だってブラジルなんだもの⑯シュハスコの夜

2014年6月21日

ナタルのホテル、 Vila do MARでの9泊目、最終日。サポ村ツアーが用意してくれた、ほぼ貸切状態の四つ星ホテルで過ごすラストの一日。初めてのブラジル宿泊地でのあれやこれやを記録として残しておきます。

瓶ビール●ブラジルの瓶ビール:ホテルのBARでビールを頼むと王冠部分を紙ナプキンで巻いて渡してくれる。こっちの瓶ビールはスクイーズボトルというのか、王冠を手でひねって開けるタイプ。小瓶だからかな。

ブラジル洗濯●ブラジルの洗濯:ナタルは雨が多かった。ブラジルでも北東部のナタルの6月は雨季らしいが、ここまで大雨が降ることは珍しいらしい。大雨で道路が陥没した場所もあったそうだ。だから、なかなか洗濯ができなかった。干しても何度も雨に降られて、そのたびにやり直し。しかしボクには知恵があった。以前、何かのテレビ番組で紹介していた「洗濯物が早く乾く干し方」 地面に水平に真っすぐ干すのではなく、斜めに逆三角形▼になるように干す。そうすることで、水分が一点に集中して落ちてくるので早く乾くのだ。

ナタルトイレ●ブラジルのトイレ:ブラジルではホテルに限らず公共のトイレも「紙を流してはいけない」というルールがある。ホースが付いていてその先から水鉄砲のように水を出してお尻を洗う。ハンディ・ウォシュレットだ。まあ、ウォシュレットという点では清潔なんだけど、その水圧が強いのでけっこうコツがいる。で、紙でふくのだが、その紙はトイレに流さずに備え付けのゴミ箱に。ひとり部屋ならいいんだけど、相部屋だとちょっと、ね。「ブラジルのトイレは紙を流せない」と聞いていたけど、それは下水処理能力が低いからじゃなくて、おしりを水鉄砲で洗って、紙の使用量をすくなくしようとするものだったのか。それを思うとTOTOにはまだまだビジネスチャンスがあるんだなぁと思う。

ナタルの海panorama 1.2MB●ブラジルの海:ナタルのVila do MARのビーチをパノラマで撮ってみた。最後の日、晴れてよかったね。(写真をクリックすると少し大きくなります)

初シュラスコ●ブラジルの料理:ブラジルに来て9日目、やっとブラジルらしい料理を食べることができた。シュラスコという肉料理。正しい発音は「シュハスコ」 という。ブラジルでは「R」の発音は「H」に、「L」の発音は「U」になる。「ロナウド(RONALD)」「ホナウド」になり、「ブラジルBRASIL「ブラズィウ」「ナタルNATAL「ナタウ」と発音するのが正しい。なんとなくそのほうがブラジルっぽいでしょ。ナタウでは有名なシュハスコ屋さんに行ったのだが、店が暗かったせいもあってか、なぜか肉の写真を撮っていなかった。失敗したぁ。そのかわり、店でボサノヴァを弾き語りしてくれていた兄ちゃんを撮った。ブラズィウで聞いたライブのイパネマの娘。有名な歌手じゃないんだろうけど、やっぱり現地で聴くポルトガル語のボサノヴァには感動した。そりゃそうだわな、だってブラジルなんだもの。(つづく)

♪ちなみに、BossaはWAVEでNovaはNEWの意味だと昔聞いたことがある。『Bossa Nova』つまりニューウェーブの音楽ということが最初だったらしい。

BRASILメモ旅程1やっと前半終了です

さよなら105号室さよなら105号室

だってブラジルなんだもの⑮リ〜コ〜ス♪

晴れたスタジアム晴れたレシフェ、アレーナ・ペルナンブーコ

2014年6月20日

今日はイタリアvsコスタリカ戦。日本戦の日とは違ってワールドカップを楽しむ一日だ。純粋に「サッカー」を楽しめばいい一日。日本戦の日は、楽しむというより「ともに戦う」ので、非常に疲れる。勝てば元気になるが負ければドッと落ち込む。このレシフェのペルナンブーコスタジアムに来るのは2度目。逆転負けした雨のコートジボワール戦と同じスタジアムだが、同じ場所だとは思えないほどの、いい天気だった。
プルナンブーコ 昼のペルナンブーコ

ワールドカップの良いところは、対戦国同士のサポーターが試合結果に関わらず仲良くなれるところだと思う。ゴール裏は比較的同じ国のサポーターが集ることが多いけれど、カテゴリー1など(タッチライン沿い)のメインスタンド、バックスタンドの席では敵と味方が近くに座ることがある。ボクの席は175ドルのカテゴリー1(大野が取ってくれたチケット。ありがとう!)前列にコスタリカ・サポーター、すぐ後ろにブラジル人、ちょっと後ろにはイタリア・サポーターのグループがいた。お互いの国のアンセム(国歌)のときにブーイングすることもなく、お互いをリスペクトしていて気持ちがいい。

リコスたちこの人たちもリ〜コ〜スなのだリコスたち2いいなぁ・・・勝つ試合を応援できて

試合はコスタリカが1点先取して、その後はカテナチオのイタリア顔負けの統率された守備で快勝。大方の予想はイタリアが勝つだろうと言われていたが、スタジアムはコスタリカのホームゲームのようだった。前の席のコスタリカ人に応援の仕方を教わった。「♪オ〜レ〜オレオレオレ〜 ♪リ〜コ〜ス、リ〜コ〜ス♪」 コスタリカ代表のことを「リコス」と呼ぶらしい。日本代表の応援もこうやって「外国人」に教えて、日本を応援してもらえるようになりたい。

リコスの守備統率されたコスタリカのオフサイドトラップ

イタコスの日本人イタコス戦の日本人ブラジル人イタコス戦のブラジル人 この人が「写真撮ってやるよ」って言ってくれた。オブリガード!

気がついたことがある。イタリアvsコスタリカの試合。イタリアを応援する人はイタリア代表ユニフォームとかセリエAなどの青系ユニフォームを着ている。コスタリカサポーターはコスタリカ代表ユニフォームの赤を着ている。日本人のボクはどっちでもないので日本代表のKIRINのプラクティスウェアを着て行った。しかし、たぶんブラジル人であろう人たちは試合に関係なくみんなカナリア・イエローのブラジル代表を着ている人が多かった。どっちを応援するとかではなく「私はブラジル人だもん」と言っているみたいだった。やっぱそうだよな。だってブラジルなんだもの。(つづく)

ありがとう、ザック。

ザックベンチ

胸が熱くなる話を聞いた。『FOOT+BRAIN』でのザッケローニ監督の通訳、矢野大輔さんの話。代表メンバー23人を発表した後のこと。ザックは通訳の矢野さんに、5人の選手に感謝の言葉を伝えてくれと頼んだという。『23人のメンバーには選べなかったが、ワールドカップに出場できたのは君たちのおかげだ。ありがとう』と。

その5人の名前を聞いてグッときた。矢野さんはひとりずつ、ゆっくりと、その名前を明かしてくれた。

『中村憲剛、

 前田遼一、

 駒野友一、

 細貝萌、そして

 李忠成』

ザックさんは、ボクらと同じ日本人だったんだ。
ありがとう、ザック。

ザックの5人

だってブラジルなんだもの⑭「ファン」か「国民」か

2014年6月19日

ギリシア戦の日。ある意味今回のブラジルで一番記憶の少ない一日だったのかもしれない。一番写真を撮らなかった一日になってしまった。試合が始まる前までにブラジル人たちとニコニコ写真を撮り、スタジアムの席から数枚、それ以降は一枚も写真がなかった。試合後、ひとりでサポ村ツアーバスの待ち合わせ場所まで帰って行ったことは覚えている。その日の夕食はどうしたんだっけ? それも覚えていない。デジカメの写真データ(時刻)を見ながら思い出してみる。

15時30分ロビー集合
ギリシア戦前ロビー
期待と不安。左奥、スカイブルーのシャツにハチマキをしているブラジル人は元FC東京のルーカス選手です。サポ村の前夜祭に家族で参加してくれました。

16時すぎ  スタジアム周辺到着
ダン幕

はるばる日本の裏側のブラジルの、ナタルという街のスタジアムまでやって来て、案外いろんな人と会えるもんだと思った。バスを降りてゾロゾロ歩いているとちょんまげ隊長のツンさんたちに会う。この12番の人の後ろ姿は「ダンマク」と呼ばれる横断幕を運んでいるところ。かなりの大荷物。はるばるブラジルまで運んで応援してくれる。これが選手たちの力になるんだなぁ。頭が下がります。

バッタリ
クラッターさん
ブラジルに行く前にいろんなサポーターの人と知り合った。世界中でサッカー観戦してきて警備隊から催涙弾を喰らったことのあるクラッターさん。facebookでブラジルのあちこちで観戦しているのは知っていたけど、ここナタルのスタジアムで再会!

「ピン隊」と呼ばれる白いボウリングのピンを被って顔を日の丸に塗ったグループがいます。国際映像によく抜かれる人たち。その金ちゃんたちやペコさんたちにも会いました。写真撮るの忘れてた!

19時ギリシア戦の君が代
ギリシア戦前

この写真を最後に、この日はもう一枚も撮っていなかった。

 

帰国後、ギリシア戦の録画を見直してみた。スタジアムで感じた部分、スタジアムでは見えなかった部分、いろいろ見えた。向こうでもそう思ったが、やはり大久保と内田が一番良かった。点を獲りたい!勝つんだ!という気持ちが全身から出ていた。選手たちにはもう何も言わない。必死で戦った結果なんだろうから。ただ、ザッケローニ監督と日本のマスコミにどうしても言いたいことがある。

ザックインタビュー
ザックさんへ

■「なぜ交代枠を使い切らなかったんですか?」「練習もしたことない吉田を上げてパワープレーをして点が取れると思ったのですか?」「背が高いギリシアのDF相手にパワープレーが有効なのですか?」慣れない吉田は相手ゴール前でしょうもないファウルをしてばかり。岡崎も動きにくそうだった。「守備を固めた相手なんだから、裏を取るのが得意の岡崎を下げて、大久保か本田をトップにいれ、サイドに齊藤学を入れて、あの変則ドリブルで相手DFの陣形を崩して点を獲りに行く方が日本の戦い方じゃないのですか?」「本田選手が、サイドからクロスを入れるだけで工夫・アイデアが足りなかったと反省していましたが、なぜピッチサイドから監督がアイデアを指示しなかったのですか?」と聞いてみたい。意地悪な質問かもしれないが、これにちゃんと答えられないようでは日本サッカーの発展は遅くなるだけだと思う。マスコミが選手や監督を正しく批評すべきだと思う。

日本のマスコミへ

■試合後の選手や監督へのインタビューの番組を見ていて気づいた。この質疑応答が退屈なのは、日本の質問者のせいだ。つまらない質問ばかりしている。「いまのお気持ちは?」とか「ゴールを奪えなかったことについてどうですか?」とか「次をどう戦いますか?」とか、答えがわかっているようなどうでもいい質問ばかり。選手は「そうですね」としか答えようのない誘導質問のような問いかけしかしていない。その点、海外のメディアは「なぜパワープレーをしたのか?」とか「なぜ交代枠を残したのか?」「香川を後半から入れた理由は何か?」と聞いていた。明確な答えではなかったけど、そういう鋭い質問をしてほしい。日本の質問は、ワイドショーのインタビューアーがアイドルへ質問してるのかよ、と思った。

(秋田豊さんが「なぜ、しないと言っていたパワープレーをしたのか?」と聞いたが、質問の仕方がまどろっこしくて、長い文章で質問したせいか、誤解されて翻訳されたようなピントのずれたザックの答えになっていた。モッタイナイ。翻訳されることを考えて簡潔な質問をすべきだった)

最後に。

インタビューの中に、気になった言葉があった。単なる言葉尻の問題かもしれないが、気になった。本田選手が「次のコロンビア戦はファンのためにも勝ち点3を獲りたいと思います」と言った。一方、ドイツに大敗した直後のブラジル代表ダビド・ルイスは泣きながら「こんな試合をしてしまい、国民に謝りたい・・・」と言っていた。応援してくれている人を「ファン」と呼ぶか「サポーター」と呼ぶか「国民」と呼ぶか。ワールドカップは「国民」なんじゃないかとボクは思う。「応援してくれるファンのために負けられない」という意識のチームより、「応援してくれる国民のために負けられない」という覚悟のチームのほうが絶対強いと思う。ワールドカップは「ファン」ではなく「サポーター」でもなく「国民」が応援しているんだという意識が必要なんじゃないだろうか。と同時に、青いユニフォームを着た人だけじゃなく日本人全員に応援する意識が必要なんじゃないか。じゃなきゃ勝てないよ。だって(ブラジル)ワールドカップなんだもの。(つづく)

だってブラジルなんだもの①出発の日
だってブラジルなんだもの②機上の人
だってブラジルなんだもの③まだアブダビだ
だってブラジルなんだもの④飛行機2本目
だってブラジルなんだもの⑤旅のメモ
だってブラジルなんだもの⑥サンパウロの空気
だってブラジルなんだもの⑦ブラジルの夜明け
だってブラジルなんだもの⑧ファベーラの笑顔
だってブラジルなんだもの⑨レシフェの雨
だってブラジルなんだもの⑩ナタルの彼
だってブラジルなんだもの⑪ブラジルの味
だってブラジルなんだもの⑫ブラジル国歌
だってブラジルなんだもの⑬KIRINと日本
だってブラジルなんだもの⑭「ファン」か「国民」か

だってブラジルなんだもの⑬KIRINと日本

2014年6月18日18時

ナタル前夜祭

ギリシア戦の前夜。サポ村ツアー参加者とナタル日本人会のみなさんやちょんまげ隊長ツンさん日の丸ハチマキ大作戦のペコさんらが一同に会して前夜祭が行われた。

ちょんまげ隊長ツンさんは東日本大震災で被災した牡鹿半島の小学生たちをブラジルに連れて行くプロジェクトをやっていた。世界中からの支援に対する感謝をブラジルワールドカップのスタジアムから世界の人たちに感謝の気持ちを伝えるためにブラジルにこどもたちを連れて行くプロジェクト。サポ村もこのプロジェクトに全面的に協力していた。ツンさんはサポ村ツアーのみんなに「協力ありがとうございます」と伝えるために来てくれていた。ペコさんとの再会もうれしかった。ペコさんは「日の丸ハチマキ大作戦」の言い出しっぺのひとりで、サポ村ツアーもこのハチマキ大作戦に協力していた。そのお礼を伝えるためにこの前夜祭に来てくれたのだった。)

このホテルにこんな広いホールがあったのかと思うほどの大きなホール。ステージがあって客席が段差になっていて、一番後ろの席からでもステージが見えるようになっている。300人ほどは入れるホールだった。実はここでサポ村ツアー代表の志賀さんに提案していたことがあった。実現できるかどうかわからないという前提で「ブラジルまで自費で応援にかけつける日本代表サポーターたちを、日本代表を支援するKIRINにも、何か支援していただけないか。飲料提供というカタチでなにか手助けいただけないか、KIRINに交渉してみたいのですが・・・」と。(今年3月、村上アシシさん主催の「ブラジル現地参戦説明会」ではKIRINさんから差入れを提供していただいた実績もあったが、「ブラジルで」となるとハードルは高いだろうと思っていた)

ボクは仕事でKIRINのサッカー日本代表コミュニケーションを手伝わせていただいている(注:2014年現在)。サッカー日本代表を使ったCMのコピーを書いた。(「新しい日本を見せよう」というコピーはしばらく使う予定です)そこでずっと思っていたことがあった。KIRINは本社が原宿にあった、いまから30年以上前から日本サッカー協会を支援してきた。KIRINカップのチケットが余って国立競技場がガラガラだった頃からサッカー日本代表を支援してきた。そのことをKIRINの若い社員も知らない人がいるだろうし、最近サッカー日本代表ファンになった若い人も「人気のチームのスポンサーになって宣伝に使えていいね」くらいに思ってはいないだろうかと気になっていた。KIRINが人気のある有名人を広告に使って販促活動に利用するためにサッカー日本代表を支援するんだったら、そんな人気のなかった時代から支援し続けるわけがない。企業としての社会貢献の必要性と国民が元気になるためにサッカーという国民的スポーツを支援する企業であるべきだ、という思いから日本代表支援を続けてきた。

ボクはKIRINという企業が、日本代表選手の映像をCMに使ったり、商品パッケージに選手たちの顔写真を使う、それだけでいいのか?もっと他にできることはないのか?と常々思っていた。KIRINはサッカー日本代表を支援している。ボクたちサポーターも日本代表を応援している。心から応援しているから、こんなブラジルの地まで貯金をはたいて応援しに来ているんだ。じゃあ、そのサポーターたちを、誰もサポートしてくれないのか? ブラジルまで来て応援しようとしているサポーターたちにKIRINは何かできないか・・・。東京KIRINの担当者の方に提案して、ブラジルKIRINの人に話をつないでもらって、このナタルでのサポーター集会にKIRINの飲料を提供していただけることになった。ちょうどブラジルKIRINでも一番搾りの生産が始まったというし。事前にサポ村の志賀さんとナタル日本人会のエミコさんとブラジルKIRINの方、KIRINの関連会社であるTOZANの方たちと連絡を取合いながら準備を進めていた。

この話を最初に提案した時、KIRINは即「いいですね!やりましょう!」と言ってくれるものだと思っていた。しかし、なかなかGOサインが出ず、正直「なんだよまったく、もう・・・」とガッカリしていた。ところがこの提案は、とてもデリケートな問題をはらんでいたのだった。実は、KIRINはワールドカップスポンサーではないので、ワールドカップをネタに販促活動することはルールとして禁止されている。ルール違反か、そうではないのか、その判断に時間がかかっていたのだった。しかし、これは個人的な知り合いのブラジルに応援に来た日本人たちへの差入れなので、これはルール違反にはならないという決断をしていただき、実現に至ったのだった。(例えば、ワールドカップの試合を見るパブリックビューイング会場でKIRINの飲料を提供したら、これは完全にNGとなる。ワールドカップを販促に利用していると見なされるからだ)

ブラジルの一番搾りブラジルで生産が始まった一番搾りと現地ブラジルKIRINのセルベ〜ジャ

KIRINは日本代表をもっと強くしたいと支援している。ボクたちサポーターも日本代表に強くなってほしいと思っている。じゃあ、KIRINはサポーターたちを、そしてボクたちサポーターもKIRINを、支援し合ったっていいじゃないか、と思うのだった。サントリーの社員もアサヒビールの関係者も、サッカー日本代表を応援するときはKIRINを飲む。競合商品だからとか小さいこと言ってんじゃなくて、日本を応援する。そういう日本人の心意気があるといいなぁと思うのだ。

牡鹿日の丸BRAKIRIN日の丸TOZAN日の丸KIRINフラッグ

サポ村村長志賀さんの発案で日の丸にありがとうの寄せ書きをした。当日JFAの方やKIRINさんもナタルのホテルVila do Marに駆けつけてくださる予定だったが、夜の急な大雨の影響による飛行機の遅延と空港でのロストバゲージなどがあり、会場ではお会いできなかった。みんながうれしそうにKIRINを飲んでいる様子を見ていただきたかったのだが。
しかし、ナタルでみんなで、KIRIN一番搾りが飲めるとは思わなかった。だってここは日本の裏側、ブラジルなんだもの。(つづく)

KIRINプラクティス ちなみにこのKIRINロゴの入った日本代表公式プラクティスシャツ。KIRINを担当しているから、「どうせもらったんだろう」とお思いかも知れませんね。違います、自腹です。KAMOだと定価だったんですが、御徒町の行きつけのスポーツジュエンで20%オフだったかな。上下セットで買いました。ボクは日本代表を応援している。だから、日本代表を応援している企業も応援する。KIRINやadidasを買うことは、ボクの中ではそういうことです。(ウェア全部をadidasで揃える気はありませんが)

だってブラジルなんだもの⑫ブラジル国歌

2014年6月17日16時

今朝4時に見送った同室の岩上くん、半病人の岩上くんは無事フォルタレーザに着いただろうか。もうすぐ16時。ブラジルvsメキシコ戦が始まる。お湯を沸かして、しじみのみそ汁を飲みながら、缶ビールも飲みながら、ブラジルの試合を部屋で見ることにする。今回のワールドカップで叶えたいことのひとつに「ブラジルでブラジル代表の試合を見る」という夢があった。しかし、さすがにブラジル戦のチケットは手に入らなかった。チケットなしでも520km(約東京ー神戸間)バスに乗ってスタジアムまで行けばダフ屋からチケットは手に入るだろうとも言われていた。サポ村ツアーからも現地でチケットを調達しようとしてバスに乗って行った仲間もいた。しかし、ダフ屋から買う、ふっかけられた料金のチケットを買う気力(と財力)は持ち合わせていなかった。目標を「ブラジルでブラジル代表の試合を見る」から「ブラジル戦をブラジル人と一緒に見る」ことに変更した。(これは後日叶う予定)

ブラジル入場Vila do Mar 105号室のテレビ

いつものように試合前の国歌が始まる。歌詞はわからないがブラジル国歌のメロディは知っている。ところが、「あれ? スタジアムの音響が故障したの?」 と思った。演奏が聞こえない。まだみんな唱っているのに演奏が聞こえないゾ。あれれ〜それはマズイんじゃない?と思ったら大きな間違いだった。音響の故障なんかではなく、国歌演奏はとっくに終わっているのに、スタジアムのブラジル国民と選手たちが国歌をフルコーラスで唱っていたのだっ。ビビった。すごい声量。スタジアムが震えているようだった。これ、スタジアムで見た人は感動だろうな。日本人でさえ感動するんだから選手たちは・・・と思ったら、涙をこらえきれないネイマールのアップが一瞬映し出された。うわぁ、これがブラジルのワールドカップなんだ〜。岩上くんの代わりに行けば良かったか?とちょっと思った。

ブラジル試合前TVブラジルの10番ドスサントスメキシコの10番

サッカーの試合自体はテレビ中継のほうが詳しくわかるかもしれない。ハイスピードでリプレイもしてくれる。でも、スタジアムに行くということは「事件を目撃する」ということなんじゃないかと思う。「その瞬間、その現場にいた」ことが大事なんだ。1998年フランスW杯でブラジルvsモロッコの試合。初めてセレソンを見た試合だった。その試合で覚えていることといえば、試合ではたしかロナウドとリバウドのゴールが決まってブラジルが勝ったのは覚えている。しかしそれより感動したのは、白いウインドブレーカーを着て試合前のウォーミングアップにでてきた時のスタジアムの歓声。いまだに忘れられない。遠くに見えたロベルト・カルロスの姿にサブイボが立った。試合内容より、そういうことを強く覚えている。それと、テレビ録画には映っていなかったけど、守備をしないロナウドをドゥンガが試合中に怒鳴っていた。ケンカする勢いだった。それをベベトらが「まぁまぁまぁ」となだめていたシーンが確かにあった。(それは後日雑誌のインタビュー記事にあったから本当にあったことだった)その試合を「目撃」したんだと思う。やはり、その「現場」にいたという事実にかなうものはない。

TYOのふたり片道520kmバスに乗って、ブラジル国歌をスタジアムで聞いて震えたタケちゃんとカネゴンさん(写真は、はるばる日本からナタルのホテルにやっと着いた時の笑顔)

ブラジルのスタジアムで、ブラジル代表の試合前に、ブラジル人たちと、ブラジル国歌を唱えたら。それはどんなに感動的だろう。そうとう震えるだろうなぁ。だって、ブラジル(ワールドカップ)なんだもの。(つづく)

追伸:前日朝4時にフォルタレーザのブラジル戦に出発した岩上くんは、翌日午前4時、無事に部屋に戻ってきました。ちょうど24時間の旅でした。おつかれさま。

ネイマール涙1ネイマールの涙1(録画より)ネイマール涙2  ネイマールの涙2(録画より)

ブラメキフォルタレーザ(録画より)

だってブラジルなんだもの⑪ブラジルの味

2014年6月17日

「ボン・ジ〜ア」は「おはよう」という意味。部屋から朝食のレストランまで行く途中に、ホテルの従業員とすれ違う。その全員に「ボン・ジ〜ア」と挨拶しながら歩く。しゃべりながら覚える。聞きながら覚える。実は、ブラジルに来る前に単語帳をつくっていた。ことあるごとに見返しながら覚えるつもりで。しかし、日本で暗唱しながら覚えようとしてもなかなか頭に入らなかった。やっぱり言葉は使わないと覚えないんだな。「ナオン・パロ・デ・サングラール」Nao paro de sangrar.(血が止まりません)だけは別の意味で覚えちゃったけど。

単語帳
Obrigado pela gentileza.(オブリガード・ペーラ・ジェンチレーザ ご親切感謝します)
Obrigado pela atencao.(オブリガード・ペーラ・アテンサゥン いろいろとお世話になりました)

Bomdia(ボンジ〜ア・おはよう)
Boa tarde(ボアタ〜ルジ・こんにちは)
Boa noite(ボアノイチ・こんばんわ)

ナタルビーチホテル前のビーチ 左(北)を向く

今日は「なんにもしない一日」の予定だ。ナタルはブラジル北東部のビーチリゾート。今日はホテルのビーチを散歩してのんびりしようと思った。ボクには、海にくると決まってやることがある。それは「海の水をちょっとなめる」こと。昔から、海に行った時はそこの海水をなめて塩っぱいことを確かめることにしている。そこの海水をちょっとなめることで、自分の身体が確かにそこの海に来た、ということになると個人的に決めている。う〜ん、これがブラジルの海の味か。大西洋の味か。やっぱり塩っぱいか。

ホテル前のビーチ 右(南)を向くナタルビーチ2

ビーチの木陰のベッドで寝転んでいる。こういう時いつも思い出すコピーがある。サン・アドの古居くんが書いた西武グループのリゾート広告のコピー、「なんにもしないをするの」を毎回思い出す。もう20年以上前の広告だ。大キャンペーンのコピーではなく、単発の広告だったけど、名作だと思う。そうだ、なんにもしないをしよう、といつも思う。

ナタルパノラマホテル前の芝生より大西洋を臨む

海を見ながらビール(cerveja・セルベ〜ジャ)を飲む。だけど、ブラジルの強い日差しの下では、もっと強い酒が飲みたくなる。そうだ、なんとかいうピニャコラーダみたいな、なんかあったよなぁ。iPhoneで「もっと強い酒が飲みたくなる」とfacebookに書き込むと、誰かが「カイピリ〜ニャはいかがですか?」と教えてくれた。そうだ、それだ。プールサイドのBARでそれを頼むことにする。カシャ〜サというさとうきびから作ったブラジルのスピリッツ。クラッシュアイスにライムを搾って砂糖を入れたカクテル。「カイピリ〜ニャ、ポルファボール。ルーム? ウノ・ゼロ・シンコ(105号室)ナカム〜ラ」プールサイドのパラソルの下まで持って来てくれた。オブリガード。初めて飲んだブラジルの味、カイピリ〜ニャは、、、甘すぎた。もうちょっと砂糖が少ない方がよかったなあ。「思ったより甘かった」とfacebookに書き込むと「シン・アス〜カル」と頼むと砂糖抜きで頼めますよと教えてくれた。ミネラルウォーターには「コン・ガス」と「シン・ガス」とある。「コン・ガス」がガス入り。「コン」はwithのようなものか。となると、「シン・ガス」はガスなし。つまり、No Gasってことか。ということで、「シン・アス〜カル」でNo Sugerってことか。二杯目はそうしよう。そうやってウダウダしながら午後4時まで。そう、今日は16時からブラジルvsメキシコ戦だ。

カイピリ〜ニャ甘いほうのカイピリ〜ニャ

とまあ、ここまで読んでいただいて、誠に申し訳ないのですが、それ以上でもそれ以下でもない一日です。面白くもなんともないじゃないかとお思いのことでしょう。しかし、ブラジルは毎日毎日何かが起こる国でもありません。こういう日もあるのです。だって(それも)ブラジルなんだもの。(つづく)

自分たちのサッカー? なんじゃそれ?

コロンビア戦後

【完全アマチュア視点からのW杯日本代表サッカー分析】

*以下の文章はあくまでアマチュアのボクが思ったこと、専門家の分析みたいな真似事をしてみたレポートです。異論反論あるでしょうが、ボクはそう思った、という話です。それもサッカーの楽しみのひとつですから。

日本代表選手がよく言う「自分たちのサッカー」ってなんなんだ? ボールの保持率を上げてパスをつないで、みんなが連動して動いて攻めて行くってカンジかな?問題は相手が格下ならそれができても、相手が格上でもいつもそれが通用するのか?ということ。さらに言えば、どの国も「自分たちのサッカー」という得意の(理想の)サッカーを目指すわけだし、それがいつもできるのなら、どの国だって優勝できるんじゃないか、と思う。相手があるスポーツで必ずしも自分たちの理想のプレーができるわけがない。その時どう対応するか。それとも、対応できないでオタオタするか。相手は日本を研究して長所を消し、欠点を突こうとする。それが「戦略」というものだ。「自分たちのサッカーができなかった」ではなく、「自分たちのサッカーができない時の闘い方を知らなかった」ということだと思う。

縦パスが減り、横パスやバックパスが多くなる。そんな勇気のないパスばかりでポゼッションを上げても意味がない。日本代表の横パスやバックパスが日本人特有の「責任逃れ」「譲り合い」に見えてしかたがない。「先輩からどうぞ」「いえいえ、あなたからどうぞ」というふうに。縦パスを譲り合っているように見えた。縦パスには勇気と決断がいるから。

逃げている横パスには魂がこもってないからカンタンにカットされる。悪い時の日本はただパスを回すことだけやって、「ゴールを奪う」という姿勢が全く感じられなくなる時がある。とにかくシュートが遅い、という印象だ。シュートを打たないチームなんて怖くない。いつ誰がシュートを打ってくるかわからないチームが怖いんだと思う。クイアバのコロンビア戦でこんなシーンがあった。ボクは、岡崎がヘッドを決めた方のゴール裏の席にいた。日本が向こうのゴールに攻め込まれていたとき、ボールを奪った。チャンスだ!よし、来い!と思ったらなかなか来ない。細かいパスをつなぎながらコロンビアと一緒に戻ってくるのか?と思いたくなる遅さ。もっと早く来いよ、と思ったことがあった。

「遅い」と感じたのは、選手たちが「走っていない」「動いていない」からかもしれない。いい時の日本代表はみんなが動いている。今大会ではそれが足りなかったのではないか。(コンディションづくりの失敗なのか?)ビデオで見て特に気になったのが岡崎と香川がゴール前でかぶることが目についた。
象牙海岸後「自分たちのサッカー」をしようとするのはいいけど、それより先に「点を獲るんだ!」とか「どんなことをしても勝つんだ!」という気持ちはどこへいってしまったのか。自分たちのサッカーじゃなくてもいいから勝ってくれ、と言いたい

【アマチュア調べ】
どうしても納得できなかったので、何試合かビデオで見返してみた。「ボールを奪ってから得点が決まるまで、ボールに触る人数と秒数」を調べてみた。

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日本 vs コートジボワール(3点平均8秒)
【日本】スローインから3人(5秒)本田ゴール
【コート】中盤で奪う4人(12秒)ヘディングゴール
【コート】奪って4人(7秒)ヘディングゴール
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日本 vs コロンビア(4点平均16秒)
【コロ】PK
【日本】自陣ペナドリブル上がり3人(17秒)岡崎ヘッド
【コロ】6人(20秒)ジャクソンマルチネスゴール
【コロ】3人(12秒)ジャクソンマルチネスゴール
【コロ】5人(15秒)ロドリゲスゴール
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ブラジル vs カメルーン(5点平均8.8秒)
【ブラ】相手陣カット2人(6秒)ネイマールゴール
【カメ】CKクリアボール3人(10秒)カメルーンゴール
【ブラ】クリアカット2人(7秒)ネイマールゴール
【ブラ】CKクリアから5人(17秒)フレッジゴール
【ブラ】パスカットから3人(4秒)ブラジルゴール
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ドイツ vs USA
【ドイツ】CKこぼれ4人(8秒)ミュラーゴール
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ドイツ vs アルジェリア
【ドイツ】ハーフェーカット4人(10秒)シュルレゴール
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ベルギー vs USA(3点平均15.6秒)
【ベルギー】自陣カット3人(14秒)ゴール
【ベルギー】自陣ペナクリア5人(13秒)ゴール
【USA】GKから6人(20秒)ゴール
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ドイツ vs ブラジル(7点平均13秒)
【ドイツ】CKからミュラー
【ドイツ】サイドスローイン6人(15秒)ゴール
【ドイツ】センターでカット7人(16秒)ゴール
【ドイツ】3人(5秒)クロースゴール
【ドイツ】4人(11秒)ケディラゴール
【ドイツ】DFから11人(30秒)ゴール
【ドイツ】スローインから4人(7秒)シュルレゴール
【ブラ】GKから3人(7秒)オスカルゴール
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オランダ vs ブラジル(2点平均23.5秒)
【オラ】PK
【オラ】13人(35秒)オランダゴール
【オラ】4人(12秒)オランダゴール
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(全26点中)
10秒以内のゴールが9点
★15秒以内のゴールが18点
16秒以上のゴールが8点
10秒以上20秒以内のゴールが14点
20秒以内のゴールが23点
20秒以上のゴールが3点
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得点のパターンは3種類しかない。相手のボールをカットして早く攻める得点、CKやFK、スローインからの得点、GKやDFからボールを回しながらずっと保持したまま得点に至る、の3つだ。どれが一番多いか。どれが一番効率がいいか。逆にどれが一番確率が低いか。明白だと思う。

ブラジル入場ブラジルが「自分たちのサッカー」ができたら優勝したはず。いつも「自分たちのサッカー」ができれば誰も苦労しない

日本のサッカーはパスをつないで・・・というけれど、もっと「早くシュートに行く」ことを学ぶべきなんじゃないか。日本のボール回しを見ていると、試合に1、2点リードしていて時間を使いながら試合を終わらせにいくチームのように見える。シュートタイミングが0.5秒遅れるだけでDFの足が伸びてくるし、シュートコースは狭くなる。

それとひとつザックさんに質問があります。「なぜ齊藤学を使わなかったのか」彼はちょこまかドリブルで相手のペースを乱す可能性を持っている、リズムを変えることができるから呼んだのんじゃないのか? 吉田を上げてパワープレーに行くならハーフナーや豊田を呼ばなかったのはなぜか?ぜひ聞いてみたかった。と同時に、こういう質問をマスコミのみなさんに聞いてみて欲しかった。(そういう記者会見あったっけ?)

もうひとつ、言いたいこと。FKは左は本田、右は遠藤、なことは子どもでも知っている。本田が狙うしかなかったのか、調子の悪い本田が直接打つしか・・・(入る気がしなかった)。本田が蹴ると見せかけたトリックプレーなどは準備したのか。あのドイツでさえトリックプレーを準備していたというのに。CKも相手が大きいからとショートコーナー一辺倒だったし。

最後に、もうひとつ。言いたいことがある。コロンビア戦が終わって敗退が決まって、サポーター席に挨拶に来る選手たち。申し訳なさそうにしていて可哀想にも見えるんだけど、その時、両手を上げて手を叩くポーズって、どういう意味なんだ?応援に来てくれてありがとう、なのか?(そんなこと、こんなときに言われたくもない)あのやる気なさそうに手を叩くポーズ、勝った試合ならいいけど、負けた試合でどういう意味なんだ?と思った。

*ともあれ、日本でトップの選手たちが一生懸命やった結果なんだから、それが今の日本の実力なんでしょう。日本も強くなった(と思った)けど、他の国ももっと強くなっていた、ということ。優勝を狙うのもいいんだけど、挑戦者なんだということを忘れないでいてほしいと思います。ボクは日本代表を心から応援しています。

だってブラジルなんだもの⑩ナタルの彼 

2014年6月16日

105号室
■16日朝 Villa do Mar 105号室
コホッ、コホッ、コホッ。同室の岩上くんが咳をしている。熱っぽい、寒気がするといってベッドに潜っている。レシフェの雨のスタジアムからの帰り道、雨に濡れてバスで冷えて、風邪を引いたのかもしれない。(その他にもサポ村ツアーの人が何人も風邪気味だったようだ)風邪薬は飲んだらしいが熱が引かない。持っていた解熱剤をあげた。寝てたほうがいいよ。彼の予定はハードだ。今日16日アメリカvsガーナ戦@ナタル、17日ブラジルvsメキシコ戦@フォルタレーザ、で19日が日本vsギリシア戦@ナタル。ナタルのスタジアムはホテルから遠くないから、行けなくはないだろうけど、無理して熱が収まらなかったら日本戦までパーになっては元も子もない。「中村さん、アメリカvsガーナ、行ってくれませんか」

その日の昼、ホテルから町まで買い物バスがでる。スーパーマーケットのあるショッピングセンターに行くらしい。よし、そこでいろいろ買い出ししてこよう。水のペットボトル、ビール、非常食用のチョコレートなど、カップヌードル的なモノ、そして栄養ドリンクとか翼をさずけるヤツとかを買い出しに行こう。風邪気味の時にはそういうドリンクがいいだろう。

■16日13時 スーパーマーケットの彼
ボクはまた例の日本代表KIRINプラクティスシャツを着ていた。(ちゃんと昨日洗濯しましたよ。ポリエステルだから乾きが早い。こういう旅行では洗濯は必至なので、綿100%のTシャツより、サッカー系のポリエステル100%のシャツの方が乾きやすくていいと思ったのです)で、その「背中が語っているシャツ」を着て、スーパーマーケットでビールをどれを買おうか探していたら、ブラジルの青年に声をかけられた。「ジャパオ?」背中の文字を読んで話しかけてくれたみたいだ。「ブラジルも応援します」というポルトガル語を背中に書いたけど、しゃべれないので「おー、ジャパオよ。セレソン・ブラジレーロ、オーエン、スルーヨ」とかなんとか言いながら、一緒に写真を撮った。やっぱり、文字を書いててよかった。正しいポルトガル語じゃないとしても、伝えたいという気持ちは伝わるんだな。写真の中の青年は恥ずかしそうに笑っていた。
ショッピングセンターの男の子名前も知らない彼と

■16日15時 Villa do Mar 105号室
ホテルに戻り、栄養ドリンクなどを飲ませ、岩上くんにこう言った。「じゃあ、今日のアメリカ戦はボクが買います。だけど、まだブラジル戦はあきらめちゃダメだよ。ブラジル戦のチケットを持っているのに見ないと絶対後悔するって。行くんだ、というつもりで寝てなさい」と励ました。実は、「ブラジル戦も中村さん行ってください」と言われてて、一瞬「ラッキーか?」とほくそ笑んだのも事実だが、やっぱ岩上くんが行くべきだ、と思った。しかし、ひとつ難題があって。ブラジル戦がフォルタレーザだということ。メチャメチャ遠いのだ。ナタルからは520kmはある。東京から神戸の距離。それをあのバス(もう故障しないとは思うけど)で日帰りだ。ブラジル戦は17日16時キックオフなので、ホテルを夜明け前の4時に出発するらしい。「夜まで寝て、熱が下がってきたら、行くんだぞ」と言い残し、ボクはアメリカvsガーナ戦にでかけた。

ナタルスタジアム見晴らしかなりの高さからでも試合は見やすい。サッカー専用スタジアムはいいわ

■16日19時 Arena das Dunas@NATAL
19日のギリシア戦のスタジアムなので下見も兼ねて。座席はカテゴリー3の一番上の方だった。座席の下を覗き込むと、鉄パイプと板で突貫工事で作った感じだった。ここで全員が立ち上がってジャンプして応援なんかしたら、崩壊するんじゃね? やはり工事が間に合っていない、というのはホントだった。(スタジアムの周辺もまだ工事中だった。というより、途中で工事を止めたふうだった。ワールドカップのイラストが描かれた板で覆ってあるだけだったし)仮設の座席のようだから、みんな、おとなしく座って応援しようね。
座席の下階段の下を覗くと鉄パイプと板にシートが貼ってあるスタンド

■16日20時 Arena das Dunas@NATAL となりの席の彼
ボクのとなりの席にひとりのブラジル人の青年がいた。ハーフタイムに「ジャパニーズ?」と英語で話しかけられて、そうだよと答えるとこんな画像を見せてくれた。
ハチマキ写真なんと日の丸ハチマキじゃないの! レシフェでのコートジボワール戦でもらったらしい。日の丸ハチマキ大作戦がこんなに広がっている! うれしくなっちゃって、持っていた日の丸扇子をあげたら、喜んでくれた。ギリシア戦も応援してね、と記念写真を一緒に撮った。スーパーマーケットで会った彼も、この彼も。名前も知らないブラジル人、二度と会わないブラジル人なんだろうけど、お互いの記憶にずっと残るのかと思うと、ワールドカップに来るというのはいいもんだなぁと思った。(せめて名前だけでも書いてもらえばよかったなぁ。後悔)
ナタルの彼二度と会えない彼と

■17日午前1時 Villa do Mar 105号室
試合後、サポ村ツアーから行っていた人たちとピザ屋で食事をしてワイワイやってホテルに戻る。たぶん12時はすぎていたかな。岩上くん、熱は下がったかな。ドアのところにルームサービスの食器があった。食欲があるようなら大丈夫だろう。熱もなんとなく下がってきたという。本人はまだ行くかどうか迷っていたようだが、ボクは行くように強く奨めた。本人も明るさを取り戻してきているようだった。岩上くんが行く決断をした。正直、ホッとした。もし「やっぱり熱が下がらないので中村さん、ブラジル戦行ってください」と言われたらどうしようと思っていた。ブラジルに来て寝不足の日々、昨日は休めたが、今日も試合を見て来て夜の1時過ぎに帰って来て、これから4時にまたバスで出かける。しかも神戸まで(の距離)。ブラジル戦は見たいけど、心と身体の準備ができていなかった。

■17日午前4時 岩上くんを見送って、寝た。

病み上がりの岩上くんを焚き付けてしまったかなぁ。でもせっかくプラチナチケットでもあるブラジル戦を持っているのにそこに行かないなんて、ブラジルに来た意味ないし。バスの中でずっと寝てればいいんだし。絶対見に行ったほうがいいよ。うん、多少無理してでも行ったほうがいい。だってブラジル戦なんだもの。(つづく)

だってブラジルなんだもの【番外編】Arena Pernanbuco君が代

Recife Arena Pernanbuco
2014.6.14

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