名前の天才⑥瓶覗(かめのぞき)

瓶覗

名前の天才⑥

「瓶覗」

日本の伝統色に、「瓶覗(かめのぞき)」という名前があります。水色をもっと淡~くした色。藍染めの一番薄い色なんだそうです。藍染めは布や糸を何度も瓶(かめ)に漬けてはとりだし、何度もそれを繰り返してだんだん濃い青に染めていく。その瓶(かめ)をちょっとくぐらせただけの、「ちょっと覗いてみました」程度の色ということでしょう。藍染め界の「しゃぶしゃぶ」みたいなモノ、いや「しゃぶ」一回ですね。ちっとも有名な名前ではないけれど、そんなに淡い水色に「瓶覗」なんてユーモラスなネーミングをするセンス。昔の日本人のシャレもなかなかのもんです。この「瓶覗」の色の浴衣なんかを着た人が、通りを歩いていた頃の日本の夏は、きっと今より涼しかったんだろうなあ。(コピーライター)

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もう10年以上前になるでしょうか。毎日新聞に「名前の天才」という小さなコラムを書かせていただいていました。その当時の原稿がでてきたので、これも「書いたコピー」として記録に残しておこうと思います。その6本目です。以前、家庭画報に毎月「季節の色」について書く機会がありまして、そのとき読んだ「日本の伝統色」という本で一番憶えていた名前でした。余談ですが、この「日本の伝統色」にはほんとうにいろんな色の名前があって、今はもうそんな名前で呼ぶ人はいないんだろうけど、その色はある(ない色もあるのかな)その名前でその色をみんなが呼んでいたと思うと、日本って豊かだったんだなあと思います。

名前の天才①ニューライン
名前の天才②しりあがり寿
名前の天才③ポリ100
名前の天才④都忘れ
名前の天才⑤俺の考え
名前の天才⑥瓶覗


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