「2000年頃のキャノンデールは塗装がきれいなんですよね」オーバーホールを担当してくれたY’S(ワイズ)ロード新宿店のMさんは言った。キャノンデールの代名詞でもあった『HANDMADE IN USA』が、2010年頃からアジアで生産するようになり、その表示ができなくなったらしい。塗装の方式も変ったのかもしれない。
友人から新車同然で譲り受け、いろいろ手をかけて室内保管していたけど、今の家に引越して来てからずっと外に置いていた。しかもほとんど乗らなくなり、タイヤは前後輪ぺしゃんこ、サドルも埃まみれ、あちこち錆が出始めていた。あまりにも可哀想で、ほったらかしていた自分が恥ずかしくなり、もう一度手入れをしようと決意したのだった。
Y2KモデルのキャノンデールF900。チェーン交換、ブレーキワイヤー交換、シフトワイヤー交換、グリップ交換、サイクルコンピュータ取り付け。タイヤとペダルは自分で交換していたので、セット料金じゃなく安い方でやってくれた。ありがとうございます。
「すごくきれいに乗ってらっしゃるので、これからも大事に乗ってあげてくださいね」
クルマやオートバイを、下取りなんかに出そうとすると急にエンジンの吹け上がりが良くなったように感じることがある。「まだ全然走れるぜ。捨てないでくれよだぜ」と言ってるような気がするくらい調子が良くなったように感じることがある。それと同じように、自転車も「機械」なんだから「感情」なんて無いはずなんだけど、大事に扱えばそれに応えてくれるし、雑に扱えば機嫌が悪くなるような気がする。
オイルを吹いてもらった新しいチェーン。新品のブレーキワイヤー。新品のミシュランタイヤ。やや緊張しながら漕ぎ出した。なんか初心者に戻ったような変なカンジ。夕方の交通量の多い新宿青梅街道は、ちょっと緊張した。久々に2輪で走る。やっぱ2輪の風は気持ちいいわ。