犬の攻撃性を助長させます。
頭をあげてリラックスして。人間次第で犬は変われるのです。

飼い主から離れて、シーザーの犬たちの群れにどう反応するかを見ます。
攻撃性があるので慎重に。(庭の中でリードを離す。大型犬のいる庭)
ロキシーは、興味津々で、環境の変化に集中している。
でも明らかに落ち着きがない。

「Shuitt!」と近づくとロキシーは座った。
その前にロキシーが見せた一瞬の仕草をシーザーは見ていた。


今、この
(庭にいた)ラブラドールに近づきながら前足を挙げましたね。
二つの可能性があります。
警戒心を抱いているか、攻撃する構えか。
だから、「Shuitt!」と近づいて座らせました。

なんとか穏やかで従順ですが、不安も抱えています。
シーザーが近づいて、「Shuitt!」と少し注意すると、後ずさりして伏せの状態に。

「僕を尊重している証拠です」お腹を見せてゴロンと横になった。
「これは光栄ですね。他の犬の前で腹を見せました。
戦意はない、という合図です。

この犬は生まれ変われます。
ただそのためにはナタリー(飼い主)のリハビリが必要です。

ナタリーとロキシーを会わせる。
こっちに来てもらいますが、触らず・話さず・目を見ないで。
No Touch. No Talk. No Eye Contact.
ナタリーは不安を抱えすぎです。このままだと犬は危険なままです。
「その手は癖ですか?」
(ナタリーはいつも不安そうに両手の指を体の前で組む癖があった)
そのポーズは犬に不安を与えるだけです。止めましょう。
さ、群れの中心に来て、できる限り穏やかに、自信を持って。
そしてリードを手に歩きます。

(そういえば、乗馬をするときも手綱から馬はその乗り手の力量を測っていると聞いたことがある。こいつは素人だ、こいつは慣れている、が手綱からわかる、と。それと一緒なんだろうな。禎)

犬のそばでは後ろに下がらないで。前に進めば犬はどきます。
前に進めば犬は人を尊重します。下がったら負け。

人が、触らず、話さず、目を見なければ、犬は穏やかになる。
あなたの態度次第なんです。

(ロキシーが久しぶりに会う飼い主に飛びつこうとするが)
そのまま進んで前へ前へと出ましょう。前へ、前へ。
ほら、犬はどきました。リードを短く持って、ためらわないで、自信を持って。

まだロキシーは興奮しています。あなたが犬を導くんです。
もう少し強く、強く踏み出して、堂々と歩きましょう。
犬に遅れを取らないように自分をリハビリしないと。

「飼いたいのに犬が問題を起こす」→「あなたに問題があるからです」

適切なエネルギーを身につけましょう。
人の不安や緊張が犬に移り、伝染する。
あなたが子どもの手本となり、穏やかで毅然としないといけません。

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(ピットブルは凶暴な犬だというイメージがあった。多くの人もそう思っている。でもシーザーはそれは誤解だという。『犬の攻撃性は後天的なものです』と言っている。飼い主が怖がっていて、毅然として接していないから、犬は自分がリーダーだと思ってしまう。それはピットブルに限らずどんな犬でもそうなる、という。犬が悪いんじゃない。悪いのは知識のない飼い主の方なんだ、とシーザーはやさしく教えてくれています。禎)
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『犬と暮らす日まで』シリーズ
人生は犬で決まる
100人に抱かれろ・・・仔犬の社会化
噛むように触る・ジャーマンシェパード(モジョ)①
緊張は犬に伝わる・グレーハウンド(アミーゴ)②
飼い主の責任・ジャックラッセル雑種(マンボ)③
リーダーがすべてを決める・ラブラドール(ジェット)④
危険な犬種という誤解・スタッフィ(ロージー)⑤
犬の攻撃性は後天的なもの・ピットブル(ロキシー)⑥


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