独立記念日

独立ノート
独立を考え始めて、最初にとった行動は、ノートを作ることでした。1冊のノートに独立のためのあれやこれやを書いていこうと思って。何も書かない日もありました。しばらく放ったらかしの時もありました。ある日、これじゃイカンと締切を作ることにしました。期限がないとズルズルするだけです。自分を律するために最初のページに決意表明するのです。それがこれ。2016年8月3日に独立する。なぜ8月3日かというと、中村禎がコピーライターになった記念日だから。1981年8月3日にサン・アドに初出社し、コピーライター中村禎の名刺をいただいた日です。

「ジャングルの中のフェラーリ」というのは、ある雑誌を見ていて心に残っていた言葉です。パソコンが出始めて、まだ「パソコン通信」という言葉があった頃の言葉。「インターネットにつながれていないパソコンは、ジャングルの中のフェラーリのようなものだ」と書いてあったのです。フェラーリはサーキットのような道を走って初めてその価値がわかるもの。どんなに高性能でもエンジンを高回転で回して走らなければただの粗大ごみ。お前もそうなのか?そうじゃないはずだろ?と自分のケツを叩く言葉です。言葉は不思議なもの。書いてみただけで、だんだんそんな気になるのです。電通を退職したのは3月31日付ですが、ボクにとっての独立記念日は、今日です。2016年8月3日、コピーライター中村禎、35周年。初心に戻る日です。

独立ノート02
(偶然にも、このノートを書き始めた日が、2013年8月3日とありました。やはり、僕にとって大事な日です)

なぜか8月3日


独立を考え始めて、最初にとった行動は、ノートを作ることでした。1冊のノートに独立のためのあれやこれやを書いていこうと思って。何も書かない日もありました。しばらく放ったらかしの時もありました。ある日、これじゃイカンと締切を作ることにしました。期限がないとズルズルするだけです。自分を律するために最初のページに決意表明するのです。それがこれ。2016年8月3日に独立する。なぜ8月3日かというと、中村禎がコピーライターになった記念日だから。1981年8月3日にサン・アドに初出社し、コピーライター中村禎の名刺をいただいた日です。
「ジャングルの中のフェラーリ」というのは、ある雑誌を見ていて心に残っていた言葉です。パソコンが出始めて、まだ「パソコン通信」という言葉があった頃の言葉。「インターネットにつながれていないパソコンは、ジャングルの中のフェラーリのようなものだ」と書いてあったのです。フェラーリはサーキットのような道を走って初めてその価値がわかるもの。どんなに高性能でもエンジンを高回転で回して走らなければただの粗大ごみ。お前もそうなのか?そうじゃないはずだろ?と自分のケツを叩く言葉です。言葉は不思議なもの。書いてみただけで、だんだんそんな気になるのです。2016年8月3日、コピーライター中村禎、35周年。初心に戻る日です。
(偶然にも、このノートを書き始めた日が、2013年8月3日とありました。やはり、僕にとって大事な日です)

インクの染み込み方

白土さん原稿用紙

電通でお世話になった先輩と飲んだ。独立のお祝いに、と作家が愛用する原稿用紙をいただいた。「万年筆のインクの染み込み具合がすごくいいのよ」と原稿用紙をいただいた。書いてみた。本当だった。字は毎日書いている。正しく言うと、打っている。打っているけど書いてはいなかった。紙にインクが染み込む感触なんて、どれくらい久しぶりだろう。万年筆は使っているけど、こんな染み込み方は味わったことがない。ありがとうございました。

ボクは電通で、こういう先輩たちに恵まれてきた。ありがたいことです。今度は後輩たちに、この有難さをパスしていかねばと思った。

自分のカラダが、本社ビル。

 

フラットアイアンビル(モノクロ) ニューヨーク5番街にあるフラットアイアンビル(1902年竣工)昔、仲畑さんの事務所にこのビルの写真が飾ってあって、ずっと気になっていたビル。まだ本物は見たことがありません。このビルの角の部屋からはエンパイアステートビルが見えるようです。

フリーエージェントになって、次の打合せの場所に移動している時、会社員だった頃の自分とは何かが違うぞ、と思ったことがありました。それは「孤独」とかではなく、むしろ楽しい気分で歩いている自分がいる。そうか、今歩いているこの自分が会社なんだ。自分自身が会社なんだ。自分のカラダが本社ビルで、今、ビルごと移動しているのだ、と感じたのです。そうか、いま歩いている自分のこの身体が本社なんだ。

そう思うと、フリーエージェント中村禎の本社ビルですから、背筋もシャキッとするし、お腹も凹ませて歩くし、眉間にシワもなく、穏やかな表情で口角を上げて颯爽と歩きます。身だしなみにも気を配ります。薄汚れた本社ビルでは仕事の依頼も来ないかもしれないし。ビルメンテナンス、大事です。本社ビルが老朽化でしばらく工事中、なんてシャレになりません。上下水道、電気、WiFi環境、空調、防犯、耐震性(?)ビルの健康問題にも細心の注意を払う必要があります。

考えてみれば、スポーツ選手も同じかもしれません。たとえばインテル・ミラノの長友佑都選手。インテルというチームに所属して「給料」をもらっている「会社員」と言えなくもないけど、ある意味「個人事業主」です。自分の身体の手入れを怠らず、常にトレーニングや練習で自分を鍛えてその身体の性能を上げる努力をしている。試合に出られなければ「会社」を「クビ」になる。インテル長友選手も「長友佑都」という本社ビルの性能に磨きをかけているのです。見習わねば。自分のカラダが、本社ビルだから。

豚もおだてりゃ・・・

シャーペン長年愛用しているモンブランの0.92mm、2Bのシャープペンシル。亡くすと困るので、予備にもう一本持っています。

【うれしくて自慢話なんですが】とあるクライアントにプレゼンしたコピーが、プレゼンのその場ですごく褒められたんです! なんか、ものすごく久しぶりに、すっごくうれしかった。新人コピーライターが初めて褒められたみたいにうれしかった。しかも、そのコピーの一部分の「語尾」について質問してくださって、「なぜ、そうしたんですか?」と質問されて。ご説明すると、その「語尾にやられましたw」とおっしゃる。そんな細かいところにまで、気を留めて読んでくださったことが、うれしかった。と同時に、やっぱりディテールに魂が宿るんだなぁと、改めて初心に戻ることができました。

ボクも、コピーライター養成講座で、もっと褒めないとイカンなぁと思ったのでした。だって、こんなにやる気が出るんだもの。褒めてくれた人のためならなんでもやりますっ!って気持ちになるのです。コピーライターなんて単純なんです。ボクだけかもしれないけれど。

これほどまでにうれしかったのは、自分がフリーエージェント・コピーライターとして書いたコピーだったからなのかもしれません。だから、新人コピーライターが褒められたようにうれしかったのかもしれません。

自覚・責任・シュレッダー

シュレッダー シュレッダーだけの写真ではなんとも味気ないので、花を添えてみました。アップルのシュレッダー、ではありません。

シュレッダーを買うとは思ってもいませんでした。フリーエージェントとなって、まだ事務所は構えず、自宅と外のあちこちで仕事を始めたものの、紙の資料は増えていきます。不要なものは処分していかなきゃいけないけれど、一般の家庭ゴミで出すわけにはいきません。先日、家の近所で某広告代理店の手提げ袋にいろんなものを詰めて、ゴミ置場に出されているのを見かけました。ま、そこの社員ではなく、手提げ袋をもらったクライアントなのかもしれません。でも、こういう黒子の仕事をしている以上、ゴミも黒子であるべきかなと思います。

安いシュレッダーなので想像以上の大きな音がします。紙も数枚ずつしか入りません。ホッチキスの針も外します。オーバーヒートするので、2分以上続けての使用もできません。でも、ひとつひとつの仕事を丁寧にこなしていくように、廃棄する書類も丁寧に裁断していきます。こんな家庭用のシュレッダーですが、購入したことでフリーエージェントとしての自覚と責任を噛みしめております。(予告:今週もう一台、新兵器を導入する予定です。また自慢します)

プロとしての準備

長野パルセイロ

あるスポーツニュース番組の特集を見た。元日本代表のサッカー解説者、都並敏史氏が、J3・AC長野パルセイロに所属する息子のもとを訪れた様子だった。都並優太選手は24歳。U16日本代表に選ばれた経験を持つものの、今シーズンは監督が変わり、出番なし。引退平均年齢25歳と言われるサッカー選手、崖っぷちだ。レギュラーポジションを取るための練習や、監督へのアピール、体調管理、メンタルの管理など、全て自己責任でやらなければいけない。チームからいつ解雇されるかわからない不安。今シーズンは良くても来年はわからないスポーツ選手の厳しい現実。親が元日本代表だからといってレギュラーポジションが保証されるような甘い世界ではない。親の七光りだけでコネ入社が許される一般企業とはわけが違う。

フリーエージェント・コピーライターを生業とする自分の姿と重なって見えた。年齢も環境も違うけど、「今シーズンは良くても来年はわからない」という点はサッカー選手と同じだ。身が引き締まる思いがした。

インテルミラノで出番を失っていた長友佑都選手は、監督にアピールするべく常に120%で練習にのぞみ、徹底した食事管理と体幹トレーニングで90分闘える身体を作っている。Jリーグ最年長で挑み続ける三浦知良選手は、毎年シーズン前にハードな自主トレ合宿で身体を作っている。選手としての心と身体の準備。プロフェッショナルとして見習うべき点がたくさんある。甘えてんじゃねぇぞ、中村禎。

フリーエージェントと電話

iPhoneBRASIL03iPhoneBRASIL04 【2014年ブラジルW杯仕様】これなら盗られないだろうと思い、ブラジル仕様のつもりでカモフラージュiPhoneケースを作って持って行って向こうで使っていて、妙に手に馴染んでしまいました。ブラジルで共に戦ってきたこの汚らしいiPhoneケース。現在このケースは使っていませんが。

尊敬するコピーライターの大先輩、西村佳也さんから、サン・アドを辞めてフリーになった当時のお話を伺ったことがあります。まだ机もないワンルームの事務所の床に、ポツンと電話機が一台。その前に座って、その電話が鳴るのをひたすら待つ日が続いたんだよ、とおっしゃっていました。留守番電話もない、FAXもない時代。その電話に出ることが、唯一仕事の窓口だったのです。

コード付きのダイヤル電話、留守番電話、FAX、プッシュホン、ワイヤレス電話、ポケベル、ケータイ電話、電子メール、ケータイメール、インターネット、データ通信、iPhone、WiFi、MacBook、Facebookメッセージ、チャット、FaceTime 、LINE・・・。通信環境が変わってきて、仕事の進め方も変わってきました。でも、「電話で連絡する」ということについては、進歩してきたのでしょうか。

みんながケータイ電話を持つようになって、個人から個人へダイレクトに電話ができるようになりました。とはいうものの、いつでもすぐ電話に出られるとは限りません。

時々電車の中で、こんな人を見かけます。電話に出て、小声で「すいません、今電車なので、ハイ、後でかけ直します、ハイ、申し訳ございません(ヒソヒソ)」と。後でかけ直すんだから、出なきゃいいのにと思います。ケータイの場合、相手が出ない時は「いまは、出られない状況なんだ」と想像できるでし? 会社やオフィスに電話して、何回鳴らしても出ないなら「その会社は大丈夫か?」と信用を失いますが、個人の電話なのだから、相手が今どういう状況かはわかりません。電車の中、会議中、プレゼン中、トイレ中、お取り込み中・・・。

またケータイ電話の場合、いつもポケットに入っているとは限らず、バッグの中かもしれないし、ふつうバイブレーションにしているでしょうし。24時間電話を待っている消防署じゃないんだから、1分1秒を急ぐ必要があるでしょうか? 私たちの仕事は、消防署でも病院でも警察でもありません。仕事を急ぐのは、自分が早くその仕事を終わらせたいだけだったりしませんかね。

iPhoneには、電話に出られない時、iMessageを送る機能があります。私は「申し訳ありません。ただいま○○中ですので電話に出られません」「後でお電話いたします」というメッセージを送ることにしています。これは便利です。あなたの電話を無視しているわけじゃありませんよ!と言えます。

急いで相手と連絡を取りたい時、電話だけではなく、FacebookメッセージLINEでも送ったりします。相手が電話に出られない状況(例えば新幹線の移動中とか打合せ中とか)でも、届けることができます。文字の方が、落ち着いてスケジュールを確認して返事もできます。そういう時のSNSはとても便利です。

電話は、相手がどういう状況かが見えないので、「今、お電話、大丈夫ですか?」と確認したりしますが、相手が今、話せない状況なら、出なくていいんじゃないかと思います。というか、出てはいけないとさえ思います。あ、思い出しました。昔、こんなことがありました。
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電通時代、とあるCD(クリエイティブ・ディレクター)と仕事をしていた時の話です。そのCDは、たくさんのクライアント作業を抱えていて、外出先から戻ると、「待ってました!」とばかりに、いろんな営業部員が彼のうしろを金魚のフンみたいにくっついて歩いていました。みんなそのCDの判断を仰ぐためです。会議中も他の仕事の電話がじゃんじゃんかかってくる。ボクらの打合せ中、コピーを見てもらっている最中にも彼のケータイにかかってくる。あまりにも中断されるので、ボクは頭に来ました。ボクらは時間を調整してこの会議室に集っているのに、なんで他の仕事の電話に邪魔されないといけないんだ? と。ボクはガラス張りのその会議室を出て行きました。そして外からそのCDのケータイに電話したのです。

「で、●●●さん。そのコピーでいいですよね。よかったらボク、もう帰りますけど」

そのCDはすまなそうに、ガラスの向こうにいる中村禎を見つけてペコリ。そりゃそうでしょ。約束して会っている人より、勝手にかかってくる電話を優先するのっておかしいでしょ。
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結論】
◎相手が電話に出られないことを責めない
(世の中は自分中心に回っているわけじゃない)
◎会っている人より優先される電話はない
(会うのが一番、電話は二番)

忘れちゃいけないことは、「中村禎」への電話は、「中村禎」を必要としてくれて、電話をかけてくれているということ。だから、その時、電話に出られなくても、できるだけ早く、こちらから連絡を取る。フリーエージェントとして(フリーじゃなくても、ですが)は当たり前のことでしょう。そういう意味で、私の名刺の連絡先は、名前の次に①電話番号②メインのメールアドレス(iPhoneで送受信可能)③住所④WEBサイトという、連絡が早い順に表記しました。(⓪番目が名前です。Facebookで名前を検索してメッセージを送るのもクイックです)

新しい名刺ができました

新しい名刺
新しい名刺ができました。長年お世話になった電通を円満退社し、2016年4月より、フリーエージェント中村禎としてスタートする名刺です。二種類つくりました。ひとつは表「コピーライター」裏「copywriter」、そしてもうひとつは表は肩書きなし、裏「creative director/copywriter」。

代理店やクリエーティブ・ブティックのクリエーティブ・ディレクターから、コピーライターとしてのお仕事の依頼には、表「コピーライター」裏「copywriter」の名刺を。そして、広告に限定せず、幅広いお仕事でディレクションが求められるお仕事の時は、表は肩書きなし、裏「creative director/copywriter」の名刺を。この英文は、「コピーライター出身のクリエーティブ・ディレクターです」という出生証明でもあります。

その仕事によって、自分のポジションをはっきりさせたいという思いから、二種類にしてみました。「クリエーティブ・ディレクター」はいわばそのチームのキャプテンだと思います。そのチームに呼ばれたら、キャプテンは何人もいらない。この試合は「コピーライター」というポジション(例えば攻撃的左サイドバック*「コピーライターの未来は・・・」参照)で力を出します!という意思表示の名刺です。

仕事によっては「キャプテン的な動きも期待したい」と頼まれる仕事もあるでしょう。その時は、もう一つの「コピーライター出身のクリエーティブ・ディレクターです」という名刺を使う。

いずれはどちらか1タイプに収束すると思いますが、最初はちょっとこだわってみようと思いました。

デザインはHotchkissのアートディレクター水口克夫さん監修のもと、Hotchkiss若手のホープ、金子杏菜さんにつくっていただきました。いい人っぽい明朝体と、見やすい英文の書体が、とても気に入っています。ちなみに、名前の英文書体はパラティーノ、メールアドレスなどの方はオプティマ。どちらもドイツ人ヘルマン・ツァップ氏が作った書体で、ツァップさんは1mmのラインの中に文字が書けるという特技を持っていました。その特技のおかげで兵役を免れたそうなんです。(金子杏菜さんが教えてくれました) そして紙質は、柔らかすぎず硬すぎず、手触りにこだわってみました。もう、早くいろんな方にお渡ししたくてウズウズしています。

ローリングスタート

SENA-PINS
モータースポーツのレースには二つのスタート方式があります。F1のように予選順位のグリッドから一斉にスタートするスタンディングスタート。そしてもう一つは、インディカーレースのように、ペースカーに先導されて1ラップした後にホームストレート上に静止することなく、そのまま加速して走りながらスタートするローリングスタート

2016年4月1日、新・中村禎はローリングスタートします。走りながらスタートです。独立を決意した日からすでにエンジンに火は入っています。アイドリングしています。ブウォーンブウォーンと吹かしたりしています。なにぶん古いエンジンですので十分な暖機運転が必要です。タイヤも温めないといけません。フォーメーションラップを終えて、ペースカーが離れると、スロットル全開です。

とはいえ、長いレースになるので、マイペースでニコニコ走ります。目的は1位になることではなく、『あー面白かった』っていえるレースをしたいのです。新コピーライターを目指します。これからもよろしくお願い申し上げます。