コピーライターの未来は・・・

ロベカル(この写真は超攻撃的サイドバック、レアルマドリー時代のロベルト・カルロス選手です)

レイ・イナモトさんの話にいろいろ刺激を受けました。「広告の未来は、広告ではない」クリエーティブの階級制、職業名を取っ払ったほうがいい」「アートディレクターとコピーライターが一緒になって広告を作り出す手法は通用しないんじゃないか」「ART×CopyからART×Codeへ」と、これらの言葉だけ見ると、なんだ、もうコピーライター養成講座なんて意味ないじゃないかと思う人がいるかもしれませんね。でもレイさんは、コピーライターが不要だと言っているのではなく、コピーライターの役割が変わって来ていると言っているのだと思います。「コピーライターの未来は、コピーライターではない」と言えるのかもしれません。

例えば、コピーライターが昔のサッカーでいうディフェンダー(とくにサイドバック)だとします。昔はただ攻められたらボールを遠くにクリアするだけでよかった。(ボクの中学高校時代はそうでした)ところが現代フットボールのサイドバックは、サイドを駆け上がり攻撃の起点にならないといけない。相手のペナルティエリアまで入ってシュートも打つ。そう、長友や内田です。その昔、ロベルト・カルロスという名サイドバックがいました。超攻撃的サイドバック。コピーライターにだって昔からそういうタイプのコピーライターはいましたよね。

コピーライター養成講座は、ただ「コピーの書き方」を教えるのではなく、「伝える、とは?」を学ぶ場所だと思っています。ボクが担当する専門コース中村組ではそうしているつもりです。いま、池上彰さんの「伝える力」という本を読んでいますが、コピーライターにとってものすごく大事な、役に立つ話ばっかりです。コピーライターの教科書にしてもいいと思うくらい。最近の学生さんは「コピーライターなんて古いよ。これからはコミュニケーション・デザイナーだぜ」という人が多いそうです。どうぞどうぞ。コミュニケーション・デザイナー養成講座に行けばいいと思います。

「コピーライターなんてカンタンになれる。名刺にコピーライターと刷ればいいんだから」これは、ボクの師匠の仲畑さんの言葉です。コピーライターやコミュニケーション・デザイナーなどカンタンになれる。名刺に刷ればいいんだから。そういう意味で肩書きには意味がないのだと思います。大事なのは、その人が優秀かどうか。いい人かどうか。柔軟かどうか。伝えるということをわかっているかどうか。

その「伝える」ということ、「言葉を使って伝える」ということを、練習、経験するためにコピーライター養成講座には意味があると思っています。ボクは「伝える」ことに関してのプロでありたい。その軸足としてボクはコピーライターという職業を通じて経験を積んできたということ。「ほぼ日刊イトイ新聞」というすばらしく革新的なメディアを作っている糸井さんも、「ボクはコピーライターです。頼まれもしないのに毎日コピーを書いています」とおっしゃっていた。(東京コピーライターズクラブのコピー殿堂入りのスピーチで)コピーライターの走る範囲はどんどん広がっているのだと思います。インテルの長友のように走らなくてはいけないのです。


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