儲かっている会社が…

サンショウウオ

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儲かっている会社が いい会社とはかぎらない。

1992年 さくら銀行 
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オオサンショウウオです。これは確か、本物を撮影しました。コピーは、ちょっと苦しいですかね。ボディコピーもオオサンショウウオの説明が多くなってる。この回のニュース(報告)は、大阪西支店に手話の窓口ができたことを伝えています。企業という生き物は役に立っているのか、という問題提起。ただ儲かっているだけじゃダメじゃん、ちゃんと役に立っているのか?と言いたかったのでしょう。この広告も役に立っているのか?

損得だけが人生か。

シーラカンス

 

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損得だけが人生か。

1992年 さくら銀行 
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シーラカンスです。これは剥製を撮影しました。コピーは、う〜む、なんでしょうね。企業のことを考えていたら、『企業は利潤を追求する・・・』という言葉が最初に浮かんでくるのですが、それだけじゃダメな時代に入りつつあるゾ・・・というなんとなくの実感、予感のようなものが確かにありました。それでこんなコピーに至ったのだと思います。34才の頃、そう思ったわけです。

自分のことだけ考えていると…

さくら銀行カブトガニ

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自分のことだけ考えていると、すぐ滅んでしまうのよ。

1992年 さくら銀行 
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カブトガニです。子どもの頃、川で見た記憶があります。今回の生きた化石シリーズのように、先に絵が決まっていてコピーを付けるのは難しい。絵とコピーの関係、距離感が難しいです。近すぎてもツマラナイし、離れ過ぎてると、なんのこっちゃ?となる。これはうまくいったほうじゃないでしょうか。「銀行」と「カブトガニ」だと難しいから、「企業」と「生き物」を同じ土俵で考えて、長く生きている生物からヒントはもらえないか?という視点で書きました。なんの脈略もなく『生きた化石の写真を撮りたい』というアートディレクターのお気楽な発言から、よくここまで出来たと思います。案外、理論建てて考えるより、突拍子もないものから組み合わせて発想してみるのもいいのかもしれません。これも「セレンディピティ」でしょうか。

「昔は良かった」なんて…

111014_日経_30d_5125×7865_浮世絵巻3

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「昔は良かった」なんて言わない。言わせない。

              日本橋再生計画

2011年 三井不動産
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みんないい表情してるんです。これは、200年ほど前の江戸時代、日本橋通りの町人文化を描いた「煕代勝覧(きだいしょうらん)」という絵巻物です。日本橋を渡る大勢の武士や町人たち。魚河岸に魚を運ぶ舟。日本橋川で遊ぶこどもの姿。いまも存在する店の暖簾や看板も見えます。そこには、活き活きとした人々の暮らしがありました。(ボディコピーより抜粋)

1964年の東京オリンピックの時に首都高速道路が日本橋川の上に架けられてしまった。そのため日本橋という日本の道路の起点でもある橋の上を高速道路が走ることになり、すっかり人目につきにくくなってしまいました。さらに、日本橋川に陽が当たらなくなった。川を抜ける風もなくなり、江戸時代から栄えてきた日本橋の空気が止まってしまったようになった。そこで、首都高速を地下に通す、という大改革まで視野に入れた日本橋の再生計画が進められているのです。

「昔の日本橋は良かった」とただ懐かしがるだけではなく、良いところは残しながら、蘇らせながら、新しい街をつくるんだぞ、という覚悟や心意気を表明したくてこんなコピーを書きました。

追伸:この「煕代勝覧」の複製絵巻は、東京メトロ「三越前」駅地下コンコース壁面にてご覧いただけます。ボディコピーは、ここでじっくり眺めて細かく描かれている様子から当時の町を思いながら書きました。

人間は弱いね

さくら銀行アンモナイト

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お金がないと生きて行けない。人間は弱いね。

1992年 さくら銀行 
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アンモナイトはお金がなくても生きて行ける。生きた化石が現代の人間に話しかけるシリーズです。オオサンショウウオ篇の「企業という生き物は、役に立っているのか」に続いて、「企業という生き物は、このままでいいのか」です。細かいとこまで気を配っていますね(自分でも忘れてましたw)

この新聞7dのシリーズの仕事で、ADの沢田耕一くんのこと尊敬しました。このレイアウト、いいでしょ?ボディコピーのブロックが白窓になっています。これは、沢田くんがボクのボディコピーを読んで「これ、いい話やから読みやすくしましょ。これ全部読んでもらいましょ」と言うのです。書体も新聞記事のように活字を使っています。文字数も一行を新聞記事の一段分と同じにしている。いいアートディレクターはちゃんとコピーを読んでくれます。コピーがダメだと書き直そうよとさえ言うアートディレクターもいました。最近、そんなアートディレクター少ないのかなぁ。

お金で買えないもの…

さくら銀行オオサンショウウオ

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お金で買えないもののほうが、大切だったりする。

1992年 さくら銀行 
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新聞7dのシリーズです。当時どの企業も話題にしていた、企業の社会貢献(フィランソロピー)についての原稿です。ADの沢田耕一くんがなぜか「生きた化石を撮影したい」と言い出しました。シーラカンスとかアンモナイトとか。これはオオサンショウウオです。生きた化石を使って企業の社会貢献か・・・。今だから言える話ですが、これは強引なこじつけでした。「企業」を生き物だとしたら、何年も生き続けられる種もあれば絶滅する種もある。「企業という生き物は、役に立っているのか」というコピーでつなぐことで成立させることができました。ADの沢田くんは、そこまで考えていたのかな?結果的にすごくいい話が書けたと思います。うっすら読める稚拙なボディコピーも、ヘタですがいいこと言ってます、と思います。ヘッドラインの「~だったりする」という言い回しは古いですね。20世紀のコピーです。もうしばらくしたらまた使えるようになるかも。

…損ですよ。

正直なニュース

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正直なニュース

普通預金に
お金を貯めすぎるのは、
損ですよ。

1992年 さくら銀行 
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このコピーにOKを出してくれたクライアントに感謝です。ダメで元々、のつもりで提案しました。「損ですよ」と言わせてくれました。考えてみれば、あたり前の話で、ボーナスを普通預金に入れたままにするより、定期預金や他の金融商品に預けた方がいいですよ、と言っているだけですからね。この場合は、下の小さな吹き出しで「やっぱりボーナスはスーパーMMCね」と言っています。

よくクライアントは「このコピーは他でも言える。もっとウチでしか言えないことを言ってくれ」と言いますが、ちょっと待ってくださいと言いたい。他社に勝る商品やサービスがあるなら、それを言うべきです。でも、銀行の商品にそんなに驚くほどの差はない。だとしたらどうするか。他社より先に新しいこと、鋭いことを言えばいい、とボクは思っています。「普通預金に貯めすぎると損だ」とは、どこの銀行も言っていない。どこも言っていないのは、もしかして隠しているのかもしれない、と思われているとしたら。それを言ってくれる銀行はなんて正直なんでしょう。一番最初に言うことで、他の銀行と差別化できます。他の銀行がくやしがる、やられたっ!と思うコピーを書けばいいと思ったのです。

この一連のシリーズとテレビCMのキャンペーンで、東京コピーライターズクラブの部門賞をいただくことができました。電通に移籍してなかなか馴染めず、調子を崩して落ち込んでいた自分にとって、とても励みになる賞でした。そのことは、受賞したコピー年鑑のコメントに現れています。それをコピーライターの児島令子さんも見つけてくれていました。ある日、児島さんも同じ境遇があったから気持ちはよくわかるよと言ってくれました。(93年ドラエモンのコピー年鑑です)

結婚祝いは出さない、という人が….

ニュース結婚祝い

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ニュース
(結婚祝いは出さない、という人が1人いた。)

1992年 さくら銀行 
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学生時代の友人の結婚式。みんないくらぐらい包んでいるんだろう?という数字を紹介しました。ま、2、3万なんですが、「出さない」人もいたというニュースです。下の女性(ジュリー・ドリフュスさん)は個人ローンの紹介しています。今考えると、随分のんきな時代だったんですね。たいしたニュースではないですね。インターネットがなかった時代ですので許してくださいw。バブルだったし。

銀行の商品はどこも似たり寄ったり。では何を広告で言うか。お金についてのアレコレのちょっとした「小ネタ」を紹介してくれる銀行があったら、ちょっとかわいいんじゃないか、と思ったんですね。銀行なんてどこも同じ。たまたま通勤の駅前にあったからその銀行に口座をつくる。もし駅前に2つの銀行があったら、好きな広告をやっている銀行にしてくれるんじゃないか。そう思ったのですね。

静かなニュース

さくら銀行50万円篇

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静かなニュース

1992年 さくら銀行 
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チッチッチッチッという秒針を刻む音。
画面に¥500,000という数字。
チッチッチッチッという音がつづき、
「ボンッ!」と手品のように1の位の数字が「0」から「1」へ変る。

日下武史さんのナレーションで
「・・・・時は、・・・・(BON!)・・・・金なり」
「ボーナスは、さくら銀行」

金利を計算して1円増えるのに何秒かかるか、
当時の定期預金の金利で計算して企画しました。

大人になるにもお金が…

ニュース教育費

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ニュース
(大人になるにもお金がかかる、という話)

1992年 さくら銀行 
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これ、B倍ポスターなんです。B倍のタテ。どこに貼るのか。全国に何百カ所とある「さくら銀行」の支店です。アートディレクター沢田耕一さんはさすがです。涼しい顔で「B倍タテ」で提案していました。

ポスターでは「ニュース」というタイトルでお金にまつわるアレコレを紹介しながら、いろんなサービスや商品を紹介しくシリーズにしました。これは当時調べた、子どもが大学を出るまでのいくらかかるのか、という数字です。下の女性(ジュリー・ドリフュスさん)が教育ローンの紹介しています。

(現在は3000万くらいかかりますって香川真司がリフティングしながら言ってますね)